60歳代の29.4%!

(7月2日「Tr,平居の学年だより№12」より前編)

 

 今週木曜日から参議院議員選挙が始まる。日本人は、政治の話が一般に嫌いなのだが、好き嫌いで考えていい問題ではない。誰もがその拘束から逃れられないからである。少子高齢化の進む今、少し考えてみよう・・・。

20歳代の有権者数(≒人口)は60歳代の有権者数の62.6%である。・・・A
1番最近の国政選挙である2017年10月の衆議院議員選挙において、
20歳代の投票率は33.8%、60歳代の投票率は72.0%であった。
つまり、20歳代の投票率は60歳代の投票率の46.9%であった。・・・B
選挙の結果は得票数で決まるので、20歳代の国政への影響力は60歳代の影響力の46.9%ではなく、29.4%しかないということになる(A×B=0.626×0.469≒0.294)。

 政治の影響をより大きく受けるのは、残された人生の長い若者なのに、20歳代の意見は60歳代の意見の3分の1の重さもない。若年層(40歳未満?)と高年層(40歳以上)とでも分けると、その差はさらに大きくなるはずだ。
 あまり文句は言えない。数が少ないだけではなく、投票率も圧倒的に低いとなれば、それは若者が自ら招いている状況でもあるからだ。
 国の借金は、6年前に1000兆円を超えたと思ったら、もう間もなく1200兆円に達する(←「日本の借金時計」というサイトを見てみよ!身の毛のよだつスピードで借金は増え続けている)。1人当たり1000万円を超えるというすさまじい金額である。その返済が諸君の肩にかかってくる。他にも社会保障、環境問題、外交、防衛などなど、将来へ向けての問題は山積みだ。「平和ボケ」に陥ることなく、現実の社会と向き合っていれば、危機感を持たずにいられる状況ではない。
 選挙の期間中は、いつにも増して様々な言論が飛び交う。誰がどこでどんなことを訴え、実際に何をしているのか?うまい口先にだまされるのではなく、しっかりと見つめる努力をした方がいい。日頃の勉強というのは、テストで点数を取るためではなく、そんなことのためにしているのだよ。

 

(裏面1:6月26日付「天声人語
平居コメント:周期表150年!!「学年だより№9」に「理系は自然を探求し、秩序を目指す」と書いた。周期表はそんな自然の秩序をとても合理的に表現した傑作である。それにしても、この周期表の背後に2人の化学者の確執めいたドラマがあったとは知らなかった。理系がいくら自然の謎を解き明かすとは言っても、それを行うのは人間だから、そこにはどうしても人間的な不条理が生まれるものなのだな。
裏面2:吉田たかよし『元素周期表で世界はすべて読み解ける』光文社新書26~28頁
平居コメント:こちらは周期表の原理と機能、歴史がコンパクトにまとめられているものとして引用しておく。確かに、周期表に関する栄誉はメンデレーエフの独占物になっている!)