期待には値しない・・・内閣支持率

 朝起きてカーテンを開けたら、目の前の海に宮城丸が泊まっていた。ああ、そう言えば、水産高校では機関工学類型の生徒が遠洋航海実習に行く時期だった、と思い出した。航海類型による春の遠洋航海実習は、ハワイに寄港しないという変則形で実施したと聞いていたが、機関はどうなるのかな?
 と言うわけで、水産高校のHPを開いてみると、12日に乗船し、その後2週間の健康観察期間を経て、やはりハワイへの寄港なしで長期航海を行うと書いてある。
 ところが、我が家の前の宮城丸は、午前中のうちに姿を消した。「Marine traffic」を開いてみてもどこにいるか分からない。健康観察期間は、どこで過ごしているのだろう?結局、謎は少し形を変えて謎として残ったのであった。

 さて、首相の支持率が低下し続けている。どこの世論調査を見ても、遂に支持と不支持の比率が逆転した。今朝の毎日新聞では、不支持57%、支持33%と、24ポイントもの大差がついている。安倍-菅政権が、「不誠実」の極みであるが故に虫酸が走るほど嫌いな私としては、大いに喜ぶべきことのはずだが、どうも気分は盛り上がらない。理由ははっきりしている。支持率低下の要因が、コロナ対応にあるようだからである。
 確かに、自民党のコロナ対応はお粗末だ。対策というものを小出しにしすぎている。薬で病気を治すのと同じことで、薬は使うべき時には必要量をきっちりと使わなければいけない。だが、私も新型コロナウイルスについての危機感はさほど強くなく、むしろ、生活に制限を加えすぎることの弊害を心配していたわけだし(→こちら。今でもさほど変わっていないかも知れない)、仮に危機感を持っている人でも、見えない敵に立ち向かうのはなかなか難しい。誰がやっても、大同小異というところがあるのではないか?と思う。
 現政権がひどい理由は、そんな点にあるのではない。日本学術会議議員の任命問題に典型的に表れたように、人事権を利用して、自分にとって不都合な(意見の異なる)人間を排除し、人を意のままに支配しようという体質、更にはそれが問題になれば、問題をすり替えて学術会議の組織そのものを破壊してしまおうという悪辣さ、桜を見る会問題、更にはモリカケ問題などで、おそらくは相当悪いことをしているはずなのに、シラを切り通し、口では丁寧誠実をいいながら、やっていることは正反対などなど・・・(本当にたくさん!)。これらに比べれば、コロナ対応なんてたいした問題ではないのである。しかし、多くの国民にとってはコロナ対応の方が大切。いや、それだけではなく、学術会議も桜を見る会も問題のうちには入らない。
 支持率が下がったというニュースとともに駆け巡ったのは、衆議院の解散・総選挙はお預けという話だ。
 衆議院の解散権についての憲法の規定は曖昧で、解散の目的がどれほど限定されているかはよく分からないのだが、どう考えても、政権にとって最も都合のいいタイミングで選挙をするためのものではないだろう。解散とは、国民の意見をあえて聞かなければならないような重大な問題が生じた時にのみ行使されるべきものだというのが常識であるはずだ。昔は、仮にそのような政権のエゴで解散するにしても、表向きは大義名分を立てていたように思う。今やそれすらしない。首相は解散について多くを語らないので分からないが、少なくとも与党の重鎮たちは、選挙で勝てるかどうかということを解散と結びつけて語ることに何の恥じらいも感じていないように見える。異常な事態だ。
 内閣の支持率が下がったとは言っても、なぜか自民党の支持率はさほど下がらない。それどころか、例えば一昨日の時事通信社世論調査を見てみても、自民党以外の政党も下がって、支持政党なしが増えただけのように見える。人間が賢くなるには時間がかかる。何かの出来事をきっかけに、支持率が多少上下することはあっても、劇的で構造的な変化は起こるはずがない。そのことを自分自身にも言い聞かせ、期待も悲観もすることなく、自分がするべきことをしなければ、と改めて思う。