おめでとうKUROSHIO

 宮城県は今日梅雨入り。平年より5日早いらしいが、もっともっと早く感じるのは、その前が好天続きでありすぎたからかも知れない。
 6月3日に、仙台管区気象台が、5月の東北地方の日照時間が1946年以降で最長になった、と発表した(河北新報)。それによれば、17観測地点の平均値で、平年比152%となった。これまでの記録が2015年5月の136%だったというから、「大幅な記録更新」と言ってよいだろう。ちなみに、気温も過去最高で、平年+2.4℃だったらしい。
 私は発表以前から、さもありなん、と思っていた。単なる印象の問題ではない。我が家の屋根には太陽光発電器(3.2Kwh)なるものが鎮座しているのだが、5月は発電が非常に快調で、毎日、気持ちがいいほど発電量を示す棒グラフの線が伸びていったからである。もう少しでモニターの上限(600Kwh)を突破するというところまで行って、5月の総発電量は585Kwh。調べてみると、2014年1月の発電開始以来、1ヶ月あたりの発電量としては最高である。
 太陽光発電器がある以上は、盛んに発電してくれた方がいいに決まっている。だが、何事もバランスは大切。晴ればかりが続きすぎると、渇水の心配が生じてくる。幸い?今日から梅雨の長雨が続きそうな気配だが、なに分からないさ。近年の傾向からして、梅雨らしい梅雨がしかるべき時期まで続いて、からりと夏になる、とは到底思えない。今夏、自然はどんな暴れ方をするだろう?
 ところで、話は変わる。4月に開催したラボ・トーク・セッション第17回(→その時の記事)に登場のTeam KUROSHIOの、いや、Shell Ocean Discovery XPRIZEという深海探査競技会の最終結果が発表になった。準優勝だそうである。おめでとう!!主催者が出場チームの作った海底地図の正しさを検証するのに非常に手間取っていたと見えて、発表は延び延びになっていた。
 私は、結果を6月3日、県総体の会場で、某校の顧問から「これって、平居先生が以前言っていたやつですよね」と、スマホの画面を見せられて知った。帰宅したら、ラボ17の講師・進藤氏がカタールの空港でトランジットの合間に送ってくれたメールが来ていた。モナコで行われた授賞式からの帰りだという。
 私は、結果はインターネットで発表もしくは通知され、後日、代表者が授賞式に行くのかと思っていたら、メンバーの半分近い10人ほどでぞろぞろとモナコまで行き、そこで結果が発表されたようだ。ひどくたいそうな話である。準優勝賞金は100万ドル(1億900万円)だが、かかっている経費から見れば、本当に端金(はしたがね)に過ぎない。
 マスコミではなぜかあまり報道されていない。朝日新聞だけが、一昨日、全面カラーの巨大な記事を載せた。だが、それとて「広告特集」である。企画・製作は朝日新聞ディアビジネス局となってはいるものの、おそらくは参加・協賛企業がお金を出しての自作自演と思われる。
 科学・工業技術においても、深海という地理的領域においても、未知を既知に変えるという面白さ、新しい領域を切り開くという面白さは格別で、私は人間の特権として十二分に享受すればいいと思うが、間違いなく、その技術と知識は虎視眈々と利益を狙う人々によって濫用される危険がある。いくら深海底条約があっても、図々しい人間たちの欲望の前には、条約などという「理性」は歯が立たない。
 いつまでも純粋な科学の世界の話であって欲しい。どうも胸中は複雑なのである。