哲学

修学旅行の荷物をどうする?

(2024年3月22日「担任のお話」№37より) かなりきわどい人もいたが、変な温情をかけてもらうことなく、全員の進級が決まったことはめでたい。(おめでとう!!) ただし、赤点さえ取らなければいい、というものではない。与えられた学習環境を最大…

規則の自己目的化

今日、我が家でウグイスが鳴いた。昨年は4日、一昨年は12日だったから、決して早くない。そう言えば、天気予報で、今年は1月よりも3月の方が平均気温が低い、とか言っていた。初鳴きが遅めだったのは、そんなことも影響しているのだろう。ただし、今日…

ALS嘱託殺人判決について

そう言えば、3月5日に京都地裁で、「ALS嘱託殺人」裁判の判決が出た。翌日、新聞でその記事を見た時、私は目を疑った。なんと、懲役18年である。有罪になるだろうとは思っていたが、まさか18年もの懲役刑とは・・・。 数分後、なんだか変だな、と思…

「広い」と「正しい」

(2月28日付け「担任のお話」№36より②) 【電車が止まった!→学校に来る?or 来ない?】 木曜日に予定されていた考査が今週にずれ込んだのは誤算だった。たった10㎝余りの雪でも、電車が止まると高校は厳しい。朝8時の時点では、来た人だけ考査を実…

デジタル・ファシズム

この数日、異常に暖かい。日中は、外を歩くにもジャケットがいらず、少し歩けば汗ばんで、カーディガンさえ脱いでしまう。カッターシャツ1枚だ。我が家では、この数日、ストーブをつけていない。ウグイスが鳴き始めるのではないか?と思うほどだ。どんな夏…

叱る? or 叱らない?

(1月17日付け「担任のお話」№32より①) 冬休み中のことをふと思い出した。私は、高校ラグビー全国大会(花園)に関する新聞報道を見ていた。2回戦で宮城県代表の仙台育英が、大分代表の大分東明に0対74で負けたという記事だった。河北新報には「何…

子どもを大切に

(2023年12月14日「担任のお話」№29より②) 表面)12月6日付け石巻日々新聞より、「ダークマターって何もの ラボトーク参加者募集」を貼り付け。平居コメント)私の一般市民向け教養講座「ラボ」。一流の専門家の話は文句なしに面白いし、そう…

アナログはどこへ?

(2023年12月8日「担任のお話」№28より) 今日は太平洋戦争の開戦記念日。82年前(1941年)の今日、マレー半島・コタバルへの上陸と、ハワイの真珠湾攻撃とによって、あの無謀で悲惨な太平洋戦争が始まった。終戦記念日( 月 日←空所に適当な…

ニュージーランドの高校

この前の日曜日、ちょっとした事情で、ニュージーランドの高校関係者(日本人)とオンラインでお話をした。その中で印象に残ったことが3点あるので、紹介しておこう。 1:数学など、若干の必修科目はあるが、多くは選択科目である。好きなこと、得意なこと…

教育改革に関する複雑と単純

土曜日の午後は、仙台に名古屋大学名誉教授・現花園大学教授・植田健男氏の講演を聴きに行っていた。演題は「『21世紀教育改革』の行方と私たちの課題~コロナ禍以降の教育DXの展開」。 約2時間に及んだお話は決して分かりやすくなかったのだが、後から…

ゼロか100かではない・・・SODA問題

日本全国どこでもであろうが、とても暑い日がまだ続いている。石巻では、この2日間、夜にほんの少し気温が下がって、熱帯夜を脱したが、何しろ昨日の最高気温は36℃。今日はずいぶん涼しくなったなぁ、と思っていたら、33℃だったとか。昨日より3℃低いと…

富士山の無謀登山者

最近、新聞で毎日のように、富士山に無謀な登山を試みる人についての批判的な記事を目にする。3800m近い高山である富士山に、かなりの軽装で、宿泊や休憩も考慮せず、「弾丸登山」をする人が多いのだそうだ。日本人だけでなく、外国人にもそんな人が多…

「13位ショック」も同じ話

一昨日の新聞報道によれば、注目度が高い科学論文数(他の論文に引用された回数が各分野で上位10%に入る論文の数)で、日本は過去最低の13位に転落した。日本の上には韓国やイランなどといった国も入っている。資源を持たない国にとって、知的水準の低…

上意下達が活力を奪う

今年の人事院勧告が出た。国家公務員試験の受験者が減っていることに対する危機感を反映させたものだそうだ。あれれ、受験者が減っているとはどこかで聞いたような話だな、と思う。そう、教員採用試験についてよく言われることである。人事院は、初任給の引…

「永遠の命」を得る方法

私の作文には、たびたび『聖書』が登場する。私はクリスチャンではないが、『聖書』に描かれた人間の姿に強い共感を覚えることが多いからだ。よくこれだけ簡潔な表現で、人間という生き物の本質的な姿を描けるものだと感嘆する。 今までにも取り上げた福音書…

