2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

佐々木投手問題について

高校野球甲子園予選の岩手県大会決勝で、佐々木投手が登板しなかったことが大きな話題になっている。彼が出たら勝てた、では必ずしもないにもかかわらず、まるで彼が出なかったから負けた、とでも言うような雰囲気だ。学校には250件を超える苦情の電話が…

中村稔『高村光太郎の戦後』をめぐって(続)

中村稔氏の研究は、「王道を行く」というような風格がある。それはどういうことかというと、先行研究を一切気にすることなく、光太郎と茂吉を比較するなら、ひたすら彼ら自身の、もしくは周辺に生きて関係した人々の文章だけを読み込み、それによって論を為…

中村稔『高村光太郎の戦後』をめぐって

先週土曜日の朝日新聞の書評で、中村稔『高村光太郎の戦後』(評者:石川健治。青土社)という本を見つけた。その直後に仙台市内の書店に行ったらあったので、この3日ほどかけて読んだ。 昨年、中村稔『高村光太郎論』(青土社、2018年7月)については…

NHKの変質

昨日、今回の参議院議員選挙との関係でN国(=NHKから国民を守る会)という存在について触れた。その際、「NHKという放送局に、いろいろと問題があることは私も承知しているつもりである」とも書いた。 先日、親しい友人とこんな話をした。2人とも認…

参議院議員選挙雑感

参議院議員選挙が終わった。自民党が議席を10減らしたものの、公明党が2議席増やし、与党が改選議席の過半数を維持したことなどあって、与党が「負けた」という論調はない。紙面にはひたすら「勝利」の文字が躍る。私は、自民党がもっと議席を得て、維新…

ついに発刊!・・・『冼星海とその時代』

読者への報告が遅れてしまったが、先週、ようやく私の著書『中国で最初の交響曲作曲家 冼星海とその時代』(アルファベータブックス刊、356ページ、3780円=税込み)が、本の形になった。私の所には11日に届き、出版社からは、19日くらいから書店…

「我が祖国」=熱演<共感

昨日は、仙台フィルの第329回定期演奏会に行っていた。下野竜也の指揮によるスメタナ「我が祖国」全曲である。 指揮者によるプレ・トークの中で、下野氏は仙台フィルにおける「我が祖国」演奏史をたどった。それによれば、仙台フィルがこの曲(全曲)を演…

幻の新関温泉(4)

7月14日に、今年の祭礼に参加させていただいた話を書く。 あいにく強い霧雨が降る中、指定された時刻の30分前、一高山の会のSさん、TさんとともにSさんの車で9時半に賽の河原に着いた時には、志鎌さんは既に来ており、新関家の方も間もなくお見えに…

幻の新関温泉(3)

④ 石碑の「毎年7月15日の祭礼」とは? (湯殿山神社の石碑の写真を見せて)この「子孫者必7月15日祭礼行うべし」という文言を、発見者新関家8代目善八が残していますが、今でも毎年新関温泉跡に行かれていると伺ったのですが、本当なんでしょうか? …

幻の新関温泉(2)

② 新関家のルーツは高貴で名門 当主が新関家のルーツを話し始めた。 「祖先の吉綱は1368年に長野の奈良井で生まれ、1393年に山形の若木に流れ着きました。当時は長子が家督を継ぎ、舎弟は自分の主人を探して放浪したようです。長野は木曽源氏と奈良…

幻の新関温泉(1)

7月14~15日、仙台一高の井戸沢小屋に行っていた。例によって、静寂の中で大酒を飲もう、というのではない。「薪バイ」と言って、冬に燃やす薪をエコーラインから担ぎ下ろす労働が主目的である。もっとも、今年は「激しい霧雨」が降るあいにくの天気で…

「自由」は恐ろしい!

気がつけば1週間以上書いていない。旅行中を別にすると異常事態である。今回は特に理由がない。なんとなくおっくうだったのである。夕食とそれに伴う家事が終わったら、日によっては少し走りに出て、その後、音楽を聴きながらうとうとし始める、という毎日…

「一つのメルヘン」(補)

昨日まで、中原中也の代表作であり、なかなか解釈の難しい「一つのメルヘン」について、思うところを書いてきたわけだが、もちろん、授業ではこんな主観的な解説の押しつけはしていない。(1)に書いた程度のことを解説し、生徒がどんなイメージで受け止め…

「一つのメルヘン」(3)

この詩には、文体の問題もある。「~でありました」「~でした」という丁寧語は、独特の雰囲気を作り出している。この事に言及する人は意外に少ない。音楽性の創出(岡井隆)、物語性(指導書)といったあたりを見出すことができるだけである。 私は二つの可…

「一つのメルヘン」(2)

教科書には、教科書会社が作った「指導書」というものが存在する。授業をするための「虎の巻」というやつだ。その「一つのメルヘン」についてのページを見ると、驚くようなことが書いてある。 「主題:鉱物の結晶のような陽が射す無機的な河原に蝶が訪れると…

「一つのメルヘン」(1)

今、1年生で使っている「国語総合」の教科書に、中原中也の「一つのメルヘン」が載っている。もう一人の担当者(凡庸な国語教員ではなく、私が20年以上にわたって尊敬している大先生。既に定年退職されたが、今年講師で来てもらっている)と相談したが、…

まだ悩むだけの時間がある

(7月2日「Tr,平居の学年だより№12」より後編) 【立ち止まって考える・・・就職or進学】 昨日から、求人票の受付が始まった。それに先立ち、先生たちは手分けをし、卒業生が働いている会社、求人票を出してくれそうな会社を訪問した。その結果、今年も塩釜…

60歳代の29.4%!

(7月2日「Tr,平居の学年だより№12」より前編) 今週木曜日から参議院議員選挙が始まる。日本人は、政治の話が一般に嫌いなのだが、好き嫌いで考えていい問題ではない。誰もがその拘束から逃れられないからである。少子高齢化の進む今、少し考えてみよう…