2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

権威について・・・『ガリーナ自伝』より

先日(1月14日)、ナチス政権下のR・シュトラウスについて書いた。文中に、フルトヴェングラー、ショスタコーヴィチという二人の音楽家を対比的に登場させた。そうしたところ、ショスタコーヴィチについて知るために、20世紀ソ連を代表するソプラノ歌…

「門小は門中に併設」の意外と疑問

そう言えば、一昨日の夜、門脇中学校で開かれた「石巻市立学校施設災害復旧整備計画(素案)門脇地区地域説明会」というのに出席した。簡単に言えば、津波と火事で使用不能となった門脇小学校の復旧計画についての原案を説明する会である。忘れたわけもない…

わだつみのこえ・・・中村克郎氏の「真理」

昨日の新聞各紙に、中村克郎という人の死が報ぜられた。戦没学生の手記を集めた『きけ わだつみのこえ』を、中心になって編集した人物である。そんな説明を読みながら、そういえばそんな人もいたなと思い、書架から岩波文庫の同書を手に取り、氏による長い「…

今年の年賀状から

今日からしばらく厳しい寒さが続くそうであるが、大寒も過ぎたし、日も長さも少し感じられるようになってきた。我が家では、牡鹿半島から太陽が昇るのがよく見える。既に日の出の場所が、明らかに北にずれてきた。この太陽の動きというのは、何とも季節の変…

私は「秋入学」支持者である

19日の新聞で一斉に報道されたことだが、東京大学が、5年後から入学を秋にする方向で作業を進めるそうである。私は全面的に賛成だ。 10年近く前に、官公庁の書類がB版からA版に変更された時、理由は「国際化」であった。私はその時、それを笑った。そ…

愛媛県をどれくらい知っているのか?

(1月19日付学級通信より) 12月実施の修学旅行へ向けて、お金の積み立て手続きが進んでいる今になって、突然、行き先変更の話になっている。今年度に比べると条件は多少悪いが、愛媛県から半分ご招待(5万円補助)という案内が来たからである。一斉メ…

校訓唱和に「宗教だ!」の声

(1月19日付学級通信より) 礼節を貴び、師長に順うべし。 至誠を本とし、廉恥を重んずべし。 忍耐を旨とし、業務に励むべし。 生徒会が音頭を取って、突然、朝のHRで「校訓唱和」なるものが行われたところ、諸君から「宗教だ!!」とのブーイングが起…

ようやく出た!!・・・宮水の復旧計画

(1月19日付学級通信より) 東京では異常乾燥注意報発令が連続34日となり、史上第3位に並んだそうである。石巻がどうか正確には知らないが、太平洋側はどこもかしこも似たような状況にあるらしい。乾燥すると増えるのは、火事とインフルエンザである。…

日の丸君が代訴訟の最高裁判決

月曜日に、日の丸君が代訴訟の最高裁判決が出た。あまり多くの報道をチェックしてはいないが、減給や停職という重い処分に一定の歯止めをかけたことを評価する論評が多かったようだ。確かに、「職務命令は合憲→従わない者にはどんな処分をしてもよい」という…

絶叫の快感・・・マーラーの交響曲第8番

昨日、NHK(Eテレ)で、私が大好きなマーラーの第8交響曲を放映するというので、ワイシャツのアイロンがけをしながら(我が家は自主自立=笑)、それでも真剣に見ていた。1時間番組なので、75〜80分かかるこの曲を全てというわけにはいかず、第2…

気質と言動・・・ナチス政権下のR・シュトラウス

先日「薔薇の騎士」について少し書いた。私は、「薔薇の騎士」だけではなく、R・シュトラウスの音楽は基本的に好きである。もっとも、その「好き」は、ベートーヴェンやバッハ、マーラーといった人を「好き」だと言う時の「好き」とは違い、人間観や哲学の…

オルテガそしてニカラグア

今日の『朝日新聞』「ニュースの顔」というコーナーにダニエル・オルテガという人物が取り上げられていた。「ニカラグア大統領に就任」「通算3期目」といった文言を見て、あの「オルテガ」かと思った。写真を見ると、かつて私が写真で知っていたオルテガと…

力強い援軍現る・・・新都市計画批判

ほとんど冬休み中、C型肝炎の闘病記を整理していたので、その時その時の話題に触れることが出来なかった。 正月休み中の新聞記事で、これはと思ったものがある。1月4日の『石巻かほく』に載った岩手県立大学教授元田良太氏の講演会に関するものだ。 石巻…

知らない「卒業生」の喜び

(1月10日付学級通信より) どこに旅行に行くでもなく、石巻と仙台・名取の実家を行ったり来たりしているうちに休みが終わってしまった。 (今年の年賀状コピー貼付=ブログの1月1日記事と同じ) 今年の年賀状はこの通り。諸君も震災の影響で、家にいろ…

下降線と上昇線・・・R・シュトラウス「薔薇の騎士」に寄せて

正月に、ほんの数時間ながら、自宅で一人の時間が取れた。別に家族が邪魔だというわけではないが、音楽を聴くにはめっぽう不自由な環境なので、一人になると遠慮無く音楽が聴けるのはよい。 リヒャルト・シュトラウスの歌劇「薔薇の騎士」を久しぶりで聴くこ…

資料と古典

年末に遊びに来た卒業生某君と話をしていて、以下のような質問を受けた。 「先生は、本の整理どうしてますか?僕の所、本がたまって困っているんですけど・・・。」 私は答えた。 「確かに置き場所には困るねぇ。だけど、出来るだけ捨てない方がいいと思うよ。…

C型肝炎の記録(10)・・・症状と「肝炎訴訟」

治ってから、肝炎の症状について時々考える。というのも、肝臓が「沈黙する臓器」であることもあって、症状はあったとしても非常に緩やかに表れるため、それと気付かず、治ってみて始めて「あれは肝炎の症状だったかも・・・」と自覚されるからである。ただし、…

C型肝炎の記録(9)・・・ペグIFNによる治癒と医療費の問題

私がここでペグIFNと言っているのは、商品名で「ペグイントロン」と呼ばれるペグインターフェロンα-2b製剤である。これは、ポリエチレングリコールをインターフェロンと結合させることで、血中での持続時間を長くしたものであるが、投与の間隔が延びた…

C型肝炎の記録(8)・・・治療法と制度の劇的な変化の裏に・・・

私は「717」に驚き、若しくは当惑とも言うべきものを感じはしたが、さほど悲惨な気分にはならなかった。と言うのも、実は1998〜9年にIFNによる治療を行った後、C型肝炎の治療と保険制度が驚くほどいろいろと変化していたからである。 最初のIF…

C型肝炎の記録(7)・・・ウィルスの再出現と717の当惑

IFNの副作用がだんだん軽くなるというのは、同じ場所を針でちくちく刺激すると、だんだん感覚が麻痺して痛みを感じなくなるというのと同じ仕組みらしいが、それは感じにくくなるというだけであって、なくなるわけではない。しかも、IFNを注射すると、…

C型肝炎の記録(6)・・・IFNを打つ

8月10日に、いよいよINF治療が始まった。 IFNとは、「薬」とはいっても、もともと人間の体の中にある物質である。ウィルスというものは、後から後から新しい細胞に感染することでその命を繋いでいるが、その感染を妨害する(インターフェア)するこ…

謹賀新年 2012年元旦

昨年はお世話になりました。 被災地の中心に住みながら、車が水没しただけで、幸い、家族も自宅も無事。平凡な日常の幸せを感謝しつつ、穏やかな新年を迎えています。 勤務先が津波と地盤沈下のために移転となるなど、まだまだ不自由や困難もありますが、実…