えらいぞ石巻 & 中東の笛

 台風が通過して9月になった。暑い。もちろん、西日本に比べれば「暑い」うちには入らない、というのは分かっているが、湿度も高いし、狭い教室で授業をするには嫌な暑さだ。
 以前、日和大橋の歩道のコンディションについて一文を書いたことがある(→こちら)。大きな植物が歩道を侵略し、泥が堆積して通行が困難になったので、市に電話をして整備してもらった話だ。その時最後に、「今回のことで、日和大橋の西たもとの歩道には構造的に泥が溜まりやすいと分かったわけだから、次は私が電話をしなくても、ほどほどの時期に、市は新たに溜まった泥の撤去をしてくれるだろう。(中略)石巻が弱者を大切にし、健康で文化的な街作りをしようとしているかどうかが、そこで問われてくる」と書いた。
 そうしたところ、一昨日、また溜まりかけていた泥が撤去された。やるなぁ、石巻!!もっとも、問題のある歩道はここだけではない。日和大橋を越えてしばらく行くと、歩道が突然ぷつりと切れて、10センチもの段差があるし、更に行くと、狭い歩道が侵略植物で閉鎖寸前。歩道のど真ん中に電信柱が立っているなんて、さほど珍しくもなんともない。次の課題は「一を聞いて十を知る」だな(笑)。
(自転車は車道が原則、というのは百も承知。ルールを守ることは簡単なのだけれど、本当に自転車が車道を走ったら、困る人は多いと思う。特に日和大橋なんて、車にとって迷惑なだけではなく、自転車にとってもきわめて危険。時には原付でさえ歩道を走っている。仕方ないと思う。ルールというものを、あまり杓子定規に主張してはいけない。)

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 昨日は、サッカーのワールドカップ予選があった。我が家のスポーツ気違いがテレビをつけるので、仕方なく、前半だけ付き合うことにした。試合が始まる直前、私は「え〜〜っ?」と思わず声を上げた。相手がアラブ首長国連邦(UAE)で、審判がカタール人だったからだ。普通、大きな国際大会は、試合をするチームとあまり利害関係の無い国の人が審判をする。Aマッチで主審を任されるほどの人であれば、変なえこひいきなんてするわけがない。だが、人間というのは無意識のレベルでどのような作用が起こるかは見当がつかない。
 UAEとカタールは隣同士で、地理的にも民族的にも宗教的にも言語的にも、そして国家体制にも産業にも、ほとんど違いがない。アメリカと日本の本州代表チームが対戦することになって、笛を吹くのは九州の人、というのとあまり変わらない。数年前だが、ハンドボールの国際大会で「中東の笛」というのが問題になったことがある。なにも、どうしてもカタール人の審判しかいないということもあるまいし、どうしてこんなトラブルリスクのある人選をしたのだろう?とひどく気になって、家族ともそんな会話をした。
 困ったことに、それは「杞憂」では終わらなかった。浅野選手のゴール判定についてである。私はその瞬間を見ていないが、後からネットで動画は見たし、各所でその時の判定が話題視されていることも知っている。確かに、あれは「イン」だ。日本サッカー協会もAFCとFIFAに意見書を出したらしい。だけど、遅いよ。今回の件で、結果を受けて抗議するのは、負け惜しみにしか見えない。審判の人選がどこでいつ行われるのか私は知らないが、カタール人が主審であることが分かった時点で抗議しなければ・・・。私でさえ、あれ?と思ったくらいなのだから・・・。