ベルリンの壁崩壊30周年

(11月15日付け「学年だより№26」より①)

 ○○何周年シリーズ、というわけではないが、先週の土曜日は、「ベルリンの壁」崩壊30周年だった。「ベルリンの壁」とは、昔、東ドイツの中に飛び地として存在していた西ベルリンを封鎖し、東(社会主義体制の東ドイツ)から西(資本主義体制の西ドイツ)への亡命を阻止するために、東ドイツ政府が作った高さ3mほどのコンクリート製の壁である。東西冷戦の象徴的存在であった。
 この壁が壊された時、私の中学時代の恩師が、「まさか生きているうちに壁の崩壊を目撃できるとは思わなかった」と言って涙ぐんでいたのが、強烈な思い出だ。世界平和は、壁の崩壊をきっかけとして一気に加速するかと思われた。
 ところが最近、アメリカ政府は、移民の流入を食い止めるために、メキシコとの国境に鉄の壁を作った。アメリカ、ブラジルを始めとして、過激な大統領が世界各地で誕生し、国会で過激な勢力が議席を伸ばしている国も多い。そして、人と人とを分断し、対立を煽るような政策を次から次へと打ち出している。シリアのように内戦の続く国も多く、それに伴う難民問題は深刻だ。相変わらずテロ事件も頻発している。
 ベルリンの壁が壊れ、東西対立が解消しても、世界は新たな問題を生み出し、なかなか平和にはならないのである。塩釜高校、塩竃市、宮城県、日本という狭い世界で内側を向き、世の中が平和だと誤解してはいけない。他国の問題は、自分の身の回りにいつ及んでくるかも分からない。

 

【社会に触れる・・・新塩釜市長との懇談会】

 №24で参加を呼びかけたこの懇談会(11月8日)に参加したのは16名。生徒会や部活代表といった感じの生徒ばかりで、一般生徒がいなかったのは少し残念だった。
 まあまあ「面白い」話し合いになったと思う。「すばらしい」と言わず「面白い」と言うのは、全体を見ながら現実的判断をする市長と、自分の利益を基準にものを考える生徒との違いが鮮やかだったからだ。諸君を悪く言うつもりはない。それが「高校生に見えている世界」だということ。そんなことに少しでも気付けると、参加した価値もあったというものだ。

 考査頑張ってね。(ただし、考査は勉強の目的ではないからな!)

(裏面:2018年9月28日付け日本経済新聞「水深4000メートル、未来の探査競う」を引用。
平居コメント:1年も前のこんな記事をなぜ載せたのか?その理由は次回明らかになる。よく読んでおいてね。)