みやぎ水産の日



 宮城県では、昨年の10月に、毎月第三水曜日を「みやぎ水産の日」と定めた。水曜日の「水」と第三の「三」で、「すいさん」となるからのようだ。「宮城水産高校」と間違って呼ばれることの多い、我が「宮城県水産高等学校」にしてみれば、「みやぎ水産の日」は、自分たちの学校について、県全体で特別デーが設定されたかのような気分だ。

 というわけで、先月から、「みやぎ水産の日」には実習で作った海産品の販売実習を行うようになった。今後は、各類型でいろいろアイデアを出すようだが、とりあえずは、6次産業化に一番近いところにいる「栽培漁業類型(新:生物環境類型)」による販売実習なのである。

 先月の実習については、宮水のホームページに記事を書いたが(→こちら)、実は、自分の授業の都合で私は行っていない。そして今日、初めてその場にお邪魔したのである。

 昼過ぎに栽培実習場に行ってみると、栽培漁業類型3年の諸君が、実習場の入り口でのぼりを立てて待ち構えていた。実習場では、彼らが授業で作った「干し鱈」「蒸しホヤ」「牡蠣飯」「茎わかめ」「あさりむき身の燻製」、そして一角では、食品科学類型(新:フードビジネス類型)が、夏に完全復旧した缶詰製造ラインで、震災後に初めて作った「マグロ油漬け」の缶詰販売も行っていた。

 また、試食として、生徒が試食とは思えない大きなツナサンドを配っていた。ツナはもちろん、食品科学類型が作った缶詰なのだが、試食のポイントはレタスだそうだ。栽培漁業類型では、昨年から、3年生の「課題研究」という授業で、「アクアポニクス」なるものに挑戦している。魚を飼っている水槽で、野菜の水耕栽培をするという技術だ。魚の糞が肥料になり、いわゆる有機栽培野菜ができるのだ。レタスにはカリウム分がほとんど含まれないため、通常よりも苦みが少ないのだという。私にはその「苦みの少なさ」が、今ひとつ実感できなかったけれど、化学肥料を使った野菜よりも安心して食べられる、ということはよく分かった。

 なかなか地域に宣伝を行き渡らせるのは大変だと思うが、それでも、寒い中のぼりを持って立っている諸君や、栽培実習場に隣接する宮水第二グランドに建つ仮設住宅のおかげで、ぽつりぽつりとではあるが、途切れることもなくお客さんが来ていた。

 なにしろ、「みやぎ水産の日」は、年に一度ではなく、月に一度も巡ってくるので、毎回何かのイベントを行うというのは非常に大変な作業に思われる。本当にそんなこと可能なのかな、と思ってしまうが、担当の先生方はやる気満々だ。そうして、地域との接点が出来、地元の人々に商品を買ってもらいながら声をかけられ、生徒がみるみる変わっていくのが楽しいのだそうだ。いつも悔しく思うのだが、確かに、私の授業の時より、彼らは数倍輝いているんだよなぁ。

 今日は、結局、「干し鱈」1本、「茎わかめ」1袋、缶詰4個を買って来た(計1500円也)。「干し鱈」は目がぎょろりとしたリアルな魚なので、家では子どもたちが大興奮。来月は2月18日。今度は何が食べられるのか、何を見ることが出来るのか、楽しみにしていよう。