不完全な方がいい

 しばらく更新をしなかった。特に理由はない。気分が乗らなかったのである。
 暖かい。先週から今週にかけて雨が3日降った。昨日少しの間だけ雪に変わり、そのタイミングで書いた以下では、「少し寒くなってきた」になっているが、その後雨に変わった。1月の半ばであることを考えるとやはり異常だ。テレビでも新聞でも、雪不足のニュースをよく目にする。たいていは観光イベントとの関係だ。雪が降らなければ除雪にお金や石油を使わなくて済むので、その点ではいいのだが、これは局地的・一時的な現象であって、それが社会全体の消費抑制にはならない。それどころか、雪が降らないからといって、イベントは中止にはならず、むしろ遠くから雪を運んできてまで実施しようとするから、環境負荷は逆に大きいようにさえ思う。それに生活がかかっている人達のためには仕方がないのかな、とも思うが、自然を力尽くで意のままにしようという姿勢にはやはり賛成できない。どんなニュースを見ていても、社会の構造的問題と関係するので、明るい気持ちにはなれない。

(1月16日「学年だより№34」より①)

 1月も既に半ば。異常な暖かさが続いていたが、ようやく少し寒くなってきた。寒い季節は寒くなければならない。さて・・・
 今年のお正月は天気が穏やかだった割に、世の中は穏やかではなかった。カルロス・ゴーン氏の出国(逃亡)とアメリカによるイラン軍司令官殺害のニュースには、この私もびっくり仰天!後者は特に深刻。少し間違えば、世界大戦へと発展しかねない大事件である(まだまだ予断は許さない)。
 奇しくも私は、この「学年だより」№31で米・イ関係に触れ、両国が犬猿の仲であるのは40年も前からであると指摘した(→こちら)。しかし、その時、両国関係がなぜ悪くなったのかには触れなかった。大使館占拠は結果であって原因ではない。
 基本はスペースの都合なのだが、普通に読めば疑問を抱くはずで、疑問を持ったら自分で調べればいいさ、という気持ちがあったためでもある。私は人が悪いので、時々、本人が自力で調べることを前提として、あえて諸君が知らないような言葉を使ったり、説明を省いたりすることがある。何しろ「学ぶ人は何からでも学ぶ。学ばない人は何があっても学ばない」。学ぶ人にとって、「学年だより」は適度に不完全な方がいい。

(裏面:2019年12月27日付け読売新聞より、「スキャナー」欄。「年末年始 休むか稼ぐか」を貼り付け。
平居コメント:今年のお正月は「休む」という話をずいぶん耳にした。利益か?家族との時間や文化的慣習か?これは「幸せとは何か」という問題だ。)