カシオペア!おしょろ丸?

 最近、ちょっとした事情で私的に忙しいので、なかなか更新できずにいた。そんな中、先週の日曜日(17日)は、東北歴史博物館歴博)に行った。企画展「伝わるかたち伝えるわざ 伝統と変容の日本建築」にちなむ記念講演というのがあったのだ。全部で3回行われるうちの2回目。講師は東北大学准教授の野村俊一氏で演題は「建築が伝わること/建築を伝えること」。第1回は9月27日で、その時にも私は行った。講師は東京芸術大学教授の光井渉氏で、演題は「建築の情報はどのように伝わったのか」。これらについてはさほど面白いものではなく、期待外れと言えば、まぁ期待外れであった。が、とにかく建築は面白いのである。特に、構造がよく見える古い木造建築がいい。今のコンクリート製の建築物は、楽しめるのが外観だけになっている。
 ところで、歴博に行く時、私はいつも電車を塩釜で降りて歩いて行く。歴博はJR東北本線国府多賀城駅に隣接しているのだが、なにしろ塩釜までなら定期券を持っている。一駅区間、4㎞弱くらいだ。いい散歩である。
 帰り道、ちょうど鉄道線路がよく見えるあたりで警報器が鳴り出した。鉄分がやや多い私は、塩釜発の電車の時間にはまだ余裕もあることだし、少し見物でもしようか、貨物列車ならいいなぁ、などと思いながら、踏切で電車が来るのを待った。
 見えてきたのは赤い機関車だ。となれば、EH500(愛称:金太郎)が牽引する貨物列車だ、ということになるはずなのだが、赤がずいぶん明るい。何なんだろう?と思っていたら、なんとびっくり朱に塗られたピカピカのEF81で、カシオペアを牽引しているではないか!!!車内灯はついているが、ほとんどの窓でカーテン(ブラインド?)が閉められている。乗客は乗っていないようだった。これはもうけもの。いいなぁ、機関車が引っ張る客車。
 ついでに乗り物ネタをもう一つ。
 我が家からは海がよく見える。毎朝必ず、何か面白い船泊まっていないかなぁ?と双眼鏡片手に海を見るのが日課となっていて、このブログにも、そうして発見した特徴ある船の話がたびたび登場する。特に土日はじっくり観察する。
 一昨日の日曜日、見ればかなり遠くだが、石巻工業港方面に向かってくる白い船が見えた。双眼鏡で確認すると、明らかに調査船か練習船の類いである。北海道大学の「おしょろ丸」に似ている気がする(→参考記事)。もう少し近づいて来れば、ファンネルマーク(煙突に描かれた印)も見えて素性がはっきりするだろう、と思っていたら、なぜか船は向きを変え、南東の方向に、つまりは石巻港から遠ざかって行ってしまったのだった。
 調査船の類いは、その船のホームページで、絶えず居場所を明らかにしているものが多い。私はあわてて「おしょろ丸」のページを探した。しかし、残念ながら現在地に関するいかなる情報もなかった。なにしろ、タンカーやばら積み船以外の船は貴重なのである。ましてそれが知っている船だったら・・・う~ん、やっぱりあれは「おしょろ丸」だったような気がする。

 

オマケみたいですみません。
(10月27日付け「学年だより№67」より①)

 

 昨年の今頃、塩釜神社の屋根の葺き替え工事について書いた。今年も工事が行われるらしく、社務所の隣、「貴賓館」とされている建物に足場が組まれ始めた。昨年工事が行われた社務所と同じく、銅板葺きだ。先日映像で見てもらった西本願寺の瓦屋根を葺くのとはかなり性質の違う作業になるが、それでも、古来の様々な工夫が凝らされているのだろう。昨年は岐阜県の会社が工事をしていた。それくらい特別な仕事だ、ということだ。しばらくの間、覆いの隙間からのぞき見しては楽しもう、と思っているところ・・・。1年前にギラギラしていた社務所の屋根も、すっかり落ち着いた色になった。

 

裏面:9月26日付け毎日新聞「『浮き足立つ』のは・・・文化庁国語世論調査」を貼り付け。
平居コメント:毎年この時期に、こんな調査結果が発表される。今年のトピックは、国語が「乱れていない」と回答した人が過去最高の30.2%になった、という話題だ。言葉は通じればそれでいいのか?守るべき「正しい」言葉というのが果たして存在するのか?これらは、日常的に接している人の範囲から出ないように生活するか、場所や文化の異なる世界に新しい人とのつながりを求めるか、という姿勢を反映する。分かるかな?