収穫の秋

 東日本大震災で近所のスーパーが流失し、買い物は車で10分ほどの所まで行かなければ済まなくなっている。従って、我が家の食料品は、ほとんど全て週末のまとめ買いだ。
 いま行くことが多いスーパーには、秋から冬の間、毎週土曜日、岩手県藤沢町からトラックでリンゴを売りに来るおじさんがいる。ひどく感じのいい人で、我が家でもほとんど毎週のようにそのおじさんからリンゴを買う。その第1回が、先週末の土曜日だった。えっ!?いつも9月のうちから来ていたかな?と思って尋ねてみると、昨年までも同じ時期らしい。
 リンゴはいい。果物の王様だ。種類と品質にもよるけど、決して高くないし、美味しいし、季節が長くて、その間に種類が変化していくし。これから3月くらいまで、果物には困らない。実りの秋を感じる。
 実りの秋といえば、しばらく前の話になるが、先月末、ラボ・トーク共同主催者のS先生から、「プルーン狩りに来ませんか?」というお誘いをいただいたので、9月2日の日曜日、愚息と共にS先生宅へプルーン狩りに参上した。先生の自宅の庭には、2本のプルーンの木がある。2年前、先生が我が家に届けてくれたのを、誰からか分からず、このブログに広告を出した、などという出来事もあった(→こちら)。
 私はその時、S先生宅にプルーンの木があるということも、宮城県のような寒冷地でもプルーンが採れるということも初めて知った。何しろ、プルーンと聞いてすぐに思い出すのはカリフォルニアなので、地中海性気候の、オリーブの木がたくさんあるような場所でしかプルーンは採れない、と思い込んでいたのである。
 9月2日の夕刻、先生宅にお邪魔すると、プルーンの木は本当にたくさんの実を付けていた。今年は豊作、だそうである。確かに、先生の家だけではとても処理できそうな感じがしなかったので、いくら採ってもいいよ、というお言葉に甘えて、数キロはいただいてきた。
 よく熟したプルーンは、酸味もなく本当に美味。加えて、果肉の種離れがいいので、とても食べやすい。先生宅には、ドイツ製のプルーン種取り器もあるが、そんな物なくても、果物ナイフで縦に切り込みを入れ、指先でほじると種は簡単に、しかもきれいに取れる。皮もさほど厚くないので、そのまま食べることが出来る。
 家族全員大喜びでプルーンの食べ放題だが、体が紫色になるほど食べても食べきれないので、先生から教えてもらったとおり、半分くらいはヨーグルトソースにすることにした。種を取って、若干の砂糖をかけ、一晩寝かせて水分を出してから火にかける。6瓶分のヨーグルトソースが完成した。少し蜂蜜を加えてヨーグルトにかけると最高。面倒なので皮むきをしなかったが、生の時以上に、皮は気にならない。
 昨日は、敬老の日だったので、母を表敬訪問した。帰りに、スチューベンという葡萄をもらってきた。種が多いし、種のまわりが酸っぱいので、あまりいい葡萄だと思っていなかったが、種をいちいち出さないことにすると、これが甚だ美味。
 先々週、スーパーで買った梨「豊水」も美味しかった。
 いいなあ、収穫の秋。今日はただそれだけ。