大木健氏「高校生向け公開講座」

(11月25日付け「学年だより№27」より)

 菊祭りが終わった塩釜神社は、そのタイミングを待っていたかのように、モミジの紅葉が始まった。1本のモミジの木の色づき始めから完全に落葉するまでをじっと観察してみると、本当にドラマチックだ。
 枝先から紅葉が始まり、やがて全体が燃えるような赤になる。そして、色の輝かしさを少しずつ失いながら、ゆっくりと葉を落としていく。わずか1週間か10日間ほどの変化に、まるで凝縮された人間の一生を見るようだ。
 環境なのか個性なのか、1本1本のモミジは色づく時期が違う。毎年決まって、最後は七曲がり坂下り口の木だ。それが間もなく盛りを迎える。それが散ると冬。オリオン座も8時頃には上ってくるようになった。

 

裏面:12月14日高校生向け公開講座チラシ(下)。
平居コメント:私は石巻で、某大学教授とともにこの3年半ほど、2ヶ月に一度、一般市民向けの教養講座を開いている。今回は、神奈川から、年齢は若いけれども間違いなく日本を代表する頭脳になるであろう(既になっている?)人物を招く。小さな市民講座(14日夜)で話してもらうだけではあまりにももったいないので、13日に大学で講演、14日午後に高校生向け講座を開くことにした。
 この話は壮絶に面白い。チラシに書いてある通り、海というのは技術的ハードルが高く、本当に宇宙よりも遙かに遠い未知の世界なのだ(今や月だと10m、火星でも100m単位で地形が分かっているのに、深海は1000m単位でしか分かっていない!)。
 自分は理系ではない、海にも科学・工業技術にも興味がない、という人は多いだろう。しかし、壁を乗り越えるという点ではあらゆる活動が共通するし、何が面白いかなんて実際に見聞きしてみないと分からない(芸術鑑賞会の教訓)。また、人生で何かの壁にぶつかった時に助けてくれるのが、絶対に役になんか立たないと思っていたものであることは意外に多い。だから、特に若者は、先入観に縛られず、手当たり次第にあらゆる知識を手に入れようとすべきなのだ。
 (大人や中学生も歓迎します。)

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次回定期考査までの予定や、3年生の就職内定状況についての記事は省略。
今回から、「お薦め本」コーナーを設けたが、それも省略。