哲学

山本直純のこと(2)

拙著『冼星海とその時代』が刊行されてから間もなく1年になる。タイトル通り、その本の中で、私は冼星海(しょうせいかい 1905~1945年)という作曲家の生涯と、彼が生きた時代状況とを考察した。中国国内に共産党と国民党との対立がありながら、外…

新生活様式への違和感・・・河北新報掲載の拙文

今日の河北新報「持論時論」に、私の文章が載ったので紹介しておく。見出しは新聞社が付けることになっているので、どうなるかな?と心配していたが、「『新生活様式』への違和感 人間関係への影響危惧」となっていた。そのものズバリ。悪くない。 「物事と…

修学旅行の準備を始めるよ

(2020年6月6日付「学年だより№49」より②) 【修学旅行の準備を始めるよ】 今日はちょうど修学旅行開始6ヶ月前。本来であれば、普通科は既にクラス別研修の計画を終えていた時期だ。 お金のことなどもあるし、早くも明日からビジネス科の調べ学習が…

産業構造転換のチャンス

学校が始まって1週間が過ぎた。始業時刻を1時間遅らせ、40分×6コマという変則形ではあるが、5月末の駆け込み通知で「クラスを2分割」はせずに済み、全員マスクという以外には違和感のない新学期になっている。出席率も上々。生徒たちは、何事もなかっ…

学年目標(2)

(6月1日付け「学年だより№48」より③) ⑥ 人の気持ちを思いやり、円満な社会生活ができるようにする。(「己の欲せざる所、人に施すこと勿れ(自分がされたくないことは人にするな)」という言葉は、『論語』に2回繰り返して出てくる道徳の原点である。…

学年目標(1)

理由は憶えていないのだが、昨春「学年だより」を発行し始めた時は、最初の4枚を公開していない。したがって、年度当初、生徒に提示した「学年目標」も公開していなかった。今年はそれを2回に分けて公開する。 (6月1日付け「学年だより№48」より②) …

すさむ心について

授業のない(=生徒が来ない)学校で何をしているのか?と言われれば、答えに窮するのだが、なんだか疲れる。会議はほとんど毎日ある。会議で最も頻繁に耳にする言葉は「今のところは」だ。「おそらく」「かも知れません」「だろうと思います」といった表現…

全ては大人から始まる

学校内のみならず、あちらこちらで「最近の子どもは」とか、「今時の若者は」という言葉を聞く機会は多い。もちろん、そのほとんどが否定的文脈でだ。確かに、高校教員などをしていると、学力や自治的能力を中心として、高校生の「実力」は右肩下がり。とに…

苦虫をかみつぶしたような顔で(2)

一読して、腹が立つと同時に情けなくもなった。これを読んだ職員が、私以外にも何人か憤慨している。一応内部文書だと思うので、原文をそのまま紹介することはしないが、文面の雰囲気が伝わるように要約すると次のようになる。「全国的に見れば多くの自治体…

苦虫をかみつぶしたような顔で(1)

宮城県教職員の在宅勤務については、先日少しだけ触れた(→こちら)。翌日学校に行くと、午後から臨時の職員打ち合わせだという。 打ち合わせでは校長から説明があった。土曜日に耳にしたとおり、出張扱いなのだそうだ。まぁ、それはいいとしても・・・手続…

年度の始まりに当たって(学年主任談)

我が家でさえ桜が開花したくらいである。塩釜神社では、名残の梅も含めて、既に花が咲き誇っている、という感じだ。 さて、今日から新学期。私の勤務先の近くでも新型肺炎の感染者が出、仙台市内ではクラスターも発生したし、大崎市では医師が感染し、しかも…

あっぱれ、シンガポールの教育

世の中(特に政治)で起こっていることがあまりにも下らないので、最近、あまり社会的な問題に触れていない。ちょっと2月29日の朝日新聞記事に触れておこう。「多事奏論」というコーナーで、書いているのは編集委員の山脇岳志氏。見出しは「シンガポール…

インフルエンザと肺炎

今日は3月13日。今年、東日本大震災の発生した日に記事を書かなかったのは、書かなかったことの意味を考えてもらうとけっこう。日頃、このページを開いてくれている方には分かるだろう。ちなみに、震災について私がどのように考えるか気になるという人は…

図らずも終刊

(2月28日付け「学年だより№40」より) 先週土曜日の新聞で、右のような訃報が目に止まった(ブログ用の注:2月22日河北新報の池田正穂氏訃報貼付。そこに、事件の概略も書かれているので、以下は記事にない点についての補足)。諸君は「第五福竜丸…

休日が多すぎる

どこの学校でも同様だと思うが、私の勤務先でも今、来年度の予定表というのを作っている。なかなか大変な作業だ。 3年生は、生徒が選択した進路に応じて、多忙のピークが異なる。私の勤務先のように大学進学も就職もいるという学校は大変だ。多忙のピークが…

