震災

大川小学校裁判と石巻市議選

どれほどの価値があるかはわからないのだが、メモ的に記録しておこうと思っていたことがあるのをすっかり忘れていた。5月20日に投開票が行われた石巻市議会議員選挙である。 直前に、大川小学校の控訴審判決というのが出て、敗訴した市はそれに対して上告…

やむを得ない決定である

大川小学校裁判における2審、仙台高裁判決について、今日の夕方、石巻市議会は最高裁判所への上告を決めた。何かにつけて私の考えと政治的決定は相反するが、この件については私も同じ判断だ。2審判決は1審判決に比べて、津波の予見可能性を認めた分、よ…

何もかも間違い

今日は3月11日。東日本大震災から7年目である。我が家からの景色は更に変わった。南浜復興祈念公園の工事が急ピッチで進んでいる。すこし東に歩くと、北上川では堤防工事だ。マリーナとなる予定の場所付近では、何のためなのか、日曜日以外は連日くい打…

再読『新・平家物語』・・・宿命について

昨日、通勤の電車内で読み続けてきた吉川英治『新・平家物語』を読み終えた。ずっとこればかりを読んでいたわけではなく、時々、必要があって他の本を読んだりもしていたとはいえ、おそらく読み始めたのは昨年11月の上旬かと思うので、ほぼ丸々3ヶ月かか…

震災後の「命の森」・・・ラボ・トーク第9回

昨夜はラボ・トーク(→説明)第9回だった。今回の話者は、石巻専修大学准教授、環境調査、生態系保全修復技術の専門家・玉置仁(たまきひとし)先生。2006年に文部科学大臣による若手科学者賞を受賞したという、石巻専修大学の誇る気鋭の学者である。演…

石巻の小さなコミュニティの物語

寒い。家族の強い要望で、昨日、我が家でもついにストーブを点けた。 さて、今日の午後は、映画を見に行った。映画館ではなく、三陸河北新報社のビルである。青池憲司監督「まだ見ぬまちへ−石巻・小さなコミュニティの物語」。先月28日に監督から、映画が…

旧門脇小学校の整備方針に関する説明会

今日の午前中は、市の中央公民館で行われた「旧門脇小学校校舎の震災遺構整備方針に関する説明会」というのに行った。 私がこの会を知ったのは昨日の河北新報でである。「被災校舎どう残す 石巻・説明会を前に」という紙面の4分の1をも費やした大きな記事…

震災の教訓継承

一昨日4月3日、朝食の最中に、子供たちが「あっ!鳴いた鳴いた!!パパ、ウグイス鳴いたよ!」と大騒ぎをした。とうとう初鳴きである。私は何か他のことをしていて気付かなかったし、その後すぐに家を出てしまったので、残念ながら直接聞くことは出来なか…

起工式とまちびらき

3連休の中日、19日に我が家の梅が開花した。通勤の途上で見る梅の木には、ほとんど満開と言ってよいほどのものもあるから、日当たりがいいにもかかわらず、我が家の梅は遅い。遅いといえば、ウグイスもまだ鳴かない。 昨年は、初鳴きがいつだったかも分か…

6年目の風景

馬っ子山から帰ってきて、午後からは、高みの見物である。何しろ、指折りの被災地、国立南浜復興祈念公園予定地が我が家からは一望できる。3月11日に、そこに集まる人々をぼんやり眺めているのは、なんとなく世相というものを観察しているようで興味深い…

まねきshop

東日本大震災の被災地の中心に住み、家の20mくらい前まで津波が押し寄せ、目の前で大火事もあったのに、我が家の被害は職場で水没した車2台で200万円ほど(片方は軽の新車、片方は7年くらい経つFitだったので、こんなものだろう)であった。以前…

大川小学校判決

少し時間をさかのぼる。休筆期間中で最大の社会的話題は、アメリカ大統領選挙だっただろうが、それに次ぐものはと言えば、10月26日の大川小学校訴訟判決だったように思う。大々的に全国報道された通り、裁判所は学校の責任を認め、市と県に14億円あま…

やっぱり「人為」はよくない

今日の午前は、南浜復興祈念公園の説明会だった。協議会での議論も踏まえた上で(本当かな?)決定された公園の計画を市民に説明するための会である。場所は我が家から徒歩10分弱の石巻中央公民館。 と書けば、いかにも行ったみたいだが、実は行っていない…

ちやほやされて育つ

つい先日、他校のK先生と話をする機会があった。就職担当者同志である。話が、今年の3年生の質、ということに及んだ。私の勤務校でもそうなのだが、どうも今年の3年生はよくない、という話を耳にする。K先生も同感だ、と言う。 私は思わず、「これって、…

破れ窓理論・・・南浜地区復興祈念公園迷走曲(番外編)

思ったほど天気がよくならず、風も強かった今日、少し散歩に出てみた。南浜町の新しくなった「がんばろう石巻」看板方面である。 以前からのことではあるが、ゴミが本当にひどい。冷蔵庫やテレビといった家電製品が多いが、棚類や何かの廃材もある。もちろん…

