3学年といえば「進路」、か?

(4月22日「学年主任だより№3」より②)


【3年生といえば「進路」とは言うが・・・】

 3年生になると「進路」のかけ声を聞くことが多い。いや、2年生のうちから既に就職希望者向けの説明会は行われたし、先週も、火曜日に、学年全体での「進路オリエンテーション」を実施した。
 高校生は、学校を通して手続きすることも多いので、それらについてはしっかり伝えておく必要がある。一方、例によって天の邪鬼な私は、決して親切ではない。卒業後の進路を決めなければならないことくらい誰にだって分かっているわけだから、そんなことをわざわざ言う必要なんかない、私がすべきことは、多くの人が必要性を理解できないことに目を向けさせたり、「当たり前だ」「大切だ」と思い込んでいることについて、「本当にそうなの?」と問い直させたりすることだ。
 実際、日本以外の多くの国では、進路指導は先生の仕事ではないし、日本でも、私が高校生だった頃は、先生があれこれ世話を焼いてくれたりはしなかった。それは正しいやり方だった、と思う。諸君が努力する前に先生が頑張ってしまうと、諸君が自分で考え、期限を守って手続きをする能力を身につけるチャンスを奪うことになる。それは諸君の自立を阻害する、ということだ。
(本当はここからが言いたい)
 塩釜高校に来てはや5年目。塩高では、所属の学年に関係なく、志望理由書や小論文、面接の指導が割り振られるのだが、今までに私が担当した生徒は、自分が専門にしたいと思っている分野について1冊の本も読んだことがなく、私を驚かせた。(「学年だより」だけでも、このことを既に2回書いたはず。私にとってそれほど衝撃的な事態だったのだ。)
 不幸にして私を担当者として割り当てられた人は、少なくとも3冊くらいは本を読んでから来ないと、「出直してこい!!」と一喝されるから(笑?)、気をつけてね。担当者の割り振りは7月にならないと行われないので、担当の先生が決まってからだと間に合わない。本なんて読む気にならないという人は、そもそも、自分がその分野に進みたいという気持ちが本物ではないということなのだから、まずは自分が本当にやりたいことを探すという作業から始まる。あ、もしかしてそれにも読書が必要?・・・さぁ、大変だ。


裏面:2015年4月4日付け朝日新聞土曜版「be」より「RANKING 新社会人に望みたいこと・・・共に働きたい、と思われる人に」を貼り付け。
平居コメント:少し古いし、「学年だより№3」裏面で一度紹介した記事だが、今改めて必要だと思うので、再掲することにした。仕事は全てチームプレー。