工事は今日も続く



 昼前後に少々曇ったが、気持ちの良い秋晴れの一日だった。我が家の居間から見える真っ青な海が本当に美しい。読書の合間に何気なく外に目を向けると、ウッドデッキに「じょうびたき」が止まって、きょろきょろ周囲を見回していた。「じょうびたき」は冬の鳥だ。ああ、そんな季節なんだなぁ。

 子どもたちは今日も野球で不在。私はあまり大人が子どもを取り囲むのに賛成しないので、あえて出来るだけ付いて行かないようにしているのだが、妻は付いて行ってしまい、家の中はとても静か。とはいえ、外からは祝日の今日も続く「被災地復興巨大土木工事」の音が聞こえ続けていた。我が家のすぐ下の門脇町かさ上げや、八間道路の高盛り道路化だけでなく、最近は、海岸線のすぐ北側にも、高盛り道路状のものが作られつつある。市の復旧計画にそんなものあったかな?日和大橋に繋がっている県道を、少し北にずらして高盛り化するということなのかな?だとすれば、海と日和山との約1㎞の間には、高さ7mを超える巨大防潮堤と2本の高盛り道路という3本の帯状施設が存在することになる。本当に狂っているな。

 11月1日の朝日新聞日曜版「Globe」の第8面「旅」のページには、ハワイ島のヒロという街が取り上げられていた。1946年と60年、戦後だけでも2回、大津波に襲われた街らしい。津波被害が最もひどかった一帯は建物の再建が制限され、緑地化された。しかし、防潮堤は存在しない。ダウンタウンの一角にある太平洋津波博物館の解説員は、記者に対して「私たちは、高い防潮堤を築いて海の景観を犠牲にするような道を選ばなかったのです」と教えてくれたという。こういう感覚が総意もしくは多数派となるような社会を羨ましいと思う。