ふふふ・・・私に相談するのが間違い

(昨日と同様、6月14日付「Tr,平居の学年だより№9」より。)

 先週、普通科では文系・理系と、それに伴う選択科目について登録してもらった。事前に私に相談に来る人もいたが、私の言うことはたいてい他の先生と違うので、かえって混乱したようだった。ふふふ、それでいいのだよ。矛盾する複数の考え方を突きつけられた時、ようやく頭は動き始めるからだ。
 問題は、「参考」という位置づけの3年生の選択科目である。生徒の混乱の元は、「入試で間違いなく必要だという以外、あえて進路と関係のない科目を選べ」と私が言うことである。私なりの理由がある。次のようなものだ。

・必要だと思うことはたいてい自分で勉強できる。関心があるから情報も入ってくる。だから、必要ないと思う科目を取った方が世界が広がる。
・進学、就職してから必要になった勉強は、必要性を感じた時に勉強すればすぐに身につく。高校で授業を取らなかったからといって、心配するには及ばない。
・必要性の判断は難しい。希望進路だってまだまだ変わる。「必要」によって自分を縛り、狭い世界に追い込んでいくべきでない。

 そして私は、保育系に行きたい生徒に「子どもの発達と保育」(という名前の授業があるんです)を取らないことを勧め、看護系希望の生徒に「生物」よりも「地理」を薦め、いやいや、「歴史」こそ勉強の基本だよ、などと言っていたのであった。入試は文系科目だけで間に合うが、数学が好きだからクラスは理系というのも「あり」だ、と私は思っている。
 「なんだ、普通科の話か」と思ったビジネス科の諸君・・・分かってねぇなぁ・・・笑。

裏面:新井紀子へのインタビュー記事「科学は『数学』の言葉」(河北新報2018年7月24日記事)
平居コメント:理系は自然を探求し、文系は人間を考察する。理系は秩序を求め、文系は不条理に立ち向かう。理系の言葉は数学で、文系の言葉は「言葉」だ。
理系=科学では必ずしもないのだが、参考まで。