まだ悩むだけの時間がある

(7月2日「Tr,平居の学年だより№12」より後編)

【立ち止まって考える・・・就職or進学】

 昨日から、求人票の受付が始まった。それに先立ち、先生たちは手分けをし、卒業生が働いている会社、求人票を出してくれそうな会社を訪問した。その結果、今年も塩釜高校生を採用したいと言ってくれている会社は相当数に上ることが分かった。ありがたいことである。
 一方、諸君の中に141名(約40%)もの4年制大学進学希望者がいるなど、塩高生の進路希望は、大学進学へとシフトする傾向にある。これらのデータを前に、先生方の間では、本当に大学へ進むのがいいことなの?という意見も出ている。理由は次の通りだ。

・大学進学率が全国平均で60%に近づき、大卒であることは特別な価値を持たなくなっている。
(高卒でも大卒でも就職先、仕事の内容が同じ、というのが珍しくない)。
・大学4年間では、私立なら文系400万円、理系約600万円ものお金がかかる。
(入学料、実習費等含む大雑把な金額。大学によっても違う。医薬系は更に高い。生活費は別)。
奨学金をアテにする人も多いが、それは基本的に返済が必要な借金である。)
・諸君が大学を卒業するときの社会状況は不明で、就職口がだくさんある状態が続いているとは限らない。
(だったら、塩高生として歓迎される職場に学校紹介で入ってしまった方がいい。)

 大学に行くメリットは、就職との関係だけで考えられるべきではない。比較的自由な4年間という時間を持つことで、一生懸命仕事をするのとはまた違った種類の成長が期待できることは、金銭に換えられない価値を持つ、と私は思う。だが、上のようなデメリット、あるいは高卒就職のメリットがあるのも確かだ。諸君にはまだ悩むだけの時間がある。

 

【昔から、私に相談するのは間違い】

 6月26日に校外模試を締め切ったところ、申し込み者は18名だったそうだ。これで50名を超えていた国公立大学希望者が早くも10名に減ったな・・・とは私が思ったこと。(←それでも例年の「倍」らしい。)
 以前勤めていた高偏差値高校には、医者になりたいという生徒がたくさんいた。医学部に入るのは難しい。相談を受けた他の先生方がせっせと励ます隣で、私は「無理、無理、あきらめろ」と言っていた(昔から「私に相談するのは間違い」=笑)。私から「無理」と言われたくらいであきらめるなら、しょせんその程度の気持ちなのであって、厳しい受験勉強に耐えて難関・医学部になんか入れるわけがないから、それでいいのである。私に「無理だ」と断定的に言われようが、バカにして鼻で笑われようが、どうしても医学部に入りたいから頑張る、という生徒だけが生き残る。それで十分だ。
 諸君が国立大学を目指すのは似たようなものだ。先生の励ましを求めるような甘えん坊には無理。自分を伸ばせるのは自分だけ。自分の人生は自分のもの。本当に実現したい進路なら、石にかじりついてでも頑張る。「国立大学に入りたいんですけど・・・」と相談に来る生徒がいたら、私なら「まず最初に勉強の敵=スマホを解約してこい」とアドバイスするなぁ(笑)。それで18が0になる? ・・・ふふふ。

(注:後段の記事は、6月15日と6月26日の記事の表現を踏まえ、その記憶があってはじめてユーモアが理解できるように書かれている。ここだけ読んでも分からないかも。)