「初」蜘蛛の巣

 すばらしい天気の週末だった。今日の石巻は28℃を超えて、夏日となった。確かに気温は高いのだが、ほどほどに風があって、湿度も低く、とても快適。断熱パネル完備の我が家は、洞窟と同じで、締め切っていると外よりも涼しい。
 家の外に目をやると、南浜津波復興祈念公園の緑と、その向こうに広がる真っ青な太平洋が鮮やかだ。紫外線が強く、湿度が低い時の色である。湿度は50%前後というところかな、と思いながら調べてみると、思ったよりも更に低く、日中は40%を切っていたようだ。
 先週は、労働のため蔵王に行っていたので、2週間ぶりで牧山に走りに行った。新緑の一番いい季節は過ぎつつあるが、今月に入ってからは山ツツジの花も美しく、整備された里山の道は快適である。
 ところが、大門崎の歩道橋を越えて、山道にかかった瞬間、蜘蛛の巣に引っかかった。今年の「初」蜘蛛の巣である。私はこれが大嫌い。これからの蜘蛛の巣シーズンへ向けて、いい天気の割には憂鬱な気分になった。これからの季節、歩道橋を渡るとすぐに小枝を探し、顔の前で振り回しながら走らなければならない。けっこう鬱陶しい作業である。
 今日、私が走りに出たのは午前10時である。その私が蜘蛛の巣にかかるというのは、いかに人が歩いていないかということである。今日は、車で行ける頂上の零羊崎(ひつじざき)神社の境内を別にすると、最近よく下山に使う「さざんかの道」で、山歩きの格好をしたおばさん4人組とすれ違っただけだ。
 そうそう、以前は大門崎の尾根道を頂上まで駆け上がると、車道を通って御所入(ごしょのいり)に下りていたが、最近はその道を使わず、山道を下りている。山道の方が面白いということもあるが、「石巻かわみなと大橋」なるものが開通したおかげで、我が家から大門崎までの距離が少し短くなった。帰りも新内海橋を通らず、そのまま「かわみなと大橋」を通ってくるとなればなおさらだ。そこで、距離的には遠回りの山路を使うことにしたのである。栄存神社の社務所前から魔鬼山寺跡を通り、「もみじの道」「とちの道」「もくれんの道」「にしきぎの道」を通って、御所入の駐車場に下りるのが、距離もほどほどにあり、道も山道らしくていいなあ、と定番化しつつある。行き日和大橋、帰り新内海橋経由と、時間的には同じか、数分余計にかかるくらい。
 初蜘蛛の巣の今日、さっそく山中で3回、蜘蛛の巣に引っかかった。帰宅後、汗をかいているうちに自転車で買い物に行こうと自転車庫に行ったら、うかつにも、そこでも蜘蛛の巣に引っかかってしまった。我が家も、蜘蛛がよく巣を張る場所が何ヶ所かあって、なかなか侮れない。もっとも、蜘蛛は蜘蛛で迷惑に思っているに違いない。