旅行

紀伊半島と熊野三山

翌日の午前中は潮岬と紀伊大島を回った。本州最南端である。トルコの軍艦エルトゥールル号が遭難した場所としても、なぜかかなり前から私の中では有名な場所だった。潮岬の周りには岩礁帯が広がっているのだが、心細げな岩場に多くの釣り人がいた。そう言え…

御坊・パンダ・串本

28日に和歌山で行きたい場所がなくなったため、半日をどこで使おうかという話になった。 私としては、御坊の紀州鉄道だけは乗りに行きたいと思っていた。これは、全国で一番路線の短い私鉄である。その営業距離は、なんと2.7㎞。JR御坊駅から西御坊ま…

和歌山電鐵

最初に書いたとおり、高野山を早く下りたおかげで、和歌山で時間が出来た。一応「乗り鉄」の私は、元々、和歌山電鉄(正式には和歌山電鐵)に乗りたいと思っていて、どうやって時間を工面するかに頭を悩ませていたのだが、この日の明るい時間のうちに「乗り…

雪の高野山

高級宿坊にぶつぶつ言いながら、すったもんだの末、民宿を見つけて予約をした。安いビジネスホテルの料金で、新しくおしゃれなペンション風。暖房がエアコンだけの上、天井が高いのでなかなか部屋が暖まらないのが玉に瑕だったが、オーナーの人柄もあって、…

俗なる高野山

高野山=空海(弘法大師)=真言宗=金剛峯寺、という程度の知識は、中学か高校の頃から持っていた。司馬遼太郎『空海の風景』も、20年以上前に読んだことがあった。しかし、イメージとしては比叡山同様、山の中にお寺があるというだけだった。そのイメー…

奈良の諸仏と寺院

古典の授業の時に、阿呆のひとつ覚えのように「いいものしか古くなれない」「なぜこの作品は古典になることが出来たのか考えよ」と繰り返している私は、古いものに対して並々ならぬ畏敬と愛着とを持っている。 日本には現在、奈良時代以前に作られた建物が2…

年末の奈良・和歌山(まだ前書き)

私が行ったことのない場所で、家族と行ってもいいかなと思っていた場所は2箇所あった。ひとつは島根県(出雲大社、松江城)、もうひとつは和歌山県(高野山、熊野大社)であった。さほど説明もせず、家族に言ったら、和歌山がいいという話になった。冬の日…

年末の奈良・和歌山

24日以来お休みしていた。冬休みに入って少しは暇なはずなのに・・・?実は、25日から今日まで、コロナの谷間を狙って奈良・和歌山に行っていたのである。 これまで2~3年おきに、年間で唯一箇所、家族が一緒に休みを取れる年末に旅行をしていた。あく…

アフガニスタン雑感

何も書かずにいたが、アフガニスタン問題は、私も強い関心を持って眺めていた。「なぜ関心があるか?」と尋ねられても困る。アフガニスタンに限らず、世界ゆで起こる様々な問題は全て日本とも自分とも関係している、と思っているからだろう。 私はアフガニス…

『「敦煌」と日本人』

東京の神保町に「東方書店」という中国関係書籍専門店がある。中国からの輸入書や、日本で出版された中国関係の本を売っているだけでなく、更には出版もしている。私も学生時代以来ずいぶん世話になっている会社である。 その「東方書店」が、『東方』という…

ユース ホステル

昨日で北海道の話は終わり、のつもりだったのだが、少し補足を書いておこう。 7月28日、「網走流氷の丘ユースホステル(YH)」というところに泊まった。元々この日は、翌朝早くウトロ港を出港する船に乗せてもらう予定だったので、ウトロの道の駅で車中…

あの時の船長さん

寝台列車がなくなった後、北海道には船でしか行く気にならない。「旅行は線」、移動の過程も含めて全てが旅行という私にとって、飛行機は余程よく晴れた日に1回くらい乗るのはいいが、移動の実感が持てないつまらない交通機関である。太平洋フェリーは本当…

網走の印象

(話の順番がまったくデタラメでごめんなさい。) 網走は、人口34,000人。石巻の隣町、東松島市が39,000人だから、それより5,000人も少ない。ちなみに、私が住む石巻市は138,000人、勤務する塩竃市は52,000である。オホーツク海沿…

北海道の鉄道(2)

北海道を旅行していると、保存蒸気機関車や鉄道遺構、あるいはただの「名残」としか言い様のない物まで、おびただしい(正におびただしい!)数の鉄道関連遺物を目にする。 網走から能取(のとろ)湖、サロマ湖方面に行くと、勇網線の廃線跡がサイクリングロ…

北海道の鉄道(1)

私は広義の「鉄道ファン」である。高校時代には、友人数名と勝手に「鉄道研究会」を作っていた。鉄道ファンにも色々と種類がある。最近の用語で言えば、私は「乗り鉄」に分類されるだろう。もっとも、「広義の」と書いたとおり、あまり熱心なファンではない…

