恐ろしき土木工事



 我が家の近くの土木工事が本格化している、という話は、3ヶ月ほど前に書いた(→こちら)。門脇町の土盛り、八間道路の高盛り化、更には、日和大橋から魚町を通って国道398号線へと続く県道240号線の高盛り化、先週月曜日には、長野から大学時代の同級生が訪ねてきたので、案内して女川まで行ったのだが、そこで進んでいる街全体のかさ上げ工事・・・。

 特に門脇の工事については、我が家からよく見えるので、高盛り道路やかさ上げの構造が嫌でも目に入ってくる。あくまでも私というド素人の判断に過ぎないのだが、恐ろしいなぁ、と思う。なにしろ、ただ土を盛り上げて、ロードローラーで固めているだけなのだ。私は何かしらの構造物(一番いいのは粘土)で芯を作っておいて、その回りに土を盛り上げ、更に何かで固定するとばかり思っていた。やがてのり面くらいはコンクリートか何かで固定するのかも知れないけれど、ただ土を盛り上げただけでは、地震の際には容易に液状化すると思う。

 先日、恐ろしいうわさ話を聞いた。土盛りして駅と温泉施設を作った女川では、既に建物が傾いている、湯船を見ると、浴槽の縁に対して水面が斜めになっているのでそのことがよく分かる、という話だ。面倒なので確かめに行っていないけれど、今のような単純素朴なただの土盛りだったら、十分にあり得ることだろう。

 昔、出水事故に苦しんだ青函トンネルの工事現場では、セメントミルクというものを岩盤中に注入して固めながら掘った、という話を聞いたことがある。今はもっといろいろな方法が開発されているかも知れない。構造物が作れないのであれば、そのような方法で、化学的に地盤を固形化する方法を採らなければならないのではないか。

 震災があった、復旧だと言って、バカげた土木工事を延々と続けることも、その土木工事が不完全なものであることも、とりあえず目前の満足を得るという社会全体の風潮を反映しているのだろうが、どこかで一線は引かなければ・・・。