うちの生徒、私たちのセンセ

 新型肺炎による休業期間が、5月末まで延長されたのを受けて、昨日、2回目の課題を送付した。元々、5月6日までが休校期間だった。それが開けてから1週間経ち、今頃課題を送るの?といぶかしむ声もあるかも知れないが、何しろ5月5日には5月10日までの休業延長が発表され、その後更に31日までと伸びたのである。ころころ変わる話に合わせながら、課題の準備やら発送作業をしていれば、どうしてもそれくらいの時差は出来てしまう。
 というわけで、多分、今日課題が生徒の自宅に届いているはずなので、中に入れた「学年だより」を取り上げておく。ただし、B4両面刷りで、そのうち4分の3が教員の自己紹介コーナーである。個人情報の問題もあって、その部分は全部省略なので、いわば「枕」のどうでもいいような部分だけ。

 

(5月13日付「学年だより」№45より)

 今週は暖かい(暑い?)。朝、半袖にしようかなと迷ったところで、そう言えば、授業こそ始まっていないが、本来だったらあと半月で衣替えという時期なのだな、と思い至った。今年は実質的な新学期が夏服でスタートする。
 今月2日、仙台では30.8℃、名取では32.1℃を記録した。前者は観測史上最も早い真夏日、後者は5月の最高記録だそうである。今年も始まったな。近年、毎年何度も繰り返される気象に関する「最~」がだ。「暖冬の年は冷夏になる」という言い伝えがあるが、どうも最近の気候変動は、そんな「言い伝え」が通用しないようだ。暑い夏になるかも知れない。
 新型肺炎問題で授業がつぶれた分、夏休み短縮?エアコンもいのに・・・?!というのが諸君の心配の中心になるだろうが、それはレベルの低い心配である。国際機関(IPCC)によって、人間が今のままの生活を続ければ、今世紀末には平均気温が約5℃上がり、異常気象と食糧不足が深刻化するのはもとより、食糧の奪い合いで戦争が始まる可能性も予測されている。新型肺炎の数百倍、数千倍もの人が死ぬことになるだろう。
 なのに、新型肺炎で仰々しいほどの対応をする一方、温暖化への危機感は極めて低い。これは人間の目に見えている「時間の射程」を反映している。遠くが見える目を養わないと、生き延びていくことは難しい。多分、勉強はそのためにするのだ。
 
【大特集 2学年の先生紹介・・・学年集会に代えて】

 幸い、宮城県ではこの3週間にわたって感染者が出ていない。6月1日学校再開が現実味を帯びてきた。登校日も含めて、なんとかいいスタートを切れるよう、お互いに助走を始めたい。
 とは言え、「3密を避けよ」という号令の下、クラスが一つの教室に集まれるまでには、まだ時間がかかりそうだ。学年集会なんて夢のまた夢。そこで、今年度最初の「学年だより」(4月8日発行№42)よりもう少し、諸君がイメージできるような「教員紹介」をすることにする(某先生発案の学年企画)。
 原稿の取りまとめをするに当たり、私は、1人当たりの枠の大きさ(3㎝×13㎝)だけを指定し、他は何も言わなかった。どんな体裁で何を書くか・・・そんな判断の中に、「個性」というものがよりいっそうよく表れるような気がしたからだ。「人間」というのは、書いた文の意味だけに表れるのではない。
 なお、私たちは、自分がクラス・授業で受け持つ生徒だけではなく、2学年の諸君全員を「うちの生徒」として見ている。諸君の側でも、私たち全員を「私たちの先生」として見てくれるといい。