社会

「決める」ことの難しさ、大切さ

(2023年8月23日「担任のお話№16」より②) 【「決める」ことの難しさ、大切さ・・・三者面談より①】 もはや1ヶ月以上前のことになるが、ほぼ予定通り、全員と三者面談をすることができた。日頃聞くことのできない話も聞けたし、私としては得るもの…

富士山の無謀登山者

最近、新聞で毎日のように、富士山に無謀な登山を試みる人についての批判的な記事を目にする。3800m近い高山である富士山に、かなりの軽装で、宿泊や休憩も考慮せず、「弾丸登山」をする人が多いのだそうだ。日本人だけでなく、外国人にもそんな人が多…

「13位ショック」も同じ話

一昨日の新聞報道によれば、注目度が高い科学論文数(他の論文に引用された回数が各分野で上位10%に入る論文の数)で、日本は過去最低の13位に転落した。日本の上には韓国やイランなどといった国も入っている。資源を持たない国にとって、知的水準の低…

上意下達が活力を奪う

今年の人事院勧告が出た。国家公務員試験の受験者が減っていることに対する危機感を反映させたものだそうだ。あれれ、受験者が減っているとはどこかで聞いたような話だな、と思う。そう、教員採用試験についてよく言われることである。人事院は、初任給の引…

「永遠の命」を得る方法

私の作文には、たびたび『聖書』が登場する。私はクリスチャンではないが、『聖書』に描かれた人間の姿に強い共感を覚えることが多いからだ。よくこれだけ簡潔な表現で、人間という生き物の本質的な姿を描けるものだと感嘆する。 今までにも取り上げた福音書…

何に「不安や恐怖」を感じるか?・・・北アルプス番外編

一昨日、双六小屋の賑わいについて書いた。多くの人が食事をし、ビールを飲んでいた。CSで、私より少し遅れてきて、私の隣にテントを張った2人組は、テントを張り終えると「さ、飯食いに行くか・・・」と言って、小屋の方に行ってしまった。まるで、下界…

三度「ジェンダー平等」について

昨日から夏休みに入った。この2日間、石巻は一昔前の夏を思わせるいい夏日だ。気温も30℃に届かず、ほどほどに風があり、湿度も低くて、海が水平線までくっきりと見えている。こんな夏ならずっと続いてもいいなぁ。 女子サッカーのワールドカップ(W杯)…

「頑張る」ことの本質

(2023年7月21日付け「担任のお話№15」より) 一昨日、他クラスより1時間多くて余った国語の授業をどうしようかなぁ、と思って、カツオ一本釣りの映像(プロフェッショナル「明神学武」→関連記事)を見てもらった。本物のプロフェッショナルが生ま…

先生、どうやって来たんですか?

(2023年7月12日付け「担任のお話」№14より) 日曜日、石巻市民球場に高校野球の試合〈石工vs県工〉を見に行った。他の種目の大会には行かず、野球だけ特別扱いするのはよくないなぁ、と思うのだが、なんでもかんでも行くわけにも行かず、じゃあど…

検察は信じられるか?・・・袴田事件の有罪立証へ向けて

今年3月、再審開始が認められた袴田事件について、検察庁が改めて有罪を立証する方向で再審に臨むことが明らかになった。ちょっと信じがたい。今更どんな新しい資料(証拠)を提示できるというのだろう? この報に接した時、私の頭にすぐに浮かんだのは、3…

防衛装備移転三原則の見直しに関して

昨年のロシアによるウクライナ侵攻以来、日本の安全保障政策も異常な早さで変化している。ついに、と言うべきか、与党内部で防衛装備移転三原則の見直しという話になってきた。 私は、今の政府(与党)のやり方に賛成していない。ただしそれは、国会を軽視し…

実現すべきは機会の平等

この3日ほど、少し気温は高めながら、空気がからっとしていて、まるで北欧の夏のように快適な日が続いていた。加えて満月。特に一昨日などは、海が金色に光って美しかった。今日になって少し湿度が上がり、日本の夏に近づいた。気温は20℃代の半ばなのだが…

おかしいのは私?

6月28日に、「国際卓越研究大学」に関し、国の有識者会議が、その候補を東大、京大、東北大の3校に絞った、ということが新聞報道された。「国際卓越研究大学」(以下、卓越大)とは、世界最高の研究水準を目指して、国が一部の大学に対し、最長で向こう…

再発防止の限界

今日は体育大会二日目。昨日書いた通り、天気予報ではかなり悲観的だった。ところが、これまた予想通り、朝起きたらなかなかの好天で、青空も見え、陽が射している。 ところが、私が家を出て間もなく雨が降り始めた。30分後、学校に着く頃には大方上がり、…

楽して儲かる方法はない

(6月21日「担任のお話」№11より) 今日は夏至。言うまでもなく、昼間の時間が最も長い日だ。 我が家の居間には、元南極越冬隊員である友人からもらった「南極カレンダー」というものが掛けてある。南極の写真が使われているというだけでなく、日付の所…

