2024-01-01から1年間の記事一覧

ジミー・カーター

年が変わるのを前に、ジミー・カーター氏の訃報が伝えられた。100歳。アメリカの大統領経験者の中で最高齢だったらしい。テレビのニュースで訃報に接した昨日よりも、数ヶ月から1年ほど前、何かの機会に氏がまだ存命であることを知った時の方が驚きは大…

反貧困への反論(2)

私は、雨宮、谷口両氏が言うような絶対貧困とも言うべき家庭が一定数あることは否定しない。何%なのかは知らない。しかし、最低限の食糧が買えるかどうかというレベルにおいては、間違いなく日本の絶対少数者だろうと思う。日頃から、貧困救済活動をしてい…

反貧困への反論(1)

毎日新聞で、反貧困活動家・雨宮処凛と法学者・谷口真由美による「ロスジェネ往復書簡」というのを連載している。月に一度かと思う。あまり真面目に読んでいるわけでもないし、先月以前の分を取ってあるわけでもないので、多少の誤解に基づくかも知れないが…

「一票の格差」についての後悔

年の瀬に、少し大きな「後悔」について書いておこう。 10月に出た拙著『実用「哲学する」入門』に、「一票の格差」についての文章が載っている。当時、衆議院小選挙区で最も大きな格差があったのは、東京1区と宮城5区で2.09倍であった。その格差は、…

「定義(じょうぎ)さん」へ行く

24日にようやく全校集会があり、昨日から冬休みとなった。そしてこの2日間、年納めとして家族で鳴子温泉に行っていた。 昨日は仙台市内に用事があったので、まずは石巻から車で仙台に出た。用事を済ませたのがちょうど12時。そのまま鳴子に向かうと早す…

なんと開設15周年!!

子ども達が帰って来てから2週間になる。生活の変化は非常に大きい。何と言っても驚くのは、食べる量だ。夫婦二人の時には、カレーを作っても豚汁を控えめに作っても、なかなかなくならなかったのに、今は、大きな鍋に作っても2日でなくなる。我が家では、…

今年の「中村哲」授業から

勤務先の高校は、今週日曜日から修学旅行であった。水曜日に帰って来て木曜日が振休。今日から3学年揃っての授業再開となった。もちろん、留年して1学年に所属している私は、付いて行っていない。 さて、修学旅行期間中は、今年も午前中4時間の特編授業。…

被団協のノーベル平和賞

被団協がノーベル平和賞を受賞した。発表があった10月11日から、既に授賞式も終わり、それに出席した被団協の代表が帰国した今に至るまで、私は一度もそのことに触れていない。いったい、平居は何を考えているのだろう?と少し(ほんの少し)気にしてい…

PIAACでおごらず

今月10日、OECDが「PIAAC(国際成人力調査)」の結果を発表し、各紙で話題になっていた。日本は31ヶ国・地域中、読解力で2位、数的思考力でも2位、そして状況の変化に応じた問題解決能力では、なんと1位だったそうである。どのメディアも「…

ラボとエコ

昨日取り上げた「ラボ」は、講師による1時間のお話の後、懇親会となる。チラシには「軽食とドリンク1杯付き」と書いてあるのだが、アルコールも含めて、実際にはほぼ食べ放題、飲み放題に近い。「食べ放題」は言い過ぎであるとしても、「飲み放題」はほぼ…

ガンビール・ブームの謎を追う(ラボ第35回)

昨晩は、私がS先生とともに主催している一般市民向け教養講座「ラボ」の第35回であった。今回の講師は石巻専修大学准教授・西川慧(にしかわ けい)氏、演題は「ガンビール・ブームの謎を追う ~ 嗜好品のグローバリゼーション」であった。分野としては、…

「本質議論」は必要だが・・・

今日は冷たい風の吹く寒い一日だった。午前中、例によって牧山に走りに行ったら、ところどころではあるが、うっすらと雪が積もっていた。真っ青な青空が広がっているのに、山中で会った人はたった二人。これだけ寒ければ、まぁ、仕方がない。 さて、一昨日の…

キラキラと輝く表情

東急大井町線には、浄心寺参道の入り口に九品仏という駅がある。にもかかわらず、私たちが電車に尾山台から乗ったのは、トットちゃんが「飯ごう炊さん」に行ったという等々力(とどろき)渓谷にも寄ってみたいと思ったからである。しかし、九品仏から尾山台…

初東急で「トットちゃん」

非常に珍しく、平日に1日半も学校を休んで、東京に行っていた。たまたま妻が東京に出張する予定があったのと、ある会社の見学をお願いしたところ、この日ならと日程の調整が出来たので、無理矢理授業を動かして出掛けたのである。なにしろ、今年は16時間…

まさか!ブロムシュテッド

日曜日に録画していたNHK交響楽団第2019回定期演奏会の録画を、ようやく見ることが出来た。御年97歳のブロムシュテッドがまさかの登場である。昨年転倒によるケガだか発熱だかで来日をキャンセルした時、まさかもう一度来日が実現するとは思わなか…

