カーリング万歳!

 北京オリンピック開幕数日前に、新聞を見ながら家族と、「え?!あと○日でオリンピック始まるの?なんだか、全然そんな雰囲気無いよな」などと言っていたのだが、いざ始まってみるとつい見てしまう。プライバシーがないという家の構造の問題もあって、家族が見ている時に、1人だけ閉じこもることが難しいという事情もある。
 何が一番面白いかと言えば、カーリングである。野球的な「間合い」、手に汗握る駆け引き・・・一度見始めると、よほどの点差が付かない限り、途中でスイッチを切ることは難しい。13日の読売新聞に、カーリングという競技そのものについて、けっこう大きな解説記事が出たのを興味深く読んだ。本当にデリケートな競技なのだなと感心する。
 競技としての面白さの他に、女子チームそのものの良さもある。見るからに楽しそうなのだ。「試合を楽しむ」という言い方はよくされるが、実際には巨大なプレッシャーの中で、そんなことは言っていられないというような場面が多い。ところが、息を切らすような技がないということもあるのだろうが、この女子カーリングチームは、絶えず笑い、本当に楽しそうに試合を進めている。
 更に驚くのは審判の影の薄さだ。どこにいるのか。いるのかいないのかすら分からない。最後、どの石が得点になるかの判定で、かなり微妙な場合でも、選手達が自分たちで判断している。日本とどこかの試合で、選手達が審判の判断を求める必要のある場面があった。探してもいない。この時、選手の胸元に付けられているピンマイクは、「なんか今、出払ってるみたい」という声を拾った。私は吹き出してしまった。絶対者が君臨して裁定を下すという上意下達方式は、スポーツと言えどもないに越した事がない。この点においても、カーリングは魅力的である。
 日本チームは、他国の結果を受けて、めでたく1次リーグ通過、準決勝進出が決まった。時間を取られるのは困るのだが、オリンピック期間だけとあきらめて、もう少し楽しませてもらおう。
 ところで、昨年の夏、北海道に行った時、常呂町(現北見市)で市営の「カーリングホール」というものを見て驚いた。ボーリング場とよく似た感じの建物で、空いていれば誰でも利用できるらしい。帰宅後調べてみると、一般(大人)は1時間1400円ということなので、1ゲーム3時間として約4500円。8人で割ると1人550円。ブラシや靴を借りても、1人700円くらいにしかならない。しかも、「一般」とは本当に大人で、大学生なら半額だから、非常に手頃だ。
 エネルギーの消費を「悪」と考える私としては、通年営業は許せないが、冬だけの営業ならとてもいい施設だなと思う。羨ましい。テレビ観戦で楽しむだけではなく、庶民が身近に楽しめるスポーツになればいい。野球でも、相撲でも、日本人は「間」のあるスポーツが大好き。定着すると思うけどなぁ。