青葉中学校・全国産フェア、そしてオスプレイ!



 昨日の午後は、石巻市立青葉中学校の「高校の先生の話を聞く会」というのに行った。珍しく2年生が対象である。生徒を二つのグループに分けてあり、私が話をしたのは体育館のグループ。生徒30名あまりと保護者15名ほどである。石巻好文館高校、石巻西高校ときて、3番目に私が話す。私に先立つ2校は、どちらも普通科の、そこそこ成績のいい学校である。私の後、10分間の休憩を挟んで、石巻商業高校、私立仙台育英学園と続く。このグループ分けが不自然である。宮水に関心を持つ生徒なら、他には石巻北高校(旧農業高校で現在は総合学科)や石巻工業高校あたりが関心の対象となる。ところが、それらは別グループである。しかも、それら2校と組み合わされているのは、石巻地区の雄・石巻高校と、市立桜坂高校(石巻市立女子高と女子商業高校を統合して来春開校する新女子高)、私立聖和学園だ。これほど無秩序な組み合わせも珍しい。もしかして、1校の話が終わるたびに、生徒の入れ替えがあるのかな?などと思い、待ち時間に学年主任に尋ねてみた。そうしたところ、学年主任は次のように答えた。

「生徒の入れ替えはありません。一応、生徒の進路希望は調査し、自分の第1希望の高校の話が聞けるようにとはしてあるのですが、まだ中学2年ということで、進路も未決定者が多いということもあり、できるだけいろいろなタイプの学校の話を聞かせて、生徒に勉強させたいと思い、こんなやり方にしてみました。」

 これは偉いぞ。私が以前から、主に中学生・高校生に対してたびたび言っているのは、興味のある学校の情報なんか何もしなくても入ってくる、興味のない学校の話こそ聞いて、広い視野と柔軟な発想を手に入れるべきだ、ということである(→参考)。だが、現実には、そんな発想で動いていると見える中学校にお目にかかることはない。やるなぁ、青葉中学校!

 私は、一人でも多くの生徒が宮水を受験してくれるように、などとは思っていない。適切な進路選択をして欲しい、産業の構造や自分たちの食生活について知って欲しい、水産業サポーターを増やしたい・・・これらが私の思いだ。そんな私にとって、特別に宮水に興味関心があるわけではない生徒がずらりと並んだ青葉中の体育館は、願ってもないフィールドだった。話をする直前までパワーポイントを使うかどうかも迷っていたのだが、学年主任の話を聞き、私の前の学校がパワーポイントを使っていかにも通り一遍の学校紹介をしているのを見て、そんな小道具を使う気はたちまち失せた。マイクも使わず、20分間お話をし、最後には珍しく盛大な拍手をしてもらって、いい気分で帰って来た。こんな進路企画を、少しでも多くの中学校に開いて欲しい。


 今日は予告通り、「全国産業教育フェア」であった(明日まで)。私は非番だったのだが、こんなイベントを見る機会もなかなかないので、宮水のホームページ用取材も兼ね、宮水1年生のバスに便乗して仙台港(宮城丸見学会)、名取市民体育館(主会場)と回った。バスの座席に余裕があるのを幸いと、子供連れでの参加である。いろいろな専門高校が、それなりに準備していろいろな展示をしており、販売品にも面白い物がたくさんあって、3時間くらいは楽しめそうだったが、バスのスケジュールが厳しく、1時間しかいられなかったのは残念だった。

 来場者10万人が目標と聞いていたが、事前の宣伝をあまり真面目にやっている風はなく、私が県立の専門高校職員ではなく、一県民だったら、こんなイベントがあることも知らず、耳にしてもわざわざ行ってみようとは思わなかっただろう。10万人なんて集まるわけないよな、と思っていたが、実際、来場者には高校生と教員らしき人たちばかりが多く、内部の大集会という感は否めなかった。「10万人」もありえない。

 帰路、仙台東部道路(高速道路)を走っていると、右手から飛行機が飛んでくるのが見えた。近くに仙台空港があるので、飛行機が飛んでいるのは不自然でも珍しくもないのだが、息子が大好きなので、「おっ、飛行機来たぞ!」と声をかけた。「ANAかなぁ、JALかなぁ?」「・・・」「あれっ、なんだか変な形の飛行機だなぁ?」「あっ、オスプレイだ!!!!」

 防災訓練のために、昨日から、宮城県オスプレイが来ていることは新聞で知っていた。だが、まさか、自分たちの目の前を通過していくとは思ってもみなかった。オスプレイは、私たちの乗ったバスから観察するには最高のタイミングで、高速道路の上空を横切っていった。西に向かって高度を下げていき、霞の目飛行場(仙台市街地の東側にある、主にヘリコプターやグライダーのための飛行場。自衛隊の駐屯地にもなっている。旅客機が発着する「空港」ではない)に着陸する様子だった。

 穏やかな晩秋の青空の中で、「戦争」とか「危険」とかいった雰囲気は微塵も感じさせず、ただ静かにふわふわと目の前を横切っていっただけだったが、なんだか遠い沖縄が、今目の前にあるかのような気分にだけはなった。


 明日は、今年度最後の合同進学相談会(学習塾協会主催の「Can」)。石巻専修大学で営業活動である。秋の休日出勤シリーズもようやく一段落。