新学期の不覚

 哀しい新学期を迎えた。金曜日あたりからインフルエンザに罹ってしまったのである。
 金曜日の帰宅時、少しのどがいがいがするな、と感じていたのだが、この数年は風邪さえ引いたことがなかったので高をくくっていた。土曜日、少し体が重かったこともあって、走りに行くのを控えた。夕方から違和感が強くなったので体温を測ってみたところ、37.3℃であった。まずいと思って9時過ぎに寝た。
 頻繁に水を飲んでいたこともあって、夜中、たびたび目を覚ましてトイレに行った。そのたびに体温を測ってみると、右肩上がりである。未明に38℃を超えた。当然のことふらついて調子が悪い。のどだけでなく、鼻もぐちゅぐちゅとしてきた。
 日曜日、ものを積極的に食べる気にもならず、一日中寝ていたが、ゆるゆるとした体温の上昇は止まらなかった。朝から、妻に、「病院に連れて行く?」と言われたが、インフルエンザと診断されて、翌日の入学式やその後のオリエンテーションの類いに出られなくなると困るのと、熱はウィルスや細菌を殺すための生体反応だと思っていて、無理に治療なんかしない方がいい、と信じていたことから、断って寝ていた。
 ところが、午後3時になって、ついに体温が39.5℃を超えた。ここが我慢のしどころだ、もう少し経てば快方に向かう、とも思ったが、このままだとさすがに明日は出勤できそうにない、医者に行ってインフルエンザと診断されれば、出勤できない期間は少し長くなるかも知れないが、対症療法ではなく、抗ウィルス剤(タミフルなど)によって早期に根治できる可能性も高まる。私は葛藤の末、休日当番医に連れて行ってもらうことにした。
 医院は意外にもガラガラで、すぐに診察があり、インフルエンザA型に罹患しているとの判決が即座に下った。出勤について少なくとも水曜日まではドクターストップだ、と言う。昨年11月にワクチンの接種も受けたし、患者と接した心当たりもないのに・・・いささか釈然としなかったが、突きつけられた事実の前にはどうしようもない。
 というわけで、1学年主任は、入学式にも欠席、オリエンテーションの学年集会での大演説(?)もなし、代わりに誰が何をするかの代案もナシ、誰かなんとかして!という情けない事態になってしまった。
 投与されたタミフルは劇的に効いて、昨日の朝には37℃台の前半まで熱が下がり、咳や鼻水は残っているものの、その日の夕方までにはほぼ平熱に戻った。こんこんと1日中眠り続けることができたのが、インフルエンザのせいなのか、薬のせいなのか、単に日頃の疲れ(というほどの生活もしていないと思う)なのかはよく分からない。
 そして今日は、頭のふらふらもなくなり、多少の咳と鼻水だけになった。意図してインフルエンザになったわけではないのだが、なんだか申し訳ないという思いばかりが強い。学校では、「いやぁ、平居がいないと気楽でいいなぁ」とみんなで楽しくやっていてくれるといいのだけれど・・・。いや、それはそれで哀しい?
 明日もう1日出勤しないのは、医師の指示とは言え罪悪感が大きい。(涙)


*というわけで、「福沢諭吉の真実」(2)が書けなかったのは、「続く」ことにしたものの、書くことがない、などというケチな理由ではないのでした。