歩いて日フィル

今週に入って、東北地方も梅雨入りした。絵に描いたような梅雨空が続いている。 政治の世界では、衆議院の解散が連日の話題だ。見ているだけで具合が悪くなってくる。与党が勝てるタイミングを探しているだけだということが露骨に見えるからだ。こんな自分勝…

火葬は異常だ

今日の河北新報「持論時論」欄に、私の作文が載った。実は、わずか1ヶ月半ほど前、4月12日に少子化の作文が載ったばかりである。私は、このような作文なら3日に1本でも書けるのだが、新聞社にうっとうしがられると逆効果だと思って、年に1度以上は作…

すばらしき日本酒

名古屋高裁で、同性婚を認めないことについて違憲判決が出た。憲法第14条と第24条の二つの条文に違反するとしたのは初めてらしい。 私は4年前に、同性婚は認められるべきだという一文を書いたことがある(→こちら)。考えは今でもまったく変わっていな…

低調な会議、作られた「平和ぼけ」

昨日の午前、教職員組合の会議に出たことは少し触れた。「中央委員会」という正式な機関会議である。その中で、最近、学校で生徒総会がきちんと機能していない、という問題を提起した人がいた。まったく議論の体を為しておらず、なんとなく拍手をしておしま…

10%で何が起きるか?

先週の土曜日、隣人と立ち話をしていて、最近庭でキツネやタヌキを見ない、という話になった。我が家でも、もう1年以上見ていないような気がする。復興祈念公園の工事が始まる前は、津波によって人工物が破壊され、野生動物の楽園となった南浜町に、相当数…

マスコミの劣化

東京都江戸川区の中学校教員が、今年2月に人を殺したとして逮捕されたニュースが、連日報道されている。これは、生徒も教員も、現場にいる人たちにとっては衝撃的なニュースだろう。 私はかつて、「推定無罪」という司法上の原則について書いたことがある(…

検証「新しい生活様式」・・・コロナの5類移行に当たって

コロナが5類の感染症に変わった。学校では、それに当たって保護者宛の文書を出したが、ざーっと読んだだけだと、何が変わったかよく分からない。今後もできるだけ感染を抑えるという姿勢で書かれているからだろう。とりあえずは、家族が感染したからと言っ…

土葬にも人口の壁

今日は朝から、石巻高校ワンダーフォーゲル部に付き添って、石巻市北部にある上品山(じょうぼんさん=466m)に行っていた。水沼という集落に車を置き、水沼山(みずぬまやま=347m)を経て、3時間あまりで上品山に着き、昼食の後、今度は水沼山の…

うな丼発言について

国家公安委員長が自民党議員のパーティーのスピーチで、先日の岸田首相爆殺未遂事件について連絡を受けた直後、「うな丼をしっかり食べた」との発言をしたことが物議を醸している。野党のみならず公明党からも「緊張感が足りない。」と苦言を呈されているら…

知足安分とノーマスク

一昨日は「再任用教諭」になって最初の給料日であった。分かっていたことではあるが、やっぱり半額になったな、という感じ。額面はたぶん7割近いはずだが、昨年の収入に基づいた率で税金が引かれるし、扶養手当も付かなくなったりしたので、半額を少々下回…

少子化の作文

今日の河北新報「持論時論」欄に、私の作文が載った。このブログの読者にしてみれば、何の新鮮味もない、いつも通りの内容である。ただ、とにかく少子化問題については、右から左まで解決させるべき大問題だという点で一致していて、私はそれを実に由々しき…

AIクライシス

年度末の本当は忙しい時期、離任式も欠席して、娘と京都・奈良に行っていた。一応「定年」ではあるが、来年度以降も再任用教諭という肩書きで、今とまったく同様に勤務を続ける私としては、辞令が切り替わるという「大人の事情」で、わざわざ離任者として紹…

絶体絶命・・・IPCC統合報告書

IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)が20日に公表した統合報告書は、予想していたこととは言え、非常に深刻な、正に地球の危機といった状況を訴えていた。朝日だけは、第1面の他に、大きく特集記事を組んでいたが、その他の新聞では扱いが小…

ガーシー除名問題

政治家女子48党のガーシー参議院議員が除名された。昨年当選してから1度も登院していないことによるらしい。 以前、破廉恥なヤジをとばして辞職を求める声が高まった鈴木章浩という都議会議員がいた。私はその時、「議員辞職はしない方がいい」と書いた(…

未来を明るいものに

卒業式も無事終了。さて、今日は生徒会誌『黎明』第55号に載ったものである。これは、新任教員としてではなく、3学年所属の人間として依頼されたものだ。頼まれた時には、「土木システム科3年の副担任として、何か書いて下さい」と言われたように記憶す…