新聞記事の整理

 買い物に行ったり、人が来たり、家の中の掃除をしたり・・・と、ごく普通の年末を過ごしている。
 部屋の掃除で最初に取り組んだのが、机の周りに散らかっている切り抜いた新聞・雑誌記事の整理である。ごくまれにではあるが、平居はいろいろな資料をどのように整理しているのか?と尋ねられることがある。もったいぶるような話でもないので、少し紹介しておこう。
 切り抜いた新聞記事は、まずその記事と関係の深い本に挟む。例えば、今月13日に各紙に載った佐藤蛾次郎氏(享年78)の訃報は、一番大きかった河北新報のものを井上ひさし監修『寅さん大全』(筑摩書房、1993年)の258頁、佐藤蛾次郎演じる源公が紹介されている所、一昨日の毎日新聞に載った「没後40年のグールド」という記事は、我が家にある唯一のグールド伝、ジェフリー・ペイザント『グレン・グールド』(音楽之友社、1980年)といった具合だ。訃報を含む渥美清に関する記事は、彼が死んだ時に出た雑誌『アサヒグラフ』や『週刊読売』の増刊号に挟んであるので、『寅さん大全』にはないが、『グレン・グールド』を開くと、2002年11月26日の朝日新聞に載った吉田秀和による没後20年の記事や、2007年5月13日の「グレン・グールドは終わらない」という同紙記事が挟んである。こうしておくと、その本を手に取った時、関連する資料がすぐに見られることになる。
 また、例えば今月11日の毎日新聞に、『地球の歩き方』編集長の大きなインタビュー記事が出た。我が家には50冊以上の『地球の歩き方』があるが、特定の巻と結びつかない『地球の歩き方』それ自体を話題とした記事(資料)は、我が家にある最も古い『地球の歩き方』、すなわち1982~83年版『インド・ネパール』に挟むと決めてある。今回の記事で4枚目だ。
 このような保存ができない記事(圧倒的に多い)は、このブログのカテゴリーのように、分野別にわけて、インデックスを付けたクリアファイルに入れ、書架にまとめて立ててある。私が設定しているカテゴリーは次の通りだ。なお、自分の専門である中国に関する記事は別枠としてあるのだが、ここでは省略する。
「芸術」「交通」「スポーツ」「政治」「経済」「農水産」「大学・研究者」「科学」「デジタル」「教育(労働)」「教育(管理)」「教育(その他)」「部活」「国語・文学」「蔵王」「学術会議」「憲法」「少子化」「人物」「食糧」「司法・警察」「民主主義・選挙」「表現の自由」「医療・病気」「慰安婦」「学ぶ」「教科書問題」「プラスチック」「温暖化(現象)」「温暖化(対策)」「温暖化(国際会議)」「温暖化(その他)」「温暖化(2022年)」「生活環境・景観」「コラム」「メディア」「書店」「歴史」「地域」「難民」「発達障害」「技術」「訃報」「コロナ」「国際紛争」「国防」「その他」
 最初からどう分類しようかと考えて分けたわけではないので、場当たり的に増える。「コロナ」「国際紛争」「国防」は最近加えたものである。温暖化関係の記事は多く、しかもどのカテゴリーに分類したらよいか分からないものが多いので、今年はついに分類を諦め、「温暖化(2022年)」と一括した。他の分野についても、いくつかのカテゴリーにまたがるような内容のものは少なくない。割り切ってどれかに決めるしかない。
 大切なのは、これらを、年に一度、だいたい8月頃に全て出して、更新する(保存し続ける)かどうか取捨選択することである。無限に増え続けるのも困るが、手間を惜しまず、年に一度どのような記事(資料)があるか再確認し、ぼんやりと「見たことがあるぞ」程度の記憶でも残さなければ、結局、保存していることも忘れてしまい、何かの時に使えない。
 その昔、国際教養大学長をしておられた高名な現代中国学者中嶋嶺雄氏が、毎日毎日『人民日報』等の記事を整理するのが大変で、何とかこの作業から解放されたい、みたいなことを書いているのを読んだことがある(その記事は取捨選択の結果?手元にない=笑。新聞・雑誌記事ではなかったかも知れない)。毎日厳しいトレーニングに励むスポーツ選手にも同様の思いはあるだろう。新聞記事等の切り抜きと格闘していると、私もよく似た思いを抱く。だが、情報を蓄積し、それに基づいて何かを考えようと思えば、絶対に避けることのできない作業であると思う。その納得があるからやっていられる、ということなのだろう。
 いずれ、私の情報整理について、新聞記事以外についても書くことにしよう。