今日も臨時休校!



 先週の金曜日に続き、今日も臨時休校。理由は、チリで昨日発生した地震による津波である。東日本大震災の浸水域にある我が宮水では、「津波注意報」が出ると、臨時休校どころか自動的に自宅待機となる。生徒だけではなく、我々教職員もだ。今日は午前3時過ぎにサイレンが鳴り、津波注意報がアナウンスされた。

 朝起きて、テレビをつけてみる。予想される津波の高さは0.2m〜1mだという。昨日の報道では、夜中にハワイの検潮所でどれくらいの水位変化が観測されるかによる、ということだったが、ハワイでどれくらいの水位変化があったかという情報は、昼になるまで見つけることが出来なかった。

 なにしろ、「来られない場合は来なくてもよい」ではなく、「来てはいけない」である。仕方がないので、いつも通り家を出る家族を見送った後、テレビのニュースや海の様子をぼやっと見ていた。ニュースによれば、津波を警戒して、仙石線、仙石東北ラインが止まっている上、石巻線石巻〜女川は降水量が規定を超えたために運休だという。岩手県の久慈で90cm、石巻港では10cmの潮位の変化を観測したらしいが、我が家から見ていて分かるレベルではない。雲雀野海岸〜日和大橋は普通に車が通っているし、海抜ゼロメートル地域である南浜町の「復旧工事」も、何事もないかのように始まった。なぜ私は自宅で「待機」しているのだろう?と、自分が阿呆のように思えてきた。

 変な話だが、生徒が来ない学校というのは、本当に仕事のはかどるいい場所である。時に臨時休校は嬉しい。しかし、職員も来てはいけないと言われると、溜まった仕事の処理も出来ず、嬉しいなどとは言っていられなくなる。こんな調子で臨時休校を乱発していたら、いずれ登校日数が規定に満たないとかで、土曜日の臨時授業や冬休み短縮の話も出てくる。テンションの上がらない話だ。

 今日の事態は、昨日のうちから予想が付いていたので、怠け者の私でも、自宅でできる仕事を持ち帰ろうと思った。ところが、最近は情報の管理が非常にうるさくて、学校のサーバーにあるデータを持ち出すことは危険だ。持ち出せるものの量が限られている上、必要なものの全てを完全に予想できることはあまりない。たいていの場合、何が必要かはやってみないと分からないので、途中までやったところで「不足」の壁にぶち当たって中断、となる。だから、自宅での仕事は非効率だ。結局、私は教科書やそれに付属するCD−ROMという当たり障りのないものだけを持ち帰り、今日は朝から第二期考査の問題作り等に励んだ。

 11時過ぎに、青空が広がり始めた。やっぱり、今日自宅でじっとしているのは変だ、とりあえず学校に電話してみようと思った。私は携帯電話を持っていないので、緊急連絡メールというのが届かない。いくら津波注意報が出ていても、やっぱり授業やりますとかいうメールが既に他の職員には回っていて、私だけが取り残されているのではないか?次に学校に行った時白い目で見られるのではないか、という不安も兆してきた。

 昨日夕刻の打ち合わせでは、津波注意報が出ている限り、学校は施錠してあって入れませんよ、ということだったが、電話をしたら何事も無かったかのように事務員のSさんが出た。あれれ・・・?聞けば、教頭始め、数名が出勤しているという。教頭は、「来る必要はありませんが、来たら入れますよ」などと暢気な物言いだ。話が違うぞ、と思いつつ、変に生真面目な私は午後から出勤した。就職試験のシーズンとあって、来客があったり電話が掛かってきたりすることも多く、ガランとした学校でなぜかパタパタと動き回っていた。行かなけりゃよかった・・・(笑)。

 先週も書いたが、萎縮→過剰防衛でメチャクチャだな、と思う。いくら「安全第一」「想定外は起こり得る」などとは言っても、雨にしても津波にしても、この程度のことで列車を止め、学校を休みにしていては、正常な社会生活なんて成り立たないぞ、と思う。そして明日からは予定されていた5連休。楽と言えば楽だが、やっぱり何だか変だぞ。