2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

歴史に埋もれた「声」

西井麻里奈『広島 復興の戦後史 廃墟からの「声」と都市』(2020年、人文書院)という本を友人から借りて読んだ。今時としては珍しいくらい小さな活字で360頁あまり、文字がびっしりと並んでいる。数えてみれば、46字×21行、1頁に最大で966字…

中村哲についての授業

勤務先の学校は、先週月曜日から木曜日までが修学旅行だった。旅行期間中は、2学年に所属する教員が不在となるので、通常の時間割での授業が成り立たない。そこで、午前中4時間の特別編成時間割となる。 12月上旬までに、残留組の教員から希望を聞き、担…

日本人の意識

(12月22日「担任のお話」№30より②) 〈余談〉 自分では絵が描けないにもかかわらず、何かの縁で美術部の顧問をしているため、時々美術室に行く。美術部の生徒とのやりとりはともかく、壁に貼ってある授業で作った作品を見るのが楽しい。もちろん、M…

「楽」と「便利」は落とし穴

(12月22日「担任のお話」№30より①) 今日は冬至。今年の授業も今日でおしまい。 ところで火曜日、諸君の体育の授業に混ぜてもらった。昔から、自分のクラスの体育の授業にはLHR感覚でよく混ぜてもらう。ところが、今年は週に3回ある体育が全て自…

自転車で清塚信也

昨晩、10時過ぎにちょっと見てみようかと思って、Eテレ「クラシック音楽館」をつけたら、ブラームスの交響曲第3番の第1楽章の終わりくらいを演奏していた。テレビの番組表にも曲目は書いてあるので驚かないのだが、驚いたのは、コンサートマスターの席…

ついに天文学!・・・記念すべきラボ第30回

昨日は、記念すべき第30回の「ラボ」であった。第1回を開いたのが2016年7月22日だから(→その時の記事)、途中、コロナによる中断が2年半あったとはいえ、既に7年。しかも、ずっと2ヶ月に1度というすさまじいペースで開催してきたのだから驚く…

子どもを大切に

(2023年12月14日「担任のお話」№29より②) 表面)12月6日付け石巻日々新聞より、「ダークマターって何もの ラボトーク参加者募集」を貼り付け。平居コメント)私の一般市民向け教養講座「ラボ」。一流の専門家の話は文句なしに面白いし、そう…

期待の表れ

(2023年12月14日「担任のお話」№29より①) 一昨日、戦力外通告を受けた楽天・塩見投手の引退記者会見が行われた。2010年のドラフト1位、鳴り物入りで入団した生え抜きの選手だ。しかし、12年間であげた勝ち星は46.期待が大きかっただけ…

MOROHA

どうやら、石巻の映画館でも「さよなら ほやマン」の上映が終了してしまったようだ。「1ヶ月続いてよかった」とは言えない。全国紙の映画評で取り上げられ、見た人の評判もあって、だんだんお客さんが増えていくという理想型からすれば、残念なことである。…

学ばない人たち

一昨日の夜、家族でテレビのニュースを見ながら、「学ばない人たちだなぁ」とぼやいていた。言うまでもなく、官房長官が政治資金規正法に触れることをしていたことが確定的になったのに、本人も辞意を示さず、首相も更迭を考えないことについてである。 岸田…

アナログはどこへ?

(2023年12月8日「担任のお話」№28より) 今日は太平洋戦争の開戦記念日。82年前(1941年)の今日、マレー半島・コタバルへの上陸と、ハワイの真珠湾攻撃とによって、あの無謀で悲惨な太平洋戦争が始まった。終戦記念日( 月 日←空所に適当な…

宇宙と数学(2)

次に「超越数」だ。超越数というのは聞き慣れない概念だが、「方程式の解にならない数」と定義される。ちなみに「方程式の解になる数」を代数的数と言う。言葉で定義するのは簡単だが、実際の数字を超越数であると証明するのは至難であったらしい。 超越数が…

宇宙と数学(1)

私は理科大好き人間なのだが、残念ながら、中学・高校時代から、数学という教科が甚だ苦手であった。勉強していてつまらないとは思わないし、物理は得意科目だったのに、なぜか数学がまったくできない(試験で点数が取れない)。そのため、大学では文系学部…

多部島巡礼(2)

石巻から網地島に行く場合、時間を選択することはほぼできない。船の便が少ないからだ。9:00に石巻を出て9:54に網地(長渡なら10:08)に着く船で行き、13:30に網地を出るか(長渡には行かない)、14:51に長渡を出る船(網地なら15…

多部島巡礼(1)

後期中間考査が終わった先週末、仙台で石田組に浮かれていたツケが回ってきて、土曜日は午後から出勤し、採点その他の雑務に没頭していた。 そしてその翌日、つまり昨日の日曜日は、息子と多部(たぶ)島に行った。多部島とは石巻の沖に浮かぶ網地(あじ)島…

石田組!!!!!

一昨日発行した「担任のお話」の紹介が、なぜ昨日になってしまったかというと、一昨日は1時間だけ学校を早退し、仙台まで「石田組」の演奏を聴きに行っていたからである。 石田組は、今更説明の必要もないだろう。バイオリニスト石田泰尚(組長)率いる少人…

遠景と近景

(2023年12月1日「担任のお話」№27より) 早くも師走。よく「先生が走り回るくらい忙しい月」だと説明されるが、おそらくそれはウソ。ただ、今月をもって今年は終了。早いっ!!と驚く事実は変わらない。 【「始業」の意味を考えよう・・・】 私が…