2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

小林秀雄について(3)

前回書いたような、自分が生活体験の中からつかみ出した見解だけが信じるに値するという考え方は、自ずから抽象性を否定し、実感的、具体的な方向を指向するようになる。例えば、何かにつけて問題とされる次の一節。 「美しい『花』がある、『花』の美しさと…

「文化」についての種明かし

(2月25日付「学年主任だより№36」より②) 【復習:「最後の学年集会」で話したこと】 1・2年生の考査との関係で、副担の先生にほとんど参加してもらえなかったのは残念だった。一方、参加できた先生方は、それぞれいいお話をしてくれたと思う。私に…

発信は匿名が常識?

(2月25日付「学年主任だより№36」より①) このプリントにもかつて2~3度登場したことのある私の老母が、先々週の木曜日、自宅で転倒して起き上がれなくなり、金曜日にヘルパーさんに発見されて救急搬送され、そのまま入院となった。医師から、「もう…

小林秀雄について(2)

『本居宣長』は、たいへん立派な作りの重い本だ。箱から取り出すと、手触りがよく、目の粗い濃紺の木綿の布に金文字でタイトルと著者名が書かれている。副題が付いていないことで、なお一層風格が感じられる。表紙を開くと、見返しに奥村土牛の手になる山桜…

小林秀雄について(1)

最近、新聞の書評欄で見付けて浜崎洋介『小林秀雄の『人生』論』(NHK出版新書)という本を読んだ。実は、私にとって小林秀雄は中国近代史、明代思想史(陽明学)、高村光太郎、音楽史あたりに続く「第5専門」と言ってよい分野なのである。目に止まった…

ウクライナ危機・・・そんな場合か?

ウクライナの情勢が逼迫している。昨日、アメリカの大統領は、数日以内にロシアがウクライナへの侵攻を開始するという「強い確信」を得ていると述べた。以前、イラクに関して聞いたことがあるような言葉だ。ロシアが侵攻を開始すれば、今のところは、強い経…

西村賢太氏の訃報について

(2月17日付「学年主任だより№35」より②) 2月6日の新聞で、西村賢太という小説家の訃報を見付けた。あれ?どこかで聞いたことのある名前だな・・・あぁ、そうだ!と思い出したのは、5月19日付「学年主任だより№6」の裏面に貼り付けた西村氏のイ…

あ、今日春が来た!

(2月17日付「学年主任だより№35」より①) 一昨日、帰宅するとき雨が降っていた。雪ではなく雨である。 私は学生時代、縁あって、仙台市内のあるお寺の座禅堂という所で生活していた。朝食付きでタダだったので、下宿と言うより「居候」と言った方が正…

カーリング万歳!

北京オリンピック開幕数日前に、新聞を見ながら家族と、「え?!あと○日でオリンピック始まるの?なんだか、全然そんな雰囲気無いよな」などと言っていたのだが、いざ始まってみるとつい見てしまう。プライバシーがないという家の構造の問題もあって、家族が…

植松氏へのエール

抱えていた論文を1本出して、一息ついているということは、半月ほど前に書いた。その後も、のんびりと、懸案だった本を読んだり、改めて聴いてみたいと思った音楽を聴いたりしている。ただし、PCの調子があまりにも悪いので、ここに字を書くことがひどく…

滝沢秀一のゴミの本

(2月9日付「学年主任だより№34」より) ついに授業もおしまい。「つひに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを」(在原業平の辞世) 過ぎ去った時間は常に速い。 さて、この「学年主任だより」も、最近は少し偉くなって(?笑)、司書の…

自転車で都響!

昨日は、久しぶりで雪が積もった。5㎝くらい。今日、牧山に走りに行くのは厳しいかな、と思ったが、晴れているし、あまりぬかるむ道でもないので行くことにした。珍しく、息子が一緒に行くと言う。今日はスケジュールいっぱいで忙しいので、初めて、家を8…

教育学者は何をしているのか?

先日、息子と話をしていたら、息子が気になることを言う。息子の通う中学校のクラスでは、給食の時にもマスクを取らない子が3~4人いるらしい。私は思わず、「えっ?マスクを取らずにどうやって食事をするのだ?」と聞いたら、息子は、マスクの下を少し押…

デジタル問題についてのふたつの記事

最近読んだデジタル問題に関する二つの新聞記事について書いておく。 ひとつは、2月3日朝日新聞に載った川島隆太氏(東北大学加齢医学研究所所長)のインタビュー記事。この方は、かなり前から携帯電話やスマホの、特に子どもに対する悪影響に警鐘を鳴らし…

高野連はまず謝罪すべきだ

今年の春の甲子園、選抜大会の出場校選出を巡って物議が生じている。言うまでもなく、東海地区の代表をどこにするかという問題だ。昨秋の東海大会で準優勝した聖隷クリストファー(静岡)が落選し、準決勝で敗れた大垣日大が、個人の力で勝る、甲子園で勝て…

学校の壁の中

(2月1日付け「学年主任だより№33」より) 1月6日から、特別教室のエアコンの修理工事というのが始まった。約1ヶ月を経て、今も続行中であることは、諸君も見ての通り。あちらこちらで壁や天上が剥がされ、内部の配管、配線が丸見えだ。 壁の内部に設…