金閣焼失70年

(2020年7月9日付け「学年だより№53」より①)

 

 いかにも梅雨らしい天気が続いている。もっとも「梅雨らしい」などと呑気なことを言っていられるのは幸せなことで、九州はたいへんなことになっている。しかも、今やそれが年中行事。昨年もまったく同じ時期に、九州では豪雨による大きな被害が出たし、今年も今回だけでは済まないだろう。なぜ自然がこれほど凶暴化するのか、全ての人が自分の責任として考えないと、事態は更に悪化する。より真剣に考えなければならないのは、未来へと生きる諸君なのだよ。ところで・・・
(7月2日付け「天声人語」貼付)
 そうかぁ・・・。この記事を読んで、私は金閣寺が燃えて今年が70年目であることに気付いた。
 修学旅行実現の暁には、ビジネス科は、修学旅行4日目に全員で訪ねることになっている。普通科は、全体研修の目的地として最後まで候補に残りつつ、諸般の事情で断念したが(4日目は二条城と三十三間堂に行きます)、自主研修の日に行ってみるとよい。
 この記事にあるように、今の金閣寺は再建されたもので、しかもそれから60年ほどしか経っていない。それでも、再建は形ばかりのものではなく、日本の建築・工芸技術の粋を集めて行われたものであり、観光用の張りボテとはまったく違う。本物の金箔がふんだんに使われているので、ギラギラとしていながら安っぽくもない。
 焼失、再建の歴史も含め、勉強してから見に行くと、なおのこと趣深い。京都市内に15ある(しかない?)世界遺産のひとつでもある。
(調べてみよう!この他、宇治にも二箇所ある。奈良は町全体がひとつの世界遺産として登録されている)。

 

裏面:2020年6月3日毎日新聞「ポストコロナの時代」欄貼り付け。内容は世界一貧しい大統領と言われるウルグアイホセ・ムヒカ氏のインタビュー記事。見出しとして「新たな価値 発見期待」「貧富の差拡大懸念」「自問自答重ねる時」「『我々の家』を守ろう」。
平居コメント:「賢者」と呼ぶのが似つかわしいこの人物については、佐藤美由紀『世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉』(双葉社、2015年)というとても分かりやすく読みやすい本がある。学級文庫に入っているクラスも多い。一読を勧める。