NIEに関すること三つ



(5月24日付け学級通信より・続)


【NIE(Newspaper In Education=教育に新聞を!)についての三題】

1)学級日誌の自由記述

 せかっく教室に毎日新聞が届くので、今年初の試みとして、週番の諸君に、クラス内でのくだらない珍言奇行ではなく、その日の新聞記事をネタにして学級日誌の感想欄を埋めて欲しいとお願いしたところ、予想に反して(笑)しっかり実行してくれている。感心、感心。

 しかし、記事の選び方については相当な偏りがあって、記述のあった26日中、楽天イーグルスの試合結果に関するものが10日、北朝鮮関係が3日、他はバラバラという状況であった。しょせん内容次第なので、記事は何を選んでもよいのだが、やはり楽天の結果についてのものは、新聞を読まなくても書ける程度のものが多い。よく言うことだが、これも一つのチャンスである。日頃手にすることのない新聞を手にするわけだから、多少の背伸びをしてみよう。そうすれば、もっともっと広い世界が見えてくる。


2)「天声人語」書き写しに表れた変化

 出張による課題の時間に、「天声人語」に取り組んでもらった。50分で書き切った生徒が8割に達すること、誤字がとても少ないことに驚いた。1年生の「書道」でやると、書き切れる生徒が2割で誤字だらけだから、諸君でも(笑)成長しているのだと感心した。一方、タイトルを付けるのは「難」だったようだ。高校を卒業するまでに、読み取りも出来るようになるといい。


3)新聞社のNIE担当者からもらったメール

 既に2ヶ月も前のことになるが、河北新報社で教育プロジェクト(NIEはその一部)を担当するTさんという方が、定年退職を迎えるということで、挨拶のメールを下さった。なかなか印象的なメールだったので、この機会に、一部ではあるが紹介しておこう。

「小中の学校現場に比べて、高校生の授業中の覇気のなさに、危機を感じています。

どこの高校に行ってもそうです。小中で培った学習態度や能力はどこへ行ったのでしょう。

私は、NIEが高校生の勉学姿勢を変えられるのでは、と思っています。

自分を表現できる言葉や文章を獲得できること。社会を見つめる目が養われ、発言できること。

昨年の新聞記事コンクールの最優秀賞は、泉高校(NIE研究校)の女生徒が書いた「震災以降に感じること」でした。社会への発言ができる生徒が育っています。

こうしたことはNIE実践の中で、養われていくと信じます。

NIEは新聞社の営業だという意見があります。その側面も否定しません。

かつては家庭で父母が新聞を読む姿が普通でしたが、今は、そうした習慣が少なくなり、子供たちは新聞(=文章)を読むという家庭学習がないまま、大人になっていきます。

せめて学校で、そうした習慣が身に付けられないか、NIEを学校で取り組むことの意義を感じます。

高校をスマホ遊びの場にしてはいけません。」