桜を見る会

石巻の今日の最低気温は-4.7℃、最高気温は-0.1℃。わずかに0.1℃分だけながら真冬日であった。やっと冬だ、という気になる。雪もほんの少しだけ降り、うっすらと白くなった。 一方で、日はずいぶん長くなった。6時15分過ぎに自宅を出る時には、…

物を大切に使う文化を!・・・県美術館移転について

一昨日、「学年だより」の裏面に、宮城県美術館の移転についての新聞記事を貼り付けた旨書いた。生徒が相手のプリントで、生徒には自分で是非を考えて欲しいので、あえて私自身の思いは書かなかった。この場に書くことにしよう。 他県の方にはよく分からない…

衝撃の年始(C・ゴーン編)

年末年始の報道で、私にとって衝撃的だったのは、おそらく他の多くの人と同じだと思うが、保釈中のカルロス・ゴーン氏が出国(逃亡)に成功したことと、アメリカによるイラン軍司令官の殺害であった。多くの人が言及していることなので、私ごときが付け加え…

少子化の中で哲学

いつぞや書いたことなのだが、私が教員として何をライフワークにしているかといえば、それは生徒に「哲学」を教えるということである。自分の担当教科が何か、ということはさほど問題にはならない。 では、「哲学」とは何かと言えば、「それって本当なの?」…

「夢」は何ですか?

(12月9日付け「学年だより№29」より①) 2年生の修学旅行もあっと言う間に終わり、また「日常」が戻って来た。2週間あまり前、№27で、塩釜神社で最も紅葉の遅い七曲り坂下り口のモミジが間もなく盛り、ということを書いた。ところが、「間もなく」…

「本を読む」or「本に読まれる」

(10月8日付け「学年だより№25」より②) 少し前の話になるが、9月の丸々1ヶ月間をかけて、私は普通科の夏休み課題「読書記録」(=簡単な感想文)約300枚をせっせと読んだ。私は、諸君の感想以上に、本の選択に関心があった。もちろん、千差万別な…

「フラの歴史」または「人文知の価値」・・・ラボ第20回

昨日は「ラボ・トーク・セッション」の第20回であった。講師は石巻専修大学助教の目黒志帆美氏、演題は「フラの歴史から浮きあがるアメリカの姿」。なにしろ、社会人生活を経て大学院に進まれた方なので、大学院を出てから4年というイメージの「若さ」で…

教員の専門性

今日の毎日新聞「教育の窓」欄に、「教員を魅力ある職業に」という記事が出た。OECDのシュライヒャー教育・スキル局長が来日して、パネルディスカッションを行ったことに基づく記事だ。 棒グラフが添えられている。「教師の専門性が社会で評価されている…

相変わらずもやもや

我が家では、ほぼ当初の予想どおり、台風によるダメージはほとんどなかった。風雨はそれなりに激しかったが、その音で眠れないということはなかった。しかし、朝起きてみると、眼下に広がる南浜町(建設中の復興祈念公園)が海のようになっていた。防潮堤の…

京アニの実名報道

京都アニメーションという会社が放火され、35人もの方が亡くなった。遺族の中には公表を望んでいなかった方も多く、亡くなった方の全ての実名が公表されたのが8月2日、すなわち事件の40日後になったということで、公表の是非や時期について議論が尾を…

偉いぞ、東スポ!

9月11日(水)に日刊スポーツのネット配信記事で知った話だが、中日のドラフト1位新人・根尾昂選手ほか1名が、信号機のある横断歩道を渡らず、離れた地点の道路を渡り、それを目撃した市民から球団に連絡があったため、球団が所轄警察署にも届けた上で…

焼き直し「戦争の教訓」

(2019年8月27日「学年だより№16」より) 前回裏面で少し触れた通り、8月は2回の原爆忌、終戦記念日がある「歴史」学習月間とも言うべき月である。新聞でもテレビでも多くの特集が組まれる。東日本大震災の被災地では、よく「津波の教訓」という…

娘と原爆の是非を考える(2)

私は娘の混乱と沈黙を、ある種の痛快感をもってしばらく眺め、娘が答えを出せないのを確かめた上で話を続けた。 「アメリカが日本に原爆を落とすというのはそういうことなんだよ。アメリカはAを助けようとしたんだ。ある意味で当たり前だろ?敵の10万人の…

娘と原爆の是非を考える(1)

昨晩は町内会の夏祭り(盆踊り)であった。なにしろ、近所付き合いというものがほとんどない、まるで大都市のマンションのような地域である。ご近所さんと路上ですれ違う以上の付き合いをすることは、ほとんど年に1度、この時しかない。貴重な場である。し…

戦争の教訓(教訓は普遍化されなければならない)

戦争の反省は戦争にだけ生かされるべきものでもない。なぜなら、全ての行為は、等しく「人間」から生まれるのであり、すると当然、「人間」の性質を反映するからである。 私は被災地に非常に冷たい被災地の住人である。そんな私が最も冷たい目を向けているの…