哲学

選挙民の自業自得

いつぞや、我が家から徒歩10分以内の所にクマが出た、ということを書いた。昨日の夕方には、ついに、徒歩3分くらいの所に出たらしい。もっとも、目撃証言は少しあやふやで、本当にクマかどうかは分からない。目撃情報はまれで、その間、クマが一切人の目…

授業の「記号接地」

今井むつみ『学力喪失-認知科学による回復への道筋』(岩波新書、2024年)を読んだ。今井むつみは、元々有名な認知科学者ではあったが、一昨年『言語の本質 ー ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田喜美と共著、中公新書)が大ブレークして、より一…

とても重い1日(新人大会・連立解消・戦後談話)

こんなものを更新すると、えっ?もう新人大会から帰ってきたの?と言われそうだ。だが、実際にそうなのである。 金曜日に高体連登山専門部からメールが届いた。「雨と気温の低下が予想されていて、『新人』にとっては厳しい条件になる。大会を1泊2日に短縮…

『実用「哲学する」入門』発刊1周年

明日10月10日は、拙著『アリストテレスもヘーゲルもサルトルも出てこない 実用「哲学する」入門』(花伝社)発刊1周年である。明日は登山の新人大会に行っていて記事が書けないので、今日、そのことに触れておこうと思う。 おそらくこの本は売れていな…

二人の女性市長をめぐって

前橋市長のラブホ問題がかまびすしい。これがなぜ大騒ぎするに値するほど悪いことなのだろうか? そこで「男女の関係」があろうがなかろうが、至って私的なことである。相手の男が市に出入りする業者で、この「男女の情愛」に基づいて便宜を図っていたという…

日本国憲法前文に魂を!

どの新聞でも、日本政府がパレスチナ国家の承認を見送ったというニュースが、それなりの大きさで報道されていた。この問題についてどう考えるべきだろうか? 現在、イスラエルがパレスチナのガザ地区に侵攻し、町を破壊するとともに6万5千もの住民を殺害し…

もう一度だけ、土葬問題

宮城県では、来月、県知事選挙が行われる。現職の村井氏が6選を目指していて、それを阻止すべく、既に3人が名乗りを上げ、2人が検討中だという。 争点のひとつに土葬問題がある。河北新報では、7日(日)に知事選の論点として、この問題を取り上げていた…

学問の力とは?(食糧生産力と人口)

先週金曜日(22日)の毎日新聞「オピニオン」欄に、歴史人口学者・鬼頭宏氏のインタビュー記事が載った。1面の3分の2に及ぶ大きな記事である。見出しは「人口減少時代の生き方」となっている。以前から人口問題に強い問題意識を持つ私は、興味津々で読…

真冬のNZへ(4)・・・学校のこと

最後に、高校について書いておこう。 一昨日(2)に書いたとおり、愚息の通う公立高校(面倒なので、以下A高とする)は、5学年で3500人が在籍している。共学で、制服もある。 5学年というのがどういうことかというと、NZでは5歳になると学校に行…

モラルの全て

私は昨年から町内会の防災部長という役をしている。「防災」というのは苦手分野で、「各自で考えて身を守れよ」という式の人間なのだが、おそらくは町内会長が、平居にも何か職を与えて町内会に引っ張り込もう、一番負担が軽そうなところで防災部長ならいい…

イランと原爆

もう語るべき言葉が見つからないので、イスラエルやアメリカがイランの核施設(と言われている場所=本当かどうか分からん)を攻撃した時に、私は何も書かなかった。イスラエルはその後、イエメンにあるフーシ派の拠点と言われている場所への攻撃も開始した…

却下します

4時間目の授業が終わって職員室に戻ったら、教頭に呼ばれた。見れば、手に西村尚也トリオ演奏会のチラシ(→こちら)を持っている。 昨年、西村尚也の演奏会をする時、前任の教頭から「校内に掲示を出そうと思ったら、きちんと回覧手続きを取る(=管理職に…

自分で運びなさい

ベタベタと蒸し暑い日が続いていたが、今日は青空が見えたおかげで湿度が下がり、なかなか爽やかな暑さだった。あぁ、夏がこうだと苦にならないのに・・・。 さて、昨日から2日間、勤務先の高校では体育祭だった。一方私は、今日の午前中、東部地区(塩釜、…

大学を責めるのではなく・・・

今は中間考査の最中。まったくデタラメな答案に悪態をつきながら、生徒が帰ってしまったがらんとした学校で、採点に精を出していた。 そんな時、ふと思い出したことがある。今年の4月半ば、財務省の財政制度審議会の分科会で、私学助成の見直しが提起された…

山の楽しさとは何か?

