合計で258歳!!

 ゴールデンウィークが終わった。私は、4月23日(土)に授業参観・学年PTAがあった都合で、5月2日(月)が代休となったため、7連休であった。そして、今日学校に行くと、支部総体のため、次は11日(水)まで授業がない。休みの日にすることには困っていないので、部活で出勤している人には申し訳ないと思いつつ、休みは歓迎するのだが、あまり休みが続くと、もう学校に行くのは面倒くさい、という気になってくる。これは良くない。
 さて、机に向かう仕事があったりしたゴールデンウィークだったが、5月2~4日はデスクワークお休み、と決めていた。そして、2日は庭の草刈りと、ウッドデッキの塗り直し、3日は、仙台で画家・早坂貞彦先生の個展を見に行った後、以前触れたこともある(→こちら)驚異のスーパー老人Sさん(86歳)を自宅に訪ねて飲酒(以前からのお約束)、そして4日の昼は、小学校時代の恩師W先生の、半年遅れの米寿のお祝いと、けっこう高密度なお遊び生活をしていた。
 早坂先生とSさんとW先生の年齢を足すと、なんと258歳となる。3人とも本当にお元気。Sさんは、現役の庭師(ついに職業化!)で、この日も柴田町内の家に庭の整備に行ってきたとのことだったし、W先生は、電話を差し上げると「サッポロビール園に行こう」とおっしゃって、仙台市内の自宅から電車で名取駅までお出でになる。この3人の中で最も若い早坂先生が、私の母と同じ年齢。既に書いたとおり、母は、いよいよ体が動かなくなり、3月上旬に仙台市内の某施設(老健)に入所してしまった。もっともっと若くして亡くなる方もいるわけだから、贅沢は言えないにしても、母のことがとても気の毒に見えて来る。60歳を過ぎると個人差は非常に大きいものだが、それにしても運命は不公平だ。
 早坂先生とは、県立高校や東北生活文化学園大学の絵の先生だった方である。元々は抽象画が専門らしいが、私としては「山の絵」の大家だ。今回の個展のタイトルも、「早坂貞彦スケッチ山想展」。会場は藤崎百貨店。4日に終了。
 私は、縁あって先生を直接知っているが、先生が山でスケッチをしている姿を目の当たりにしたことはない。ご本人もおっしゃっているとおり、ものすごい速さで、サラサラと描き上げてしまうのだろうと思う。帰宅後の手直しも一切しないという。それ故、かけがえのない一瞬を切り取っているという臨場感と、先生の「楽しい」という思いとが、絵全体に充満している感じがする。なにしろ「サラサラ」なので、決して重厚な絵はなく、とても簡素なデッサンに、水彩絵の具でなんとなく色付けしたという感じの絵である。その軽さも、先生の「楽しい」を表現するための重要な要素だ。
 会場におられた先生と多少の立ち話をしてお別れの際、「平居さん、これ持ってって」と言って、『山想』とタイトルの付いた小さな画集を下さった。帰宅後、ページをめくってみると、個展で売っていた絵のカタログという感じの本だ。会場で見た爽やかな気分、絵に対する感動がよみがえってきた。
 私は優柔不断な人間である。迷ってばかりいて、なかなか決断に至らない。絵などというのは贅沢品だからなおさらだ。画集を見ながら、2~3の作品について、「あぁ、この絵を買えばよかった」と思った。「先生、○○の絵売れ残っていませんか?」と電話をすることも難しくはないのだが、それもまた踏ん切りが付かない。そして心に湧き起こってくるのは、こういう絵を描ける人っていいなぁ、という羨望とも嫉妬ともつかない感情だ。