「向上」を目指す究極の姿

(9月23日付け「学年だより№62」より①)

(冒頭に9月15日付け毎日新聞杉村隆氏の訃報」貼り付け。ただし、配信記事らしく、河北でもまったく同じ。)
 9月15日の朝刊を読んでいて、左の訃報が目に止まった。杉村氏が最近までご存命であったとは知らなかった。私はこの方の名前を、高校時代だったか、柳田邦男『ガン回廊の朝』という本で初めて知った。杉村氏の名前が頻出する。

 『ガン回廊の朝』は、1962年に国立がんセンターが出来てから約15年間の記録である。国立がんセンターの記録というのは、日本のガン治療・研究の記録というに近い。そこには、ガンを治せる病気にしたいという医療関係者の「情熱」というか、「執念」というか、いやいや「狂気」が充満している。続編である『ガン回廊の炎』とともに、手に汗握りながら繰り返し読んだ。我が家の書架にあるこの本がくたびれているのは、決して古いからだけではない。
 少し時間に余裕があった4連休、私は久しぶりにそれらを読み返した。そしてやはり夢中になり、やはり圧倒された。そこに描かれているのは、ガンの診断や治療というだけではない。「向上」を目指す人間の究極の姿である。


【ちょっと手直し 教養講座・・・今日は第2回】

 ビジネス科は、今日も快適な環境の中でじっくり見てくれたまへ。問題は普通科
 前回、一部の諸君からも指摘されたとおり、換気と音響に大きな問題があったし、最近、塩釜地区の感染状況が全国的に見ても少々ひどい。そこで、普通科の第2回をどのような形で実施すればいいのか、そもそも、実施できるのかどうかについて、先週の木曜日、学年の会議を開いて先生方に考えてもらった。
 私は、先生方に問いかけた時、「なんだか修学旅行に行けそうもないし、感染者が出ると困るから中止しましょうよ」という意見が強く出るものだと思っていた。しかし、(思っている人はいたかも知れないけど:笑)そんな意見は一切出なかった。むしろ、どうすれば実施できるかという具体的な案がいくつも出された。会議後の炉辺談話も含めて、「すごくいい勉強になります」とか、「旅行に行くかどうかに関係なく、見応えあるじゃないですか」というようなことが語られた。私は少し意外に思いつつ、さすがだなぁ、と思った。考え方がケチくさくない。
 というわけで、今日は、あちらこちらの特別教室を使ってクラス毎に「後編」を鑑賞する(→前編を見た時の話)。画面が小さいことや、「みんな」で見ることによる一体感が得られないのは残念だが、これを見ることのメリットは捨て難いと、某先生が数々の技術的困難を解決させてくれて実施できることになった(感謝!)。
 涼しくもなったことだし、落ち着いた環境の中で乞うご期待。