素直に心を開くことができる

(11月15日付け「学年だより№26」より②)

 芸術鑑賞会について、学校としてのアンケートや感想文の課題というものはなかったが、翌日、1学年の某クラスでは担任が独自にアンケートを取った。それによれば、A~Eの5段階評価で、Aが約75%、Bまで入れると90%に達した。私が授業の時に手挙げ式で尋ねた評価とだいたい一致する。クラシック音楽という、日本の若者には人気のない分野だったことを思うと、この評価は驚異だ!「どうせ面白くない」と決めつけず、素直に心を開いた諸君の偉さのように思われる。少し自由記述欄に書かれた「生の声」を紹介しよう。

 

・中3の時、合唱コンクールで指揮者をしたけど、違いが最初の2秒で分かり、鳥肌が立った。
・最初はオーケストラにあんまり興味がなくて、期待していなかったけど、生の演奏を聴いて、さすがプロだな、と思って、時間があっという間に感じるほど聞き入ってしまいました。
・管楽器を中心に、心地よい音がホール全体に響き渡っていて、言葉では言い表せない気持ちになりました。聴く前は「興味ない」や「眠くなりそうだ」などと考えていたけれど、そんな考えは一瞬で吹き飛びました。そして、楽器を使って演奏していたオーケストラの方々だけでなく、指揮者も重要な役割を果たしていることを初めて知りました。指揮によって、速さ、リズム、テンポなどが異なるなんて、音楽は自分が思っていたよりも奥が深いんだな、と思いました。
・初めてオーケストラの演奏を生で見ました。それぞれの楽器の音色が重なり合って、とても美しいな、と感じました。自分から進んで見ることはほぼないので、11月6日に見れてよかったです。
・太鼓は打ってそのままだとずっと思っていましたが、山形交響楽団の人は、打った後、手で止めていたので、ちゃんと知れてよかったです。聴いていて感じたのは、どの曲も大きいヴァイオリン?が音の架け橋になっているのかな、と思いました。(←平居コメント:コントラバスのことだな。太鼓=ティンパニバスドラムも含めて、立派な観察眼だ。)

 

 感想の中に、来年どんな曲が聴けるか楽しみだ、というようなことを書いてくれた人が何人かいた。ところが、芸術鑑賞会は、毎年オーケストラでも音楽でもないのだよ。「音楽-演劇-古典芸能(落語や狂言)」というローテーションが決まっているので、来年は「演劇」だ。残念!!ではない。そうすることでこそ、自分が知らなかった、そして思いがけずすばらしい、という体験ができる可能性が来年もある、ということだからだ。
 オーケストラの演奏会なんて、仙塩地区に住んでいる諸君は自分で行くのも簡単!仙台フィル定期演奏会なら、ユース料金が設定されていて1500円(A席)。しかも、夜だけではなく、土曜日の午後という公演もある。人気アーチストと違って、チケット争奪戦もない。本当にもっと聴いてみたいと思うかどうか、ただそれだけ。