アヤメ・ショウブ・カキツバタ



(6月14日付け学級通信より)


 5月、仙台では史上最低の降水量を記録したとかいう乾燥した1ヶ月となり、6月に入ってもなかなか雨が降らずにいたところ、ようやく、この2〜3日、少しばかりの雨が降り、梅雨の気配を感じるようになってきた。雨はやっかいな場合もあるが、やはり降るべき時に降ってくれないと具合が悪い。

 先日、妻が実家からカキツバタをもらってきて、家に飾っていた。さすが、やっぱりこの季節に似つかわしい花だな、と思いながら眺めていて、ふと、この花はアヤメやショウブとどう違うんだっけ、という疑問を抱いた。だが、なんだか毎年同じ疑問を同じ季節に抱いては、辞典で調べ、納得するのだが、すぐに忘れてしまうということを繰り返しているぞ、と思い至って、少し情けない気分になった。今年もまた、いそいそと『広辞苑』を開く。以下はその抜粋。


アヤメ:アヤメ科の多年草。やや乾燥した草原に群生する。ショウブの古称

ショウブ:サトイモ科の多年草本。根茎は水底の泥中に横たわる。古くはアヤメと呼んだが、アヤメ科のアヤメ、ハナショウブとは葉の形が似るだけで、全くの別種。

ハナショウブ:アヤメ科の多年草。ノハナショウブを原種として、日本で改良された。

カキツバタ:アヤメ科の多年草、池沼や湿地に生じ、大型の花を開く。


 う〜ん、これは混乱なく憶えろという方が無理、というものだ。特に太字の部分は、許せないくらい紛らわしい。しかも、更に困ったことに、漢字の表記はアヤメもショウブも「菖蒲」となっていて、同じである。昔の人も混乱した結果として、太字のような現象が起こってしまったのだろう、と思う。

 しかし、花は、美しければ素直に美しいと思って眺めればよいのであって、理科的、分析的に見ようとするから混乱もするのだ。そんな不純な姿勢を戒められているような気がしてきた。


【言葉も意識も貧しい・・・個人面談を終えて】

 昨日まで約1ヶ月をかけて、ひととおり個人面談をした。面談と言っても、1人10分程度のささやかなものである。時間を取るのが非常に難しかったのも確かだが、たくさん時間があっても同じ結果になったような気がする。次の会話は、その典型例だ。話が続かない。


T「3年生になって、学校生活どう?」

S「フツーです。」

T「フツーって、毎日順調に生活しているってこと?」

S「それはビミョーですけど・・・」

 (会話に「フツー」と「ビミョー」が多すぎる。デリカシーのない証拠である。)

T「何か悩みとか、私に対する質問とか意見とかないの・・・?」

S「特にないっす。」

T「楽しく学校来てるわけね?」

S「ハイッ!!!!」

 (頭を使って考えないから、ただ楽しいばかりで疑問も不満もないのだ。)


 ま、本人が特に困っていないわけだから、文句を言うことでもないのかな?でも、やっぱりいいのかな?なんだか成長する気配を感じないぞ。

 それでも、進路についての話は、まずまずまともだった。たいていの人が、それなりに考えていることを実感できた。進路指導部長F先生による面談も進行中だし、いろいろなきっかけを利用して考えを深め、体を動かして調べてみよう。


*宮城丸は、一昨日、ついに日付変更線を越えて「私たちの側」へ帰って来た。とても順調な航海のようだ。あと1週間で帰港!


(他の記事は省略)


(裏面:6月6日付け『朝日新聞』より、世界発「ベトナム鉄路1700キロ」を引用

平居コメント:私は鉄道、特に乗るのは大好き。残念ながら、ベトナムに行ったことはないけれど、こんな記事を読んでいるだけで、のんびり、ゆったりした気分になれる。)