道路の付け替え工事

 一昨日、我が家のポストに「国道108号石巻河南道路の計画に関する第2回アンケートのお願い」という郵便が入っていた(なぜか、今日また同じものが入っていた???)。「タウンプラス」というもので、一定地域全ての世帯に配っているようだ。「第2回」と書かれてはいるが、「第1回」を受け取った記憶はない。
 開封すると、A3版の説明書が入っていて、冒頭、次のように書かれている。
石巻市河南地区の国道108号は、道路の幅が狭く急カーブも多いため、道路の走行性が悪い等の問題を抱えています。幹線道路としての機能を強化するため、仙台河川国道事務所では「石巻河南道路」の計画検討を進めています。今回のアンケートは、対応方針の検討にあたり皆様のご意見を伺うものです。」
 そしてその後、これからの作業の流れや、どのような整備(道路の付け替え)が考えられるかということが、たくさんの地図やデータ(第1回アンケートの結果など)とともに記載されている。
 返信用ハガキが3枚同封されていた。1人1枚ということなのだが、なぜ3枚なのかは知らない。1世帯当たりの大人の数はだいたいこんなものだ、ということなのかもしれない。年齢、性別、職業といった個人情報(氏名や番地は不要)を書く欄に続き、国道108号の利用状況についてのアンケートがあり、裏面には、まず「検討の際に特に重要だと思う項目」を9つのうちから3つ選ぶ形で答える欄がある。私は「7 地形の改変に伴う自然環境への影響が少ないこと」「8 整備に関する費用が安いこと」そして「9 その他」を選んだ。もちろん、「9」には具体的内容を各スペースがあるので、そこには「何もしない=現在の道路の維持管理のみ」と書いた。
 言うまでもなく、「7」「8」を突き詰めれば「何もしない」ことになるので、「9」は同じことを繰り返し書いた形になる。自分でも分かっていてやった。だめ押し、というやつだ。
 最後に、自由記述欄がある。次のように書いた。

「環境や資源に深刻な問題が多発している中、今以上の便利さを求めて土木工事(=エネルギー・資源消費)をすべきではない。便利な道路を作れば、ますます自動車の利用が増え、公共交通手段が衰退するというのも深刻な問題だ。少子化が進む中、施設は立派であるほど後世の負担を増やすことにもなる。今より更に田畑を減少させることになるであろうことも、大きな社会的リスクだ。」

 ハガキの下部5㎝くらいの小さなスペースなので、この程度しか書けなかった。このブログの読者の方であれば、「ははぁ、いかにも平居だ」と感じることであろう。
 我が家の近くでも、今、道路の付け替え工事というのをやっている。延々と続く東日本大震災後の巨大土木工事シリーズの一つだ。今までの道路を直線的にするのが目的らしい。確かに、道路を付け替えればカーブが多少緩くなり、よりいっそう安全快適な運転ができるだろう。しかし、実に些細なことである。今でも別に不便とも危険とも感じないし、より快適な道路ができれば交通量が増え、地球環境とまで大きなことは言わなくても、周辺の住民にとって生活環境が悪化する。それでいて、数十軒か百数十軒かの民家、商店の移転を始めとして、膨大な費用と手間のかかる大工事だ。私にはどうしても工事のための工事、いや、経済のための工事に見える。
 いったいいつまでこんな発想でやっていこうとするのだろう?私には人々の考えることが本当に分からない。