この3日間は県総体。例によって、私は登山大会の会場に行っていた。今年は、泉が岳(1172m)~北泉が岳(1253m)~水源(1000m)という変なコース。本来であれば、長倉尾根から三峰山、蛇が岳を越えて、旗坂に下りるはずなのだが、例年にな…

学校の中心

同僚が一人入院した。教員が入院したとなれば、すわメンタルか?となりそうだが、決してそうではない。昨日も学校で、咳がひどくてずいぶん苦しそうにしていたから、病名は聞いていないけれど、肺炎か何かなのだろう。とりあえず1週間くらいの予定らしい。 …

感覚的な「高いor安い」を越えて

今月13日、JA会長が「米は決して高くない」と発言したことが、あちらこちらで話題になっている。一般市民の声としてよく聞こえてくるのが、「いい気になるな」「一般市民の感覚とかけ離れている」みたいなものだ。しかし、幸いにして今回は、冷静な報道…

皇統の存続(補足)

天皇、もしくは皇室というものについて2回にわたって書いた。書いてから1日経った時、実は重大な視点の欠落があることに気がついた。 2017年6月に、私は日本会議の機関誌『日本の息吹』6月号を読んでいて、読者から投稿された次の文章に目を止めた。…

ド迫力!「皇統の安定」

先週木曜日(15日)の読売新聞は、ド迫力の皇室特集だった。皇室特集と言っても、今の皇族方に関するレポートではなく、今後、皇室のあり方をどうしていくべきなのかということについての社としての提言と、それに関する資料である。平日の全32面の朝刊…

順調!少子化の道

総務省が今月14日に、昨年10月時点での人口推計を発表した。外国人の流入によって、総人口は55万人減で踏みとどまったものの、日本人だけに関して言えば、89万人の減少となったことがあちらこちらで大きなニュースになった。 よしよし、だけど外国人…

偉大なり、ハーバード!

アメリカがますますメチャクチャである。「アメリカが」なのか「トランプ大統領が」なのかは判然としない。いずれトランプ氏は7700万もの票を背負っているのだから、「アメリカが」と言った方が、状況の深刻さはよく分かる。 テレビでトランプ氏の顔を見…

テロを否定するために(統一教会解散命令雑感)

今日は、どの新聞も宗教法人「世界平和統一家庭連合(以下、統一教会)」に対して解散命令が出たことをトップ記事で伝えていた。私は、その判断が妥当かどうかは分からない。だが、世間であまり言われない二つのことに触れておく。 一つは、宗教活動とはどう…

再び戦争倫理学

「戦争倫理学」というタイトルの記事が、かつてこのブログにあった。「かつて」と言うのは、その記事を『実用「哲学する」入門』に採録し、ブログから削除してしまったからである。 その記事は、2022年9月11日に毎日新聞に掲載された東京工業大学教授…

がんばれ村井知事

今日は3月11日。東日本大震災から14年目となる。私はいつも通り出勤し、午前と午後に大きな会議があって、6時過ぎに帰宅した。7時過ぎに変な音がするから外を見れば、市東部の渡波(わたのは)で花火を上げているのが見えた。遠いので美しいと言うほ…

気付くのは終わった後

3月になった。1日は卒業式で、今日は高校入試。その合間を縫って、2~3日、仙台一高山の会の有志6人で、追分温泉(→こちら)に行き、大宴会(?)を行った。明日からは、地獄のような採点業務。とにかく、3月は猛烈に忙しい月である。 もうひとつ、3…

二重の環境破壊

一昨年、北アルプスに行った時、室堂(富山県、標高2450m)にライブカメラというものが設置されていることを知った。今やありふれたもので、驚くほどのことではないのだが、私が驚いたのは、立山黒部アルペンルートが閉鎖された後も、ずっと中継が続い…

妄想と現実を峻別せよ(ウクライナ戦争3年)

ロシアがウクライナに侵攻を開始してから丸3年が経過した。停戦をめぐってトランプ=プーチン会談が近々行われるらしいが、ゼレンスキーやEU諸国が文句を言っているとおり、いわば第三者であるアメリカが、ウクライナを蚊帳の外にしておいてロシアと交渉…

まったく逆だよ

今日、石巻は、今シーズン初めての真冬日だった(2回目あるのかな?)。 今週、勤務先の高校は、今週、3年生の答案返却週間だった。ところが、インフルエンザやコロナが流行っているからというだけでなく、元々の怠惰に加えて緊張感の喪失といった問題があ…

見ない、見えない

「石巻は全国で最も気候のよい町だ」というのは、今まで散々繰り返してきた言葉である。今の季節は特にそう思う。全国の天気予報を見ていると、連日晴れているのは東京と仙台くらいなのであるが、その仙台よりも石巻の方が天気がいい。 今冬最強最長の寒波が…

高校授業料の無償化について

国会では、予算案をめぐって、久々に「攻防」らしい「攻防」が始まっている。数日前、予算委員会で、裏金問題で旧安倍派の会計責任者を参考人として招致するという議決をした際、自民党が「数の暴力だ」と憤慨していたのには笑ってしまった。つい4ヶ月前ま…