生徒の気持ちが分からないダメ教師

(10月21日付け「学年だより№66」より)

*前回のブログ記事の焼き直しのようであるが、主題が違うのでご容赦を。

(冒頭に10月15日付け毎日新聞より「林原健氏の訃報」貼付)。
 先週の木曜日、左のような記事を見つけた。こんな人のことは、大人でもたいてい知らない。林原という会社は、もともと水飴屋である。その後、ブドウ糖の量産に成功して成長し、更にトレハロースやインターフェロンの量産(記事には「開発」とあるが、おそらく「量産」が正しい)に成功して、世界的企業となった。私がこの方と林原という会社のことを知ったのは、20年あまり前、中野不二男インターフェロン 第五の奇跡』(文藝春秋)という本を読んだことによる。地道な研究開発を大切にする優れた社長であり、会社であると感銘を受けた。ところが、まさかの不正経理
 今年のノーベル医学生理学賞は、C型肝炎ウイルスの発見者に贈られることになった。林原が量産に成功したインターフェロンは、記事では「抗がん剤」となっているが、むしろC型肝炎の特効薬として有名である。こうして2つの情報は結びつく。
 実はこの私、30歳の時に、献血C型肝炎に罹っていることが発見され、その後、約15年にわたって患者をしていた(禁酒がつらかった=笑)。治ったのは12年前で、インターフェロン(林原製ではなかったけれど・・・)のおかげであった。
 そんな私にとって、今月に入ってからノーベル賞、林原健氏の訃報と、C型肝炎に関わる2つのニュースに接したことは感慨深かった。治った後だから言えることだが、病気のおかげで、病気の仕組みから林原という会社の歴史に至るまで、学べたことは多かった。人生、何でも勉強の材料。意識して学ぶと、世界は何でも面白い。


【人の気持ちが分からないダメ先生】

 普通科は9月30日に身だしなみチェックを行った。ビジネス科は、授業の時に、あれこれ文句を言っている。もちろん、各担任から言われることもあるだろう。幸い、塩高では多少違反者がいても、圧倒的多数の諸君の良識のおかげで蔓延していかないので、あまりしつこく注意したり、強い手段に訴えたりせずに済んでいるが、女子のスカートなど、けっこうしつこく直らない人もいる。朝の5分前登校も、今ひとつすっきりは改善されない。
 私が高校時代も、ごく少数ながら、パーマをかけたり、スカートをいじったりという人はいた。先生と言い争っているのを見ながら、私は「アホだな」と思っていた。やれば先生から言われるのが分かっていて、しかも規則がある以上勝ち目なんかないのに、どうしてそんな面倒なことをわざわざするんだろう?と不思議な気分だった。どうせけんかをするなら、もっとましな材料があるだろうに、とも思っていた。
 というわけで、「先生」になったとか、年を取ったとかではなく、元々私は、そういう人の気持ちが理解できない人間なのである。これはダメ教師なのかな?他の先生がどうかは知らない・・・。


裏面:9月27日付け日本経済新聞より「友と旅する醍醐味」(澤田瞳子筆)と10月4日付け朝日新聞「うたをよむ 高校生にこそ短歌を」(村上しいこ筆)を貼り付け。
珍しく、平居コメントなし。 


*他の記事は省略