価値を増す修学旅行

(10月27日付け「学年だより№67」より②)


【価値を増す修学旅行】

 21日は、今年度初めて(!)学年集会を開けたことが、まず感慨深かった。後で少し後悔したのだが、よくよく考えてみると、今年新たに2学年所属になった先生については、学科が違うと、見たことがない人もいたはずだ。校長、教頭だけでなく、全員紹介すればよかった・・・。
 №65にも書いたとおり、先生の中でもリスクについての感じ方には大きな温度差がある。案の定、昨日までに出してもらった「予備調査」でも、「よく実施を決断してくれた」から「何を考えているのだ」まで、様々な意見があった。校長の話にもあったとおり、問題を起こしたくなければ中止が簡単。しかし、それによって失うものもまた大きい。
〈プチ復習〉・・・学年集会で私が話したこと。
 3泊が2泊になったのはともかく、目的地が奈良、三重になったことは、決して悪いことではない。
 「学校において『楽しい』とは、知らなかった世界が目の前に広がり、新しい発見と成長とがあること」であると、私はかつて書いた(6月30日、№52)。そんな考え方に立てば、行く機会の少ない場所、今行きたいとは思っていない場所に行くほど、修学旅行の価値は増す、ということになる。三重はもとより、奈良だってなかなか自分では行かない。京都や大阪から電車で30分あまりという地の利から、泊まるチャンスというのは更に少ない。先生だって、修学旅行引率で東大寺薬師寺に行くことはあっても、奈良市街を散策したことのある人は少ないと思う。実は魅力的な街だ。クラス毎にスケジュールはやや異なるが、クラスによってはそんな時間も取れるだろう。
 USJ問題の時に見られたように、人によっては「大阪に行かないなら行く価値がない」「三重なんか行っても見る所ない」と考えてしまう。だが、それは貧しい。価値を見つけられないのは、場所の問題ではなく、意識の問題だ。このような点についても、結局「学ぶ人は何からでも学ぶ。学ばない人は何があっても学ばない」なのだな。


【6組の秘密を見た気分・・・「当たり前」は偉大に至る】

 各クラスの生徒の昨年度末成績を足して平均した時、2年6組は普通科7クラス中3位であった。今年はクラスによって科目が違うので、クラス平均は比較できないのだが、なにしろ、先日の前期末試験で6組は、両学科で唯一赤点ゼロ(誰一人赤点を取らなかった)であった。すご~~い!!
 先週の木曜日、6組は正副担任が不在だったので、私がホームルームに行った。最近では珍しく、職員打ち合わせが早く終わったので、私が教室に入ったのは始業7分前の8:28であった。びっくり!3~4人を除いて登校しており、しかも大半が静かに授業の準備という「当たり前」のことをしているではないか。
 通常私は、昇降口や校門付近で諸君の通学の様子を見ているが、8:30以降に登校する生徒はおそらく50人を超える。1クラス平均で7~8人ということだ。そう考えると、6組の「5分前登校率」は高い。登校後に何をしているかということも含めて、「ははぁ、これが6組が優れた成績を収めた要因なのだな」と感じ入った。
 「5分早く登校して、静かに読書か授業の準備(ビジネス科は練習問題)をする」というのは、ずっと呼びかけ続けている、いわば「平凡」なことだ。しかし、それを知っているのと出来るのとは違うし、まして続けることは大変だ。平凡は実行と継続によって偉大へと変化する。6組の成績優秀は、けっして偶然でもまぐれでもなかったのだな。 


*他の記事は省略