使いこなせるようになるまい

 1週間サボっていた。理由は特にない。気分の問題である。
 思えば、はるか10年以上前に、当時の生徒の強い勧めによってこのブログを開設した当初は、学級通信を公開することだけを目的とし、その学級通信も、全然違う話題が幾つか盛り込まれているものだから、それらをバラバラにして、1日に1話ずつ記事にしていた。それがいつの間にか、学級通信・学年だよりを公開するにしても、1日分をまとめてアップするようになった。
 多くの情報を公開するにはその方がいいのだが、話題は幾つもあるのにタイトルは1つなので、どんな話をどこに書いたか探すのには、甚だ具合が悪い。というわけで、再び、1回の「学年だより」を話題の数だけに分けて公開する方法に戻すことにした(公開しない記事もある)。1日当たりの文字数もグンと減って、気楽に読めることだろう。

 

(10月7日付け「学年だより№21」より①)

 先月末、消費税増税まであと数日という絶妙なタイミングで、我が家で最も古い電化製品=電子レンジがついに動かなくなった。、私は、より性能のいい物が出たからといって、まだ使える物を捨てたりはしない。レンジも調子が悪くなってから既に2年以上が経つのだが、この間、叩いたり揺すったり、つまみの回し方を工夫したりしながら、だましだまし使ってきたのである。
 側面に製造時期が書かれている。なんと、諸君が生まれるよりはるかに昔、「1985年9~12月」だ。電子レンジでものを温めることを、よく「チンする」と言うが、今のレンジはそんな音を出さない。たいていは「ピー、ピー」という電子音だ。ところが、今回使用不能となった我が家のレンジは、本当に素朴な「チーン」という鐘を叩く音がした。
 諸般の事情で、オーブンレンジに買い換えた。今のオーブンレンジは高性能だ。付録のレシピ集を見ていると、このオーブンレンジ1台でどんな料理でも作れる、もはや我が家にはトースターや炊飯器どころか、フライパンも鍋も不要、とさえ思われてくるほどだ。
 これは非常に危険。「文明は人間を堕落させる」は私の有名な口癖。「機器の進化と人間の退化は表裏一体」、「楽と便利を私は信じない」などともよく言う。こんな高性能なオーブンレンジが使いこなせるようになった日には、臭いをかいだり、色の変化を見たり、粘度を感じたりしながらの火加減なんて必要なくなってしまう。
 せっかく買った高価な新品のオーブンレンジを前にして、使いこなせるようにならないことを誓う私は、やっぱり変な人・・・?