エルサレムと大道芸

 今年の2月に、トランプ大統領イスラエルアメリカ大使館をエルサレムに移す、すなわち、エルサレムを首都と認めると言いだした時、私はたいへん強い危惧を感じ、一文を書いた(→こちら)。効果はてきめん(笑)!その後その話はうやむやのままに消えていった、やれやれ、と思っていたが、甘かった。今日になって、いよいよエルサレムイスラエルの首都であると宣言する、という話になってきた。いったい、どこまでバカなんだろう?2月に書いたとおり、それは腐海で銃を撃つのと同じことだ。しかも、このことによってアラブ人の中に溜まったストレスは、直接に因果関係を見て取れることだけではなく、関係性を確かめられないような様々な事件を引き起こし、アメリカ、いや、世界に大きな犠牲を強いることになるだろう。あまりにもひどい。(参考→私のアラブ・イスラエル体験記事=この翌日も。オバマ政権のイスラエル政策にも言及あり。)


 話はまったく変わる。強い印象に残ったので書いておく。
 先の日曜日、第九の演奏会場である宮城県民会館東京エレクトロンホール宮城)に行く途中、東一番町という商店街を歩いていたら、一人の若い男が大道芸をやっていた。マジックである。時間があったので足を止めてみると、なかなか面白い。語りも上手い。私は途中からで、15分くらいしか見ていないのだけれど、最後の方では、観衆の盛り上がりが半端ではなかった。私も唖然としながら夢中で拍手していた。確かにプロ、いや、プロ中のプロの技なのである。大泉、33歳、2年前にどうしてもマジシャンへの道があきらめきれず会社を辞めた、県大会での優勝歴はある、と自己紹介していた(探すとブログはあるみたい)。
 終わった後、観衆は冷たく去って行くのかと思ったら、ほとんどの人がちゃんとお金を帽子に入れていた。私もあまりに感心したので、これは対価と激励、二つの意味を込めて相応額を支払わねばと思った。そうしたところ、私より2人くらい前にお金を入れた人(どんな人かよく見ていなかったが女性だったと思う)が、1万円札を入れた。人がいくら入れるかなんて気にしていなかった私は、大泉氏が「あ、本当にいいんですか?初めてです。ありがとうございますっ!!」と素っ頓狂な声を出したので、そのことに気づいた。さすがに少し異常だとも思ったが、その人はそれだけの価値を感じたということだ。どちらもすご〜い!