携帯電話のない体育祭の快感



(7月2日付け学級通信より)


 6月最後の土曜日29日は、遠路はるばる名取北高に行き、公立高校の合同説明会というイベントで宮水の営業活動をしていた。目を輝かせながら話を聞いてくれる中学生と話をするのは楽しい。あっという間の6時間であった。

 ところが、そんな中学生がいる一方で、私が「宮水の話でも聞いていかない?世界が広がるよ・・・」と声を掛けても、立ち止まってくれない中学生もたくさんいる。そんな彼らが決まって口にするのは、「大丈夫です」という言葉だ。私は、「大丈夫って、何が大丈夫なの?」と言いかけて、その言葉を呑み込む。彼らはそんなに理屈っぽく考えて答えているわけではなく、婉曲に断るために「大丈夫」を使っているだけだと分かるからだ。

 6月14日に配ったこのプリントで、私は個人面談の時の諸君の言葉遣いに触れ、「フツー」「ビミョー」を「デリカシーのない表現だ」と書いた。「ダイジョーブ」も私には美しい日本語に思われない。これは私の日本語が豊かだからなのか?単にオジサンだというだけのことなのか?多分後者なんだろうなぁ、と寂しかった。


【準優勝は悔しい?・・・いい体育祭だった】

 いい体育祭だった。勝ったからといって何になるわけでもないのに、真面目にプレーする、これが尊いのである。メシのネタにならないことに本気になれるのが人間の特権だ(あれ?おかしいな。E3の生徒は「怪獣」のはずなのに・・・)。優勝か準優勝かというのは後から付いてきた「結果」に過ぎないので、みんなで楽しめたということに比べれば、私にはたいした問題には思われない。祝いで焼き肉をするのもよかろうと思う。

 しかしながら、実は、この日私が最も気分がよかったのは、一斉に「預かり」としたおかげで、何かにつけてすぐに携帯電話を手に取ってダラダラとケジメのない時間を過ごす宮水生を見なくて済んだことだ。諸君にとっては辛い1日だったのだろうか?スポーツをしていたということもあるけれど、さほど気にならなかったというのが本当のところではないだろうか?

 世の中の「無くてはならないもの」なんて、大抵が「無くとも困らないもの」であり、本当に「無くてはならないもの」には案外気付かない、という困った法則がある。「無くても困らないもの」を「無くてはならないものと」信じて振り回され、お金と時間とを費やし、その上「脳」をダメにするのはバカバカしい。

 また機会があれば頑張ろう!!


【物事の優先順位とは?・・・ケータイアンケート】

 前回から始めた連載の2回目は「携帯電話」である(抜粋)。

1:携帯電話等を持って   いる 38  いない 0

2:所有しているのは    携帯電話 9  スマホ 30

3:いつ頃から持ち始めた?  

  小5以前 4、 小6 2、 中1 7、 中2 3、 中3 5、 高校 17

4:所有している理由は?(複数回答、ベスト3)

  家族との連絡 35  友人との連絡 33  緊急時の連絡 26

5:1ヶ月の利用料金は

  3000円未満 3  3〜6000円 6  6〜9000円 15

  9000〜12000円 10  12000円〜 2

6:個人のサイトを作成して  いる 10  いない 28

 ふむふむ、E3の教室内でケータイを持っていないのは担任だけらしい。所有の理由はそれなりに健全だが、これらの目的を果たすために10000円前後もの通話料が発生するとは考えられないので、本来の目的とは違う所で利用されていることが想像される。ケータイにそれだけのお金を費やせるのは金持ちだなぁ、とうらやましい。だが、一方で、学校に納めるお金の未納者が多いという現実をどう考えるか・・・?物事には優先順位というものがある。それは単純に「気持ち」で判断してはいけないものだ。


【「船」という選択肢】

 昨日の進路懇談会、私はせっかく宮水にいながら参加したことのなかった「船舶への就職」の部屋に行った。説明とは言っても「宣伝」なので、船の世界をすばらしく語るのは当然だろうが、それにしても魅力的な世界だと思った。説明の中で、「資格を取って・・・」という話もあったが、「どこの学校を出ても」(←海洋総合科でなくても、というのと同じ)という話もあった。E3(情報科学科3年=工業科)には、自分たちは「水産」じゃないから・・・という意識があるような気がする。しかし、案外これは面白い選択かも知れない。まずは、宮水HPの「コラム」を読んでみよう。

→ http://miyagisuisan.myswan.ne.jp/


(裏面:7月1日付け『日本経済新聞』より、「ヨルゲン・ランダース教授に聞く 短期志向 最大の弱点」を引用。

平居コメント:「目先の利益ばっかり考えて・・・」とは私もよく言うこと。「楽な方に流される」も同じことだ。その先には・・・やっぱり破滅しかない。)