オールドメディア

兵庫県知事、もしくは兵庫県知事選挙に関する問題がまだ尾を引いている。私の考えは、今の時点でも、先日の本ブログ記事に対する某兵庫県民のコメントに返したコメント(→こちら)の通りで、何が本当かはまったく分からない。私が今なお兵庫県民だったとして…

びっくり!!戒厳令

昨日、韓国で戒厳令が発令されたというニュースを見て驚いた。私の感覚でいえば、戒厳令というのは、本当に国の存亡に関わるような時に発令されるものである。北朝鮮やロシアが攻撃を開始したというわけでもないようだし、韓国国内で危機的情報が発生しつつ…

矛盾する生命

授業で教えるのは「言語活動」、すなわち書いたり話したりである、という思想の下、現行の学習指導要領で新設された「現代の国語」という科目の教科書には、「言語活動」のきっかけと位置づけられた、腐臭がしそうなほどくだらない文章ばかりが並んでいる。 …

極端な猫派

今日は、午前中に牧山RUNに行った。思ったほどいい天気ではないが、雨の心配はなく、紅葉が見頃で、山の中を走るには実に気持ちのいいコンディションだった。なんとびっくり、山中で12人の人と会った。牧山は石巻の「市民の森」で、実に快適な風情あふ…

それはそれ、これはこれ

COP29が閉会した。温室効果ガスの排出抑制よりも、温暖化によって被害を受ける発展途上国への資金援助がより重要な論点だったように見える。温室効果ガスの排出抑制に関して、日本は常に批判される側だ。見ていれば、当然のことだろうと自然に納得でき…

最後のコバケン

昨日は、今月2回目のアマチュアオーケストラ演奏会に行っていた。しかも、また妻と、である。仙台市民交響楽団の創立55周年記念演奏会とやらで、トヨタ自動車の冠付き。なんと指揮は小林研一郎、ピアノが牛田智大という豪華版(指揮者とピアニストの年齢…

憂いは続くよ(兵庫県知事選挙)

兵庫県知事選挙の結果が出た。前職が当選ということについては、さほど意外な感じがしない。何しろ、選挙の準備期間が短く、新人の名前が浸透しない上、候補者乱立で票が割れることは必然だったからだ。もちろん、私は、以前書いた通り(→こちら)、部外者と…

辻本玲の「ロココ」(予告も兼ねて)

今日は、我が家に工事が入っているので、無理をして仕事を休んだ。そして朝から、昨晩録画してあったNHK交響楽団第2018回定期演奏会(9月27日)の前半を見た。前半と言っても、曲自体は20分に満たない。尾高忠明指揮、辻本玲独奏、チャイコフス…

週末の船

金曜日、朝のルーティンで洋上の船をチェックしたら、軍艦が目に止まった。すらりとした海上保安庁の艦艇とは違う、いかにも軍艦といった容貌の船である。少し遠いこともあって細部が見えないし、そもそも自衛隊の様々な艦艇の形状が頭にインプットされてい…

『実用「哲学する」入門』その後・・・

拙著『アリストテレスもヘーゲルもサルトルも出てこない- 実用「哲学する」入門』が刊行されてから1ヶ月が経った。私が送った方からは、あれこれとありがたい感想をいただいたりしているが、書評が出たり(これはまだ早いかも)、どこかの通販サイトにレビ…

判定を外部化せよ

日本の学校が「まるごとの人間関係」に陥る原因として、もしくはそうなることを回避できない一つの心当たりがある。それは、授業担当者が、全面的な評価者でもある、ということだ。 評価とは、単に点数を付けて人間を序列化するというものではなく、学習者の…

丸山真男と学校

私が言うような学校改革が出来ないのはなぜか?ズバリ、壁は日本人の国民性である。先日の記事(→「制度と精神の矛盾」)と重なり合うが、ドライで機能的な人間関係を作ることが出来ないのだ。 再び、丸山真男の「『である』ことと『する』こと」にご登場願…

教員の残業削減案

私の風邪もだいたい一段落。天気もいいので、今日は2週間ぶりで牧山runに行った。病み上がりなので、自転車で上り口まで行き、歩いていつものコースを一周しようかとも思ったが、なんとなく大丈夫そうだったので、自宅から少しゆっくりめに走った。 紅葉…

ロシア大統領への「お言葉」

一昨日の河北新報国際面で、共同通信社配信の小さな小さな記事が目に止まった。6行×2段で幅3㎝弱という本当に小さな記事で、しかも、周りの記事に比べると活字も小さい。「ロ大統領に陛下『お言葉』」という見出しが付いている。 記事によれば、新しい駐…

憂いは続くよ(米大統領選挙)

今日はアメリカの大統領選挙について。 結果が出るまでに数日かかるかもしれないと言われていた選挙は、信じられないほど早く決着が付いた。私がこれを書いている時点で、まだ2州の結果が確定していないようだが、それでも、トランプ氏が295人の選挙人を…