身の毛のよだつ話

北海道で消化したスケジュールは次のとおりであった。(==は交通機関、--は友人の車、・・・は徒歩) 7月22日:仙台港19:40=(太平洋フェリー)7月23日:=11:00苫小牧港・・・苫小牧駅13:26=(室蘭本線・普通)=14:03追分1…

少しお出掛け北海道

ブログの更新をお休みしていた間、夏休みを取得し、1人で北海道に行っていた。不要不急の外出を控えるべきこの時に何事か!とお怒りになるのは、もっともであってもっともでない。 3学年担当の今年、就職希望者の夏季休業中登校日が8月に5回予定されてい…

JICA講演会 in 塩高

(7月7日付け「学年主任だより№13」より②) 【世界が広がってよかった「教養講座」】 (ブログ用の注:先週の水曜日に学年行事「教養講座」を行った。今回はJICA東北から、Nさんに来ていただいた。Nさんは環境教育分野で、海外青年協力隊員として…

美しき瑞巌寺

日曜日は大荒れ、というのが2~3日前の天気予報だったのだが、昨朝目を覚ませば、日射しがまぶしく、カーテンと開けると「快晴」に近い天気だった。雨上がりで空気が澄んでいて、我が家からは南浜の復興祈念公園も海もとてもくっきりと鮮やかに見える。う…

近くの温泉・大旅行(3)

600mの峠越えで雪は見られるかなぁ?と思っていたところ、意外にも、福島を出て間もなく、庭坂駅を過ぎたあたりから、線路際に雪が見えるようになった。その後、標高が上がるにつれて雪はどんどん増え、辺り一面の雪景色となった。これは山間部だけでは…

近くの温泉・大旅行(2)

今のJRでは、普通列車で車掌が検札に来ることなどめったにない。よって、本来であれば、途中下車をしようとしない限りは、持っている切符の性質についてとやかく言われることはない。「近郊区間」などという特別ルールがなくても、一度列車に乗ってしまえ…

近くの温泉・大旅行(1)

高校入試も終わったし、県下一斉に部活禁止令が出ていて、子どもたちも珍しく暇だし、よし温泉に行くぞ、ということになった。目指したのは、お気に入りの川渡(=かわたび)温泉なのだが、毎年1~2度は必ず行く場所なので、少し変化を付けてみようかと知…

肺炎禍ののどかな週末

先週末は、家族で鳴子温泉に行っていた。なにしろ、子どもたちは学校がなく、少年野球も休止である。家の中がのんびり落ち着いていていいなぁ、とも思うが、彼らなりにストレスもあるようだ。加えて、旅行キャンセルや自粛という動きの中で、宿泊施設は厳し…

非常識で親切な人々

(12月16日付け「学年だより№31」より) 師走も半ば。私も人並みに「大掃除」くらいはする。先日、自室の大掃除をしていたら、机の中から、何枚かの切手が入った古い封筒が出てきた。1983年11月~12月、私がイラン旅行していた時に買ったもの…

ベルリンをめぐる思い出

一昨日、「ベルリンの壁崩壊30周年」に触れた「学年だより」の記事を載せた。それに関連して、自分とベルリンの関係(と言うほどのものではないのだが・・・)を少し書いておこう。いろいろと社会的問題を含む話になる。 私は、東西冷戦最中のベルリンに行…

「全車指定席」考

先日南アルプスに入るにあたって、登山口とした広河原というのは、甲府駅からバスで約2時間の所である。山梨には、昨年の秋にもちょっとした事情があって行った(→その時の記事)。その時は、八王子から石和(いさわ)温泉駅まで、「かいじ」という中央本線…

沢木耕太郎と『深夜特急』(2)

一昨日書いたとおり、沢木氏は1973年にインド~ヨーロッパを旅し、『深夜特急』を1983年から書き始め、1992年に完結させた。『旅する力 深夜特急ノート』で『深夜特急』が完結したとするならば、それは2008年にまで下る。旅から実に35年だ…

沢木耕太郎と『深夜特急』(1)

2月19日火曜日の夜、塩釜市民図書館の主催で開かれた沢木耕太郎の講演会に行った。塩釜市の中心部にある「遊ホール」(379人収容)は大入り満員。事前に整理券を配布していたのだが、少なくとも1週間前には「配布終了(満席)」の掲示が出ていた。へ…

大三島と瀬戸内海・・・四国旅行(7)

いろいろと公私ともに忙しい。四国の話がこれ以上続くのもだらだらした感じでよくないので、高知以降についてざっと書いて終わりにする。 四国は鉄道ファンにとって比較的面白い場所である。なにしろ、日本で唯一運行されている寝台列車は乗り入れているし、…

美しく哀しい室戸岬・・・四国旅行(6)

高知での2日目、桂浜と室戸岬へ行った。今回の旅行期間中でもっとも天気に恵まれた1日である。穏やかに晴れ上がり、気温も上がって、カッターシャツ1枚で外を歩くことが出来る。 そんな桂浜は美しかった。龍馬が愛した場所だ、などという能書きはどうでも…