今日は松山町

 2~3年に一度、同じようなことを言っているので、気恥ずかしくて書く気にならなかったのだが、9月からまたダイエットに取り組んでいる。今春異動して自転車10分の楽々通勤になった上、職場で「ご隠居さん」扱いを受けているので、ぶよぶよ太ってきたのである。
 やっていることは二つ。一つは自宅でお酒を飲まない。もう一つは自転車を止めて歩く、である。調子は非常によい。2ヶ月あまりで既に2.5㎏減った。すると、体が軽いというのが実感できる。走っても快調。週末の牧山Runは、それまで下山してから自宅までの平坦地が苦痛で、しばしば歩いていたのに、今はすーっと走って帰れる。本当に劇的な変化だ。歳のせいだと思っていたが、体重のせいだったのだ。目指せBMI22!あと4㎏減らせばそうなる。まだまだ先は長い。なんとか来年の春くらいまでには・・・。
 昨日はその牧山Run。穏やかな小春日和で、半袖半パンで大丈夫だ。紅葉が少し盛りを過ぎたかな、という感じ。山道に積もった落ち葉のかさかさ感が気持ちいい。もう蜘蛛の巣に引っかかることもない。落ち葉に隠れて、躓きそうな木の根が見えないのだけが少し怖い。こんなに気持ちのいい天気の、こんなに気持ちのいい山道なのに、誰も歩いていない。山を一周して、一人の人にも会わないのである。みんな、どこで何をしているのだろう?
 今日は、松山町まで遠征をした。どこか歩くのに面白そうな所ないかなぁ、と25000分の1地形図をぼんやり眺めていたら、大崎市松山町の南西に高寺山(130.4m)、絹掛(142m)、石ノ宮(133.5m)という三つのピークを持つ東西に延びる尾根が目に入った。しかも、絹掛、石ノ宮という山の名前はなんだか曰くありげだ。思えば、松山町は、20年ほど前にコスモス園(千石城址)という所に行ったことがあるだけである。地図で測ってみると、ぐるり一周コースで17㎞ほどだ。石巻から、ほぼ午前中に行って帰ってこられる。

石巻駅6:51--(JR小牛田乗り換え)--7:39松山町・・・8:07一ノ蔵工場・・・8:25高寺山8:30・・・8:37絹掛・・・8:50石ノ宮9:00・・・9:20花ヶ崎・・・9:55広岡・・・10:10松山酒ミュージアム10:45・・・羽黒神社・・・石雲寺(茂庭家霊屋)・・・11:20松山町駅11:24--(JR小牛田乗り換え)--12:12石巻駅

 時間に余裕があって、酒ミュージアム羽黒神社、石雲寺に寄り道したので、20㎞くらいは歩いたと思う。羽黒神社から尾根沿いに石雲寺に行く道だけはひどく荒れていたが、それ以外はとても快適。特に一ノ蔵の工場から石ノ宮へと延びる林道は、ほとんど起伏もなく、時折視界の得られる本当に気持ちのいい山道だった。ここを走って時間が稼げたおかげで、旧市街に寄り道ができた。
 高寺山の三角点は藪の中で発見できなかった。藪をかき分け、間違いなく数mの範囲までは行ったのだが、見付けられなかった。どうしても見付けたかったのに見付けられなかったというのではない。私はそこまで三角点に執着していないのである。どっちみち、眺望は利かない山だった。林道を挟んで、三角点があるはずの突起と反対側の突起に、「山神」と掘られた小さな石碑と、それを覆う祠が建っていた。絹掛には三角点がなく、標高点だけである。周りに牧場と畑が広がっていて、そもそもピークと言うほどのものがない。石ノ宮は、送電線の鉄塔のすぐそばにピークがあるおかげで、管理用の道が整備されていて、林道から外れている三角点も容易に見付けることができた。ただ、石ノ宮という妙な名前の由来はどこにも書いていないし、巨岩や岩場がある山でもない。
 松山町は、他の多くの町と同様、かなり寂れた感じがした。歴史ある町で、由緒あるお寺や神社もあるのだが、観光地化するだけのレベルにはない。逆に、散歩をするには落ち着いていていい、とも言える。結局、名酒「一ノ蔵」の城下町として、かろうじて存在感を保っているということだ。
 酒ミュージアムは小さいがこぎれいな博物館である(入館料300円)。松山町について(9分)と酒について(15分)の2本の映像作品がそれなりに面白かった。しかし、展示と映像上映が同じ部屋なので、入館者が私一人だからよかったようなものの、他に人がいたらお互いに迷惑だったかも知れない。酒の試飲ができるかと思ったら、なかったので少しがっかりした。
 ほどよい運動で爽快感がある。帰りの石巻線の列車でうとうとしたのも気持ちよかった。さて、次はどこへ行こうか・・・。