一人遅れた新学期



 一人新学期が遅れてしまった。7月に、15年来の持病(今話題のC型肝炎)が突如暴れ始めたため、8月14日から自宅の近所の市立病院で入院生活を送っていた。

 入院生活とは言っても、週に一度注射を打ち、採血をし、朝夕食後に薬を飲むということ以外何もすることがないという呑気なものである。それでも、注射の副作用観察のために入院は必要なのだそうだ(実際、1本目の後は38.5℃の発熱と頭痛、関節痛で三日ほどしんどい思いをした)。仙台も石巻も暑く、史上最高気温を記録したとかいう中、完全空調のオーシャンビュールームで、ぐうたらの極みの生活をさせてもらった、ということだ。読みたい本、書きたいこと、聴きたい音楽が山のようにあったので、「入院したら・・・」と意気込んでいたが、果たしてノルマが達せられたかどうかは?である。そもそも、そんなことを考えるのが不謹慎であろう(笑)。

 入院して思ったこと。

1:医師、看護師その他の人々が、てきぱきと仕事をする姿を見るのはすがすがしいことである。患者にも本当にいろいろな人がいる中で、分け隔て無く、献身的に治療に当たる彼らの仕事は大変だなぁ、「人間」が好きでなければ出来ない仕事だなぁ、と感心した。

2:入院患者には高齢者が多い。彼らの会話を聞いていると、日本にもまだこんなに方言というものが残っているのか、と驚かされた。

3:入院患者同士が話をしないのが意外だった。個室でなくても、各自が自分のベッドで、自分の世界に浸っているということが多いようだ。今の日本の人間関係を象徴するような光景だった。病院でも?と寂しく思った。

退院はしたものの、毎週一度、来年2月まで通院が続く。実に憂鬱である。