2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「還暦」考(2)

さて、中国語に「還暦」という言葉がないようなので、『日本国語大辞典』(新版)を引いてみた。すると、「還暦」の出典として書かれている最も古い文献は、『音訓新聞字引』(1876年)である。この本は、国立国会図書館の「デジタルコレクション」で実…

「還暦」考(1)

今日は私の誕生日。なんと「還暦」である。紆余曲折ありながらも、なんとかこの歳まで人並みの社会生活ができているのはありがたいと思いつつ、この10年ほど、歳を取るのはなんとなく愉快でない。それに従って心身が衰えるだけでなく、社会的制約も大きく…

「あなたの判断はいつも正しかった」

昨日、安倍元首相の「国葬儀」というものが行われた。4200人が出席したらしい。事前に、欠席連絡が相次いだので、政府は追加の招待状を付け焼き刃的に相当数発送したというような報道がなされていたが、それをもってしても、なお当初の予定より参列者が…

すばらしき日曜日

朝起きたら、素晴らしい秋晴れが広がっていた。あぁ、こういう日は山にでも行きたいなぁ、と思ったのだが、何しろできるだけ石油を使わない生活、である。泉が岳にしても、禿岳にしても、たいていの山は車でしか行けないので、私にとっては対象外である。し…

台風の休校判断

今日は秋分の日。季節の変わり目である。台風14号がやって来る直前だった月曜日はひどく暑く、しかも、風が強くて窓が開けられないものだから、これだったら、35℃でも、窓を全開にできる時の方がまだよかったなぁ、台風が南の気団を運んできたら、もっと…

「国葬儀」の怪

数日前の記事に書かれたコメントに気付いている人などほとんどいないだろう。 9月7日の「国葬に表れたもう一つのゆがみ」という記事について、ある読者の方から、「国葬は葬儀ではありません。」という短いコメントをいただいた。「国葬」の「葬」は「葬儀…

宇宙とダークマターと命と神

有名な話、「文明は人間を堕落させる」は、30年来の私の口癖である。とにかく、便利なもの、楽をさせてくれるものに対しては、敵意にも近い疑いの目を向けている。便利や楽と引き替えに、人間は固有の能力を退化させていく。 そんな私も、実は、テレビを見…

戦争倫理学

日曜日の毎日新聞「語る」欄に、東京工大教授・真嶋俊造氏への大きなインタビュー記事が載った。「戦争倫理学」の専門家らしい。記事によれば、戦争倫理学とは、戦争がなぜ悪なのかを倫理学的視点で考える学問である。へぇ!驚いた。戦争がなぜ悪かは、倫理…

偉大なり、村神様

ヤクルトスワローズの村上宗隆選手が、昨日、日本人タイ記録となるシーズン第55号のホームランを打った。我が家には「野球小僧」がいるので、大騒ぎだ。 私が見ていても、すごいなぁ、と思う。厳しいプロの世界で、高い技術と知恵を持つ投手の球を、あれだ…

ガッテン!8年8ヶ月の違和感

安倍元首相の国葬に関して、その正当性に関し、自民党から必ず出てくるのは、まず第一に「憲政史上最長の8年8ヶ月も首相を務めた」という実績だ。 私は、この話を初めて聞いた時から、この理由にひどく違和感を感じてきた。しかし、自分がなぜ違和感を感じ…

理念なき石油補助金

先週末、現在1リットル当たり35円も(!!)支給されている石油補助金が、今年末まで延長されることになったという報道が出た。官房長官なり首相なりが事情を詳しく説明したのかも知れないが、私は聞いていない。新聞記事を読む限りでは、その説明の杜撰…

立ち枯れるアオモリトドマツ

昨日から、仙台一高井戸沢小屋に行っていた。築後50年が経過して、井戸沢小屋も老朽化が目立つ。構造物そのものにはあまり問題がないことから、今月末、少し大きな改修工事を行うことになった。その下準備として、小屋内部の物を移動したり、粗大ゴミと言…

エリザベス女王

昨夜、エリザベス女王が医師の管理下にある、チャールズ皇太子夫妻は既に駆けつけ、その他の親族も女王の下に向かっている、というニュースを見た。そして、今朝起きたら既に亡くなっていた。96歳ともなれば仕方がない。即位70周年の式典に、自らの在位…

国葬に表れたもう一つのゆがみ

まず最初に「懺悔」をしておこう。 7月初旬に、安倍元首相が殺された時、私はそれを「勘違いによって殺された」と書いた(→こちら)。ところが、実際には「勘違い」どころではなく、正に怨みを持つべき理由があったのだ、ということが日々明瞭になってきた…

我が家の不味いカボチャ

今日、今年初めて我が家の庭でカボチャを収穫し、ジャガイモの代わりにカボチャを入れたシチューを作った。残念ながら美味しくはないが、それでも気分がひと味違う。 美味しくないのも仕方がない。理由は二つある。丹精込めて作ったカボチャではなく、生ゴミ…

バイオマス発電所に当たり前の壁

毎日新聞では、「気候革命」という連載をしている(おそらく不定期)。一昨日は、バイオマス発電を特集していた。第1面4分の1と、第3面半分という巨大な記事である。見出しは、「バイオマス発電 岐路」(第1面)、「輸入頼み 燃料争奪戦」(第3面)だ…