小さな震える命

(2021年1月13日付け「学年だより№76」より①)


 寒い。3連休の初日、日当たりのいい我が家のリビングで本を読んでいたところ、バーンと大きな音がした。1~2年に一度あることなので、何事かはすぐに分かった。鳥が窓ガラスに激突したのだ。見れば、ウッドデッキで雀が仰向けにひっくり返っている。死んだかと思ったが、足がぴくぴくと動いている。ガラスには、小さな羽毛が3枚張り付いていた。
 1分ほど見ていたら、くるりと回転して起き上がった。あぁ、よかった、ただの脳しんとうだったのだな、と思ったが、そのままじっとしている。家の前に生えている桜の木で、雀が盛んに鳴く。呼んでいるのではないだろうか?それでも動かない。
 ガラスを隔てて、私からわずか30㎝くらいの所にいるので、表情もよく見える。時々瞬きをし、くちばしをパクパクさせたりする。少し息が荒いようにも見える。いったい自分の身に何が起こったのか、小さな頭で一生懸命考えている、という感じだ。その戸惑いを含む真剣な表情がかわいい。
 コンコンとガラスを叩いてみたりしたが反応しないので、15分ほど見ていて、とうとう窓を開けてみた。その瞬間、その雀はパッと飛び立ち、我が家の梅の木にまっすぐ飛んでいった。どうやら何事もなく元気らしい。命のかけがえのなさ、美しさのようなものを直に感じた不思議で感動的な時間だった。


裏面:1月11日付け河北新報「失敗恐れず 自分の舞台に・・・成人の日に寄せて」(ドリアン助川筆)を貼付。
平居コメント:月曜日は成人の日だった。各紙とも、社説やコラムも含めて、新成人へのメッセージを発信していたが、自分の経験や考え方をさらけ出して、最も熱く語っていたのがこの記事だった。なお、民法の改正により、成人年齢は段階的に18歳まで引き下げられることが決まっている。2003~4年生まれの諸君の場合、「18歳」が適用されることになっており、新成人になる日は2022年4月1日だ(あとわずかに1年!)。それによって、現在20歳から許されていることが、全て許されるようになるわけではない。成人式をどのタイミングで行うかも各自治体の判断なので、18歳とは限らない。一度調べてみるとよい。