自力でハードルを越えよ

(2月10日付け「学年だより№38」より②)

 

【自力でハードルを越えよ】

 考査なんて「勉強」のごく一部でしかないので、そのことを分かってもらうためにもあまり大騒ぎをしないようにしているのだが、今年度最後ということなので、少し思うところを書いておく。
 過去3回の評点+追指導で赤点を残している諸君にとって、最後の挽回のチャンスとなる。かろうじて「黒」だったという諸君にとっては、「一歩間違うと・・・」である。入学以来繰り返し言ってきたとおり、


・諸君は勉強がしたくて高校進学という選択をした。
・諸君の高校生活は多くの人たちに支えられている(高校生活は自分1人のものではない)。


 これらの大前提と、入試で高校の勉強に耐え得ると評価されて入学してきたことを考えると、40点さえ取れないというのは考え難い。そこには必ず「甘え」と「手抜き」があるはずだ。
 というわけで、赤点を取っても何とかしてもらえるだろう、という期待はしないで欲しい。少なくとも私は(他の先生は知らず)、そういう生徒を救済しようという気は全くない。留年して、来年ゼロからやり直すことが、本人にとっても学校にとってもいいことだと思っている。

 

【俳句・短歌 私的総評】

(注:先週の記事を受けてのコメントだが、校外コンクールへの応募との関係で、このブログには作品を公表していない。)

 1月8日に提出作品を見た時は、音律さえ守られていないメチャクチャな作品が多い、という印象を持ったのだが、その後、国語科教員で絞り込み、優秀作品として確定させたものを見ると、そこに残った作品は、高校生の作品として、全国どこへ出しても恥ずかしくないものだと感銘を受けた。
 近年、作品を出してもらうと、読書感想文にしても、このような創作にしても、残念ながら「盗作」が時々混じっている。インターネットで手軽に広く情報を集められるようになった結果だろうが、諸君が探せるということは、私達にも探せるということを忘れてはいけない。
 今回も、優秀作品の候補となった作品だけは、諸君の語彙力、表現力と比べて出来すぎていると感じた場合、検索してみた。残念ながら、「盗作」と思しき作品がいくつか発見された。類似の作品は見つかったが、ぎりぎりセーフと判断したものもある。見落としもあるかも知れない。
 課題を出すために他人の作品を借りても、諸君は一切向上しない(=当たり前)。バレた時には、人間としての信用を失う。安易に目先をごまかそうとせず、自分と向き合い、逃げず、面倒な努力を地道に続ける・・・それ以外に諸君がすべきことはない。それは、勉強のあらゆる場面に通用する真理である。
 今回驚いたのは、5人の国語科教員の選んだ作品があまりにもバラバラだったことである。先週「学年だより」に載せた俳句は15、短歌は14だった。全部で約900句、600首あった中で、複数(=たった2名!!)の教員が10傑に値すると共通して評価した句・歌が、たったそれだけしかなかった、ということだ。これは文学(おそらく芸術も)の評価がいかに難しいか、ということをよく物語る。
 だから、今回選に漏れた作品が、校外のコンクールで入賞、いや、それどころか、上位入賞さえしないとも限らない。そういうことになったら、塩高国語科のメンツがつぶれるか?あるいは、新鮮な発見におののくか?・・・いずれにしても楽しみなことである。