何に「不安や恐怖」を感じるか?・・・北アルプス番外編

一昨日、双六小屋の賑わいについて書いた。多くの人が食事をし、ビールを飲んでいた。CSで、私より少し遅れてきて、私の隣にテントを張った2人組は、テントを張り終えると「さ、飯食いに行くか・・・」と言って、小屋の方に行ってしまった。まるで、下界…

三度「ジェンダー平等」について

昨日から夏休みに入った。この2日間、石巻は一昔前の夏を思わせるいい夏日だ。気温も30℃に届かず、ほどほどに風があり、湿度も低くて、海が水平線までくっきりと見えている。こんな夏ならずっと続いてもいいなぁ。 女子サッカーのワールドカップ(W杯)…

防衛装備移転三原則の見直しに関して

昨年のロシアによるウクライナ侵攻以来、日本の安全保障政策も異常な早さで変化している。ついに、と言うべきか、与党内部で防衛装備移転三原則の見直しという話になってきた。 私は、今の政府(与党)のやり方に賛成していない。ただしそれは、国会を軽視し…

火葬は異常だ

今日の河北新報「持論時論」欄に、私の作文が載った。実は、わずか1ヶ月半ほど前、4月12日に少子化の作文が載ったばかりである。私は、このような作文なら3日に1本でも書けるのだが、新聞社にうっとうしがられると逆効果だと思って、年に1度以上は作…

マスコミの劣化

東京都江戸川区の中学校教員が、今年2月に人を殺したとして逮捕されたニュースが、連日報道されている。これは、生徒も教員も、現場にいる人たちにとっては衝撃的なニュースだろう。 私はかつて、「推定無罪」という司法上の原則について書いたことがある(…

悪貨は良貨を駆逐する(2)

(昨日の続き)さて、生徒による投票前、私がしたお話とは以下のようなものである。 「先日取ったアンケートによれば、自分で「関西をよく知っている」と思っている人は1人もいなくて、「知っている」が6人、「あまり知らない」が15人、「ほとんど知らな…

悪貨は良貨を駆逐する(1)

とは、額面が同じで質が異なる(例えば金の含有量が多いものと少ないもの)2種類の通貨があった場合、質の高い方をためこんで、低い方ばかり使うため、流通するのは質の低い方ばかりになる、という経済法則である。転じて、善人が小さくなる一方で悪人が幅…

土葬にも人口の壁

今日は朝から、石巻高校ワンダーフォーゲル部に付き添って、石巻市北部にある上品山(じょうぼんさん=466m)に行っていた。水沼という集落に車を置き、水沼山(みずぬまやま=347m)を経て、3時間あまりで上品山に着き、昼食の後、今度は水沼山の…

少子化の作文

今日の河北新報「持論時論」欄に、私の作文が載った。このブログの読者にしてみれば、何の新鮮味もない、いつも通りの内容である。ただ、とにかく少子化問題については、右から左まで解決させるべき大問題だという点で一致していて、私はそれを実に由々しき…

AIクライシス

年度末の本当は忙しい時期、離任式も欠席して、娘と京都・奈良に行っていた。一応「定年」ではあるが、来年度以降も再任用教諭という肩書きで、今とまったく同様に勤務を続ける私としては、辞令が切り替わるという「大人の事情」で、わざわざ離任者として紹…

WBCの余韻の中で・・・スポーツの立場

野球のWBCが終わった。準決勝、決勝については、私も時々テレビを見ていた。仕事の都合もあって「ずっと」というわけにはいかなかったが、不思議と、いい場面(準決勝の吉田のホームランとか、サヨナラ勝ちの瞬間、決勝戦の大谷の投球など)を見ることが…

前座のお話(卒業に際して)

書くのを忘れていた。3月1日、卒業式が終わると、保護者を交えてのHRとなる。私は卒業学年の担当で、土木システム科の副担任であった。式場から生徒が退場した後、保護者を会場(広い方がいいので、教室ではなく土木の製図室)に案内するのは副担の仕事…

いかがわしき「中立」

金沢市役所前の広場で護憲派が集会を開くことを市が不許可としたのは、「集会の自由」を定めた憲法に違反するとして市民団体が起こした訴訟で、昨日、最高裁が合憲判決を出した。なにしろ憲法判断である。それなりに重大問題と認識されていたらしく、新聞各…

不動の原点は「平等」

私が昨年9月末に還暦を迎えたこと、したがって、必然的に今年3月末で定年になる(ただし、再任用という形で雇用は継続され、生活は何も変わらない)ことについては、既に何度か触れた。 いよいよその瞬間が迫ってきたところで、この半月ほど、私は教員生活…

地形図の問題(2)

私が少年時代は、水色と黒の二色刷で、まだ全国が網羅されていなかった2万5千分の1地形図も、今や全国網羅はもとより、多色刷りとなって、なかなか見栄えがよくなってきた。しかし、使い勝手がいいかと言えば、私は安易に首を縦に振れない。昨日の問題だ…