復活!出港式

一昨日、宮城丸が出港して行った。これから2ヶ月、ハワイ沖での実習に励む。と、ここまでは宮水にとってただの年中行事。ところが、今年の出港は少し特別だった。東日本大震災で、岸壁の破損やら地盤沈下やらで出来なくなっていた「出港式」が、5年あまり…

南浜地区復興祈念公園迷走曲(終)

1月26日に(8)を書いてから、2ヶ月以上も経ってしまった。その間、2月15日に部会(分科会)の会議が開かれ、3月5日に第4回協議会が開かれた。私は、部会には出席したが、協議会には出なかった。いつまでたっても日程が決まらず、しびれを切らし…

ウグイスの異変、または奥深き大工場

3月13日、今年は暖冬だったにもかかわらず、我が家でウグイスがまだ鳴かない、ということを書いた。それから10日が経ったが、ウグイスはまだ鳴かない。どんなに冬が寒かった年でも、3月20日までには鳴いた。これはいよいよ異常事態である。原因は、…

ヒバリは鳴いているが、ウグイスはまだ鳴かない

一昨日、すなわち震災から満5年を迎えた3月11日、黙祷のサイレンが鳴らなかったということを書いた。多くの人が長く黙祷していたので、サイレンが聞こえていないのは私だけかな(笑)、と思っていたところ、翌日の新聞に記事が出た。ご丁寧に、今日も「…

震災から満5年の一日

今日は言わずと知れた震災から5年目の日。被災地のど真ん中で暮らしているので、淡々と身の回りのことを書いておこう。 朝は普通に学校に行った。交通量はとても少なかった。いつもは、日和大橋を越える時に、渋滞している車を自転車で何台も抜けるのに、今…

ブラームスの「ドイツレクイエム」

北海道から戻って早々、今日は、明日の高校入試の準備が終わってから、仙台まで古巣・仙台宗教音楽合唱団(宗音=しゅうおん)の演奏会を聴きに行った。とは言え、宗音単独の演奏会ではなく、山形交響楽団アマデウスコア、岡山バッハカンタータ協会、盛岡バ…

旧門脇小学校保存に関する公聴会

今日の午前中は、石巻市立門脇中学校体育館で開かれた「震災遺構に関する公聴会(旧門脇小学校)」というのに出席した。1ヶ月ほど前の新聞で開催を知り、1月末に意見書を市に提出した。その際、おそらく発言希望者がたくさんいるだろう、しかし、こんな巨…

防潮堤が守るもの

日曜日と月曜日、朝日新聞と毎日新聞に論調のよく似た大きな記事が載った。朝日の見出しは「巨大防潮堤何守る 高台移転住民戻らず」、毎日は「高台に限界集落 中核事業の現実」というものだ。十分に想像できるだろう。私が前々から問題にしている、被災地域…

南浜地区復興祈念公園迷走曲(8)

今冬初めてまとまった雪の積もった日曜日は、市役所で開かれた第3回協議会に出席した。前2回は都合が付かず、やむなく欠席したので、私としては初めての参加となる。もっとも、12月以来1ヶ月半の間に、勉強会の類には7回、一部の人々による夜の飲み会…

南浜地区復興祈念公園迷走曲(7)

今日は、「報告会」というのが開かれた。年末に届いた文書によれば、呼び掛け人は協議会副会長のKさんで、この2ヶ月ほどの間に行われた多くの勉強会で学んだことを報告する場だという。しかし、実際には、勉強会の内容を踏まえた、参加者による自由な意見…

南浜地区復興祈念公園迷走曲(6)

三つ目の問題である。話は前後するが、会の冒頭で、私は1月6日に毎日新聞に載った記事を問題とした。それは、「門脇の大看板、移設へ〜「がんばろう!石巻」復興公園で保存」というものだ。石巻にボランティアや被災地ツアーで来たことのある人は、おそら…

南浜地区復興祈念公園迷走曲(5)

さて、7日の部会の話である。何しろ土地は広大で、問題は多岐にわたるので、ここでいちいち報告は出来ない。問題を三つに絞って書いておこう。 まず一つ目は、完成後の維持管理の問題だ。私は、最初にかけたお金に比例して維持管理費は増えると思っているの…

南浜地区復興祈念公園迷走曲(4)

年末、仕事納めの翌日だっただろうか。市から1月の様々なスケジュールを知らせる文書類が届いた。ひとつは、協議会の事務局長である市の復興事業部基盤整備課長による、第3回協議会と、それに先立つ部会(分科会)の案内である。もうひとつは、がんばろう…

「十字架につけよ!」

既に何度か書いたことだが(→例えば)、私は『聖書』、中でも福音書が大好きだ。最初にそのことに触れた時、私は次のように書いた。「大学時代に改めて『聖書』に向かい、イエスの視線が、実は神よりも人間に、死後の世界よりも現世に向けられていることに気…

南浜地区復興祈念公園迷走曲(3)

うっかりしていたが、今月23日は、このブログの誕生日であった(天皇陛下と同じ=不敬罪だな(笑))。早いもので満6歳。それ以前の文章をデジタル化して貼り付けたりしていることもあって、記事の数は1389本。アクセス数は、2012年7月23日以…