「夢」を問い直す

(6月23日付け「学年だより№51」より②)

 

【「夢」を問い直す】

 今年度第1回の進路希望調査の結果は、両学科を合わせて次の通り。
  就職62名  進学292名  (注:ブログでは詳細省略
就職希望者の少なさ=進学希望者の多さが際立った学年である。特に、いつもは就職希望者が大半を占めるビジネス科で、就職と進学が半々というのが目に付いた。ちなみに、1年生は就職希望者が104名、3年生は99名で、こちらは例年通りだ。原因は分からないし、比較に意味があるとも思えないが、少しだけ気になる。強い向学心の表れだと嬉しいのだけれど・・・。
 個別の希望も見せてもらった。選択科目と関係するのか、クラスによる偏りがとても大きいのだが、理美容、ブライダル、ファッション、スポーツ関係の仕事に就きたいと思っている人がずいぶん多い、という印象を受けた。今の世の中なら、それは許される。自分が本当にやりたいと思うことに挑戦し、いい仕事が出来る人間になって欲しい。
 ただし、それらは景気や人の好みに大きく左右される分野だ。趣味と仕事を一致させることがいいのかどうかも考えどころだ。趣味で楽しいことが、仕事になった瞬間苦しみに変わるというのはよくある話である。
 人間の生活は「食べる」ことが基本で、生活を支えるための水道、ガス、電気、廃水・ゴミ処理などがそれに次ぎ、更には医療や教育がある。基本に近いものほど、時代や景気に関係なく安定して必要とされる職業だ。食べるにしても、1粒500円のサクランボとか100g1万円のステーキではなく、ごく普通の米や野菜、魚・肉が最後まで大切にされる。
 諸君が生きていくこれからの時代は、とても厳しく困難なものになるだろう。食べられることは当たり前、その前提に立って「夢」を追いかけることは難しくなるかも知れない。食べられることこそ、長い年月をかけて人間が実現させた「夢」である。ただし、その夢が、外国からの輸入に頼った薄氷の上にあるようなものに過ぎないこと、また、その夢を実現させられていない人が、地球上にはまだまだたくさんいることを忘れてはいけない。

 

【これはうっかり・・・服装規定のこと】

 先週3日間、生徒指導部から「猛暑日対応」のお触れが出た。解除される頃になって、某先生が「そう言えば、別に猛暑日対応とか言わなくても、去年の生徒総会で出た要望を元に、夏服期間については各自そんな対応をしていいことになったんじゃないんでしたっけ?」と言い出した。
 あぁ、確かにそんなこともあったような気がするなぁ、と思い、慌てて調べてみるとその通り。既に生徒手帳にも書いてある。自分たちで決めたルールを忘れ、使いこなせていない。生徒も先生もだ。なんだかおかしい。

 

*その他の記事は省略。


裏面:2020年2月1日付け朝日新聞土曜版「be」より「はてなスコープ」を貼り付け。見出しは「持続可能な漁業へ 科学的データで資源管理」。
平居コメント:少し前の記事だけど、大切な問題だし、表の進路希望調査についての記事とも関係するので・・・。