日本の夏

 昨日から今日にかけて、石巻では「川開き祭り」というイベントが開かれていた。コロナの関係で3年ぶりの開催である。
 町の中心部に車の乗り入れが禁止され、小中学生の鼓笛隊や踊り、たくさんの出店、その他もろもろの企画が行われていたのだが、私は行かなかった。子どもが鼓笛隊に入っていた時、1度か2度だけ見に行ったことがあるが、小学校を出発する時だけ見て、そのまま引き返してきた。高校生が派手な格好をして男女でベタベタ歩いているのを見るのも嫌だし、まして何か悪いことをしている場面に行き逢ってしまったら面倒だ。特に今年は、地元の学校に勤務するようになったのでなおさらである。しかし、これは理由としてはさほど重要でない。
 それよりも嫌なのは、膨大な量のゴミを見ることである。あらゆる出店や飲食店が全て使い捨ての容器でものを販売する。あちらこちらでそれを回収しているのだが、その量たるや、地球環境の悪化を怖いほどに実感している私としては、背筋が凍るほどのものである。何のためらいもなく、あれほど膨大なゴミを出して平気な感覚というのは、指導主事から学習指導要領の話を聞いて、疑問も持たずに「頑張らなくちゃ」と思うのと同じである。本人たちは至って幸せなことで、その感覚を羨ましいと思う。おそらく、その人たちにとって、地球環境の悪化とそのような自分たちの生活は、全く関係のないものなのだろうな。
 昨晩の花火大会だけ見に行った。我が家から東に10分歩くだけで北上川に突き当たる。堤防の上は、花火見物の絶好のスポットだ。肌寒いので、長袖長ズボンに山用のレインウェアを羽織って行った。もちろん、近くに出店など出ていない。人出はそこそこあるのだが、広いので混雑しているというほどでもない。私たち家族が座っていた場所なんか、半径20メートル以内に他の人はいなかった。もっとも、打ち上げ場所がコロナ前よりも数百メートル川上に移動したため、花火はずいぶん小さくなった。やや迫力にも欠けるが、爆発と音のずれ(4~5秒)の大きさがなんだかとぼけた感じだ。
 それでも、晴天とほどよい風に恵まれて、いい花火大会だった。新作もあって、1時間半(6000発!)、退屈することはなかった。やはり、花火とスイカは「日本の夏」だな。
 あ、これも立派な消費であり、環境破壊なのだけれど、年に1回だけ、数万人が楽しめるのだし、やる以上は私が見に行っても行かなくても消費されるものの量は同じなのだから、